重要!化粧品中に含まれるベンゼンの制限値の公式根拠があります!
Source: CIRS

2022年3月10日、中検院は化粧品におけるベンゼンの制限値について意見を求める通知を発表し、化粧品における安全性リスク物質の管理を強化するため、関連リスク評価の結果に基づき、化粧品におけるベンゼンの制限値を2mg/kgと定めました。

ベンゼンは(英語名称Benzene、CAS番号71-43-2)、最も単純な芳香族炭化水素化合物で、中国の「化粧品安全技術規范」に規制された使用禁止成分であります。しかし、多くの化粧品用原料はベンゼンを完成品に持ち込む可能性があり、例えばカルボマーまたはブチル化ヒドロキシアニソールには、特定の製造方法で残留溶媒ベンゼンが含まれる状況があります。発がん性物質1A類であるベンゼンを微量で化粧品に持ち込まれると、人体の健康に潜在的な危害を及ぼす可能性があるため、化粧品安全評価報告書では危害を識別すべきです。

米国CIRは、アクリル酸アルカノール架橋ポリマー中のベンゼンの含有量を評価したが、化粧品の製造過程において、ベンゼンは揮発しやすく、暴露経路が複雑であり、安全性の結論はまだ出せないと考えられています。EU法規(EC)2009/552は、次のように述べています。「特定の危険物質、混合物、および物品の製造、配置、および使用に関する制限」では、他の物質の成分または混合物として、重量比で0.1%(重量計)以上の濃度のベンゼンは、市場に配置または使用してはならないと明記されています。有機溶媒としてベンゼンを使用した原料は、混合物として使われ、ベンゼンの残留量は上記制限値以下であり、上記制限使用に該当せず、原料使用量は要件を満たしています。EU医薬品管理局のICHガイドラインQ3C(R6)に設定されている医薬品中のベンゼンの残留制限値は2mg/kgと求められています。

これまで、我が国には化粧品におけるベンゼン制限値の法規条文はありません。「GB 5749-2006生活飲用水衛生基準」におけるベンゼンの指標は0.01mg/Lです。しかし、この指標は非常に小さく、企業が提供する化粧品用原料規格証明におけるベンゼンの指標ではこの条件を満たせない場合が多いです。「GBZ 2.1-2019職場における職業曝露制限値 第1部分:化学的有害因子」はベンゼンの職業曝露制限値を設定しました。

また、陸智氏等は化粧品原料及び完成品中のベンゼンの安全性を評価し、ベンゼンが化粧品中に不純物として存在する場合、その含有量が低いため、局所毒性を引き起こす可能性は低いと考えています。SCCSによる発がん性物質の評価方法及び米国EPA飲用水の基準を参照して、それぞれ最高安全濃度は1.717mg/kgと1.891mg/kgであり、2種類の評価方法によるベンゼンの制限値は薬品中のベンゼンの残留制限値(2 mg/kg)より小さいです。