「保健食品原料用菌種の安全性試験と評価技術指導原則(2020年版)」について
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20201031日、中国国家市場監督管理総局(SAMR)は「保健食品原料用菌種の安全性試験と評価技術指導原則(2020年版)」(以下は、「指導原則」と略称する)を公表しました。「指導原則」は、保健食品原料用菌種、糸状真菌(子実体は除外とする)及び酵母の病原性(毒性)試験の試験方法を明確化し、菌種が保健食品に使用可否に関する判定手順も規定します。

 

この度、CIRSは以下の方面から、「指導原則」に対して分析してまとめます。

「指導原則」の適用範囲

試験前に準備すべき資料

試験方法

試験方法に基づき菌種が保健食品に使用可否を判定する方法

1. 「指導原則」の適用範囲

  • 「指導原則」は、保健食品用菌種(保健食品処方に使用される菌種、及び保健食品原料の製造に使用される菌種を含む)の病原性試験及び評価に適用します。
  • 「指導原則」は、遺伝子組換えの菌種、及び中国で使用歴史無しの菌種の病原性試験及び評価に適用しません。

 

2. 試験前に準備すべき資料

NO.

基本資料

説明

1

基本情報

菌種名称、由来及び用途を含む

2

菌種分類学資料

菌種鑑定資格ある機構によって発行した報告

3

菌種鑑定資料

・ 一般的に、菌種レベルまでに鑑定する資料となる

・ 保健食品の効能成分(活菌)であれば、菌株レベルまでに鑑定する資料が必要

4

菌種成長環境条件に関する資料

/

5

変異菌種

菌種変異の詳細的な方法、及び100代(世代間の間隔は7日以上)以上の遺伝安定性研究報告を提供する

6

製造に関する資料

/

7

国内外の安全性評価資料

/

8

国外の食用認可資料

/

9

その他の資料

/

3. 試験方

全ゲノム配列

① ゲノム配

② ゲノム配列分析

動物病原性試験:試験機構は菌種病原性試験の試験資格及び評価資格を有する機構となります。

毒性試験:中国国家標準の試験方法、或は国際組織/外国の試験方法に基づいて毒性代謝物の含有量試験を行います。

4. 結果判定

保健食品に使用可能

状況1

  • 動物試験結果に基づき、菌種は病原性無し
  • 毒性試験結果に基づき、菌種は何れの受試培養基に毒性代謝物を生じない
  • 現状認識に基づき、全ゲノム配列分析は既知の毒性/病原性遺伝子(或は毒素合成の肝心遺伝子及びその遺伝子クラスター)の存在を発見していない

 

 

この場合、「保健食品に使用可能」と判定する

状況2

  • 全ゲノム配列に既知の毒性/病原性遺伝子(或は毒素合成の肝心遺伝子及びその遺伝子クラスター)の存在を発見する

ただし、

  • 動物試験結果に基づき、菌種は病原性無し

或は、

  • 毒性試験結果に基づき、既知の毒性代謝物を生じますが、その含有量が低くて、長期摂取しても人体健康に影響なし

この場合、国内外の使用歴史を合わせて、「保健食品に使用可能」と判定する

保健食品に使用不可

  • 動物試験結果に基づき、菌種は病原性ある

或は、

  • 菌種は既知の毒性代謝物を生じ、その含有量が高くて、長期摂取すると人体健康に影響する恐れがある

 

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