中国初の「生態環境法典」立法プロセス開始
生態環境法典草案(以下「法典」という)は、中国で2つ目の法典として制定される法律であり、現在、社会一般から意見募集が行われている。この草案は全部で1188条の規定からなり、約16万字に及んでおり、汚染防止、生態保護、グリーン・低炭素発展、法的責任など、多岐にわたる分野を網羅している。
法典の多地域適用
本法典は、生態環境の保護、汚染その他の公害の防止、公衆の健康及び生態環境上の権利の保障、グリーン発展の推進、生態文明の構築、美しい中国の全面的な建設、並びに人間と自然の調和共生を目指す現代化の加速を目的とする。
本法律は、中華人民共和国の領域及び管轄するその他の海域内における生態環境保護関連活動に適用される。なお、中華人民共和国の領域及び管轄海域外において、当該地域の環境汚染又は生態破壊を引き起こし、若しくは引き起こす可能性のある行為についても、同様に本法を適用する。
改革成果の法制度格上げ
本法典は、実践を通じて効果が確認された有効な制度・措置を維持する上、生態環境監督管理における「四つの統一」(計画・基準・監視・執法の統一)、中央生態環境保護監理、生態環境ゾーニング管理、生態環境損害賠償などの改革施策を法制度として確立した。
企業への注意喚起:新規化学物質の登録要件を厳格に遵守すること
生態環境法典は『新規化学物質環境管理弁法』の上位法として、新規化学物質の環境管理登録制度を正式に法制化した。第9節第1,173条において、各種違反行為に対する罰則が明記されています。その中、最高罰金額は200万元(約4,000万円)に達し、生産停止命令、営業停止、事業閉鎖など厳しい処罰を含む場合があります。企業の皆様は、高額な罰金や法的リスクを避けるため、必ず新規化学物質の登録要件を厳守してください。
意見募集について
一般の方は、中国全国人民代表大会の公式ウェブサイト(http://www.npc.gov.cn/flcaw/userIndex.html?lid=ff808181927f0e7b019685b4d2bd010d)にアクセスし、法典草案の全文を閲覧の上、意見を提出することができます。意見募集の締切は2025年6月13日です。
要注意:新規化学物質環境管理弁法は生態環境部により公布され、2021年1月1日から施行されています。同法に基づき、新規化学物質の生産者または輸入者は、生産または輸入前に、新規化学物質環境管理通常登録証、簡易登録証の取得、または届出手続きを完了し、規定を厳格に遵守することで高額な罰則を回避する必要があります。