インド、国際化学物質安全性カードを導入する見込み
Source: 国際労働機関

2022年7月、インド化学・肥料省は、国際労働機関(ILO)と国際化学物質安全性カード(ICSC)の適応に関する了解覚書を締結しました。

ICSCは、労働者の労働安全衛生を保障するために、欧州委員会と世界保健機構(WHO) および国際労働機関(ILO)の共同提携で、策定されたものです。ICSCは、化学物質の安全性と健康影響に関する簡潔な情報を提供する特殊データシートで構成され、化学物質の危険性情報をわかりやすく正確に伝達することを可能にします。また、カードに記載されている化学物質の情報は、定期的に更新され、現在、1,784 ICSCカードが利用できます。ICSCには、化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)が含まれています。

インド石油化学工業協会の要求に答えて、作業場におけるICSCの使用が始まりました。

 

ICSCは、以下の情報を提供します。

1. 化学物質の特性

2. 火災および爆発の危険性

3. 消火法

4. 急性健康被害と予防

5. 予防策

6. 応急処置

7. 漏洩物処理、貯蔵および包装

8. 分類と表示

9. 物理的・化学的性質および危険性

10. 短期および長期ばく露の健康影響

11. 規制情報および職業ばく露限界値

12. 環境影響データ

 

背景

ICSCは現在15カ国語以上で利用可能で、ILOはより多くの労働者の労働安全衛生を保障するため、ヒンディー語などの他言語にも翻訳する予定です。

カードに記載されている情報は、国連GHSに合致しています。インドはGHSを正式に採用していませんが、「20xx年化学品(管理および安全)規則」(CMSR)によると、GHSを採用する予定で、現在はまだ草案です。

  • 参考リンク:国際労働機関(URL:https://chemicals.nic.in/international-chemical-safety-cards-database )