最少の試験データで中国REACH、EU REACH及びK-REACHへの対応

生態毒理学 

背景

ECHAによりますと、2018年5月31日の第3次登録期限まで、21,551物質に関する88,319件登録ドシェ(技術一式文書)が提出された。REACH登録が実施されることに伴い、ECHAは世界最大のデータベースを構築し、物理化学性状/毒理学/生態毒理学に関する情報が収載されている。

EUにおける化学品管理の考え方を参考にして、韓国K-REACH改正案は年間1t以上の化学物質及び年間0.1t以上の新規化学物質の登録を求める。データ統計(不完全)によると、韓国では7,000以上の既存化学物質の登録が必要である。

中国環境部は「新化学物質環境管理弁法」を公布し、新規化学物質の登録が必要になる。「中国既存化学物質名録」(IECSCに4万以上の物質が収録されている。その他の国の既存化学物質名録と大きな格差があるので、一部の国で既存化学物質として分類されたが、中国では新規化学物質に分類されて登録が要求されることがある。該当物質は新規化学物質登録を行うために、物理化学性状/毒理学/生態毒理学のデータを提供しなければならない。

データ要求

ある国で提出されたデータは、他の国の登録要求を対応することができるか?国又は地域ごとに要求されるデータが異なるので、理論上で不可能だが、各国がREACH法規制を参考して制定されたデータ要求は、さまざまな点で似ている。多国の法規要求を満たすことを考えて、共通している部分に対して同じデータで対応することが可能である。ほかの要求があれば、共通点を踏まえてデータの追加提出が実現できる。

法規要求を満たすため、データ方案を作成する前に、代替方法、GLP試験室やポリマーの登録などの各国の要求を考える必要がある。

ポリマーの登録を例にして、中国と韓国においてポリマー自体の登録が要求されるEUでは、ポリマーを構成する2wt%以上のモノマーとそのほかの物質は、年間1t以上製造又は輸入される場合、登録する義務がある。そのため、国によりポリマーの登録に対するデータ要求が異なる。

GLPは国際標準の試験室管理システムとして、OECD GLP試験室による提出したデータが大部分の国で認められる。なお、中国は生態毒理学データに対して、以下の特殊な要求がある。(新化学物質申告登記指南)

水生環境有害性
  • 1級 少なくとも1種類のデータを提出(魚類毒性試験が推奨される)
  • 2級及び2級以上 級数に応じた水生毒性試験データを追加提出
分解性
  • 易分解性試験が推奨される
  • すでに中国域外で当試験を実施した場合、易分解性試験のデータ又は本質的生分解性試験のデータを提出
  • すでに中国域外で当試験を実施した、易分解性ではないという結果を得た場合、本質的生分解性試験のデータを提出必要
物理化学的特性
  • 韓国はGLPによる提出したオクタノール/水分配係数測定試験のデータを要求しているが、その他の国では要求なし

代替法

代替法によって安全性試験を行うことが広がりつつある。in vitro(体外)、Read-across(リード・アクロス)、QSAR(定量的構造活性相関)などが代替法としてEU REACH登録で利用されている。皮膚腐食性/刺激性、眼刺激性及び皮膚感作性の測定試験は、事前にin vitro試験の実施が求められる。in vitro試験では陽性又は陰性を示めしなく、即ち不明瞭の結果を得た場合、in vivo(体内)試験の実施ができる。

中国では、皮膚腐食性/刺激性及び眼刺激性の陽性結果のみが認められる。陰性であった場合、相応のin vivo試験の実施が必要である。系列申告を行う時、Read-acrossの活用が許可される。既存化学物質のデータとして、一般的にはRead-across法を使用してはいけない。試験データを優先しているので、QSARの活用が制限される。

韓国においてin-vitro、Read-across、QSARなどの利用が認められるが、適用性及び関連要求が不明確であり、K-REACH登録では代替法の使用がまだ不確定である。

年間10-100tの登録方案

上述した内容に基づき、CIRSは以下の対応方案を提出する。

1. 物理化学性状試験 

オクタノール/水分配係数測定試験のほかに、GLP試験室或は中国CNAS、CMA及び農業部GLP/GEP等の関連資格を持つ試験室で試験が実施できる。

2.毒理学試験 

GLP試験室で試験を行うことが求められる。皮膚腐食性/刺激性、眼刺激性及び皮膚感作性のin vitro試験の結果により、中国で皮膚腐食性/刺激性、眼刺激性及び皮膚感作性のin vivo試験を実施する必要性を判断する。

3. 生態毒理学試験 

GLP試験室で試験を行うことが求められる。本質的生分解性試験、魚類急性毒性試験及びオオミジンコ繁殖試験などが国内で行わなければならない(トン数に応じ)。

中国は試験データに対する要求が厳しいである。EUと韓国において試験計画書(Testing Proposal)の提出が認められるが、中国では試験データの提出を要求している。要求が異なるため、データギャップが存在する可能性がある。登録国の順番を考えて、重複した試験の回避が可能となる。

試験費用最小化を実現するために、企業は登録トン数、物質の性状及びデータギャップなどの問題を全体としてを考える必要がある。

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