東南アジア諸国連合(ASEAN)はブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10カ国で構成されています。2003年、これらの国は貨物流通を促進し、域内の貿易障壁を削減するため、化粧品の要求を統一することに同意しました。アセアン化粧品指令(ACD)と呼ばれる新しい一般化粧品法は2008年に制定されました。ACDは、EU化粧品指令およびその後のEU化粧品法規1223/2009に基づいて制定されるものであります。
アセアン化粧品指令では、「化粧品とは、人体の様々な外部部位(表皮、毛髪系、爪、唇及び外生殖器)又は歯及び口腔粘膜に使用され、特定の又は主に清潔、芳香、接触部位の外観の変化、及び(又は)体臭の改善、及び(又は)接触部位を良好な状態に保護又は維持することを意図した物質又は製剤のことを指す」と定義されています。
アセアン域内では、各国が個別に通報する必要があります。アセアン各加盟国において化粧品の市場投入を担当する企業又は人員は、当該国に拠点を置き、当該国の現地監督管理当局に製品の通知を完了しなければなりません。また、製品情報書類も、監督管理当局が便利にアクセスできるように保存する必要があります。
ベトナム
ベトナムは一般化粧品と効能性化粧品の登録と販売に対して特殊な区別がなく、いずれもベトナム保健省が公布した第06/2011/TT-BYT号の「化粧品管理に関する公告」に基づいて規範的に管理しており、化粧品を販売する前に保健省傘下の医薬品管理局Drug Administration of Vietnam(DAV)が発行した製品公告番号を持つ化粧品公告書を取得する必要があります。海外企業は現地で企業を設立し、又は代理人を授権して製品登録及び上市を担当しなければなりません。
ベトナム化粧品公告とは、企業がベトナム市場で販売することを政府に通知し、公告された化粧品がアセアン化粧品とその付属品と付録のすべての要求に合致していることを確認することを指します。化粧品公告の有効期間は5年間です。
登録に必要な資料:
- 製品登録申請書
- 輸入企業の営業許可証(化粧品経営資格が必要)
- 製造業者が発行した授権書
- 製品生産国が発行する自由販売証明書(CFS)
- 製品COA、検査分析報告書
- 製品成分表(国際的な化粧品原料名称、含有量、機能を提供)
登録期間:約2~3月
インドネシア
インドネシアの化粧品登録はインドネシア国家医薬品食品監督庁に監督管理され、同機構もインドネシア保健省傘下のインドネシア国家医薬品食品監督庁Badan Pengawas Obat dan Makaan(BPOM)によって管理されています。インドネシアの法律では、インドネシア市場で流通するすべての化粧品は、インドネシア国家医薬品食品監督庁BPOMに登録され、上市許可を取得した後に販売されることが求められています。ライセンスの有効期間は3年間です。
申請主体はインドネシア現地の化粧品生産企業、化粧品輸入権を持つ企業又は生産授権/許可を取得した企業でなければなりません。
登録に必要な資料:
- 輸入者申請書、営業許可証、税務カード、正式押印の責任者声明
- 輸入識別番号API
- 製造業者GMP証明書
- 自由販売証明書
- 製品成分表
- 完成品COA、検査分析報告書
- 要求を満たすラベル設計
- 輸入授権書
- 輸入化粧品のHSコード
登録期間:約3~4月。備考:BPOM通知が発行された後は、化粧品通知の有効性を維持するため、登録製品すべてを6ヶ月以内に製造または輸入販売する必要があります。
タイ
化粧品製造業者または輸入者は、製造または輸入前にタイ食品医薬品局(TFDA)から通知を受けなければなりません。海外企業は現地で企業を設立するか、タイの代理人を1名指名して製品の登録と上市を担当しなければならなりません。化粧品通報の有効期間は3年です。
通報に必要な資料:
- 製造業者、輸入業者又は倉庫名称及び住所等の申請者情報
- 名前、ブランド名(商品名)、カテゴリ、成分などの化粧品情報。
- 輸入授権書
- 通知用紙
通報期間:約1~3月
マレーシア
アセアン化粧品指令の要求に基づき、マレーシアで販売されるすべての化粧品は、アセアン化粧品指令の要求を満たし、政府機関のNational Pharmaceutical Regulatory Agency(NPRA)の専門ウェブサイトQuest3+システムに通知され、政府機関は申告した書類の審査を通過した後、通知(NOT)が発行されます。化粧品NPRA登録申請者は、マレーシアに登録されている企業でなければなりません。海外企業の場合は、化粧品通知証所有者Cosmetic Notification Holder(CNH)として現地の代理人を指定する必要があります。化粧品通知証所有者(CNH)は、製品を市場に出す責任を負います。CNHは、現地に登録されている企業または法人であり、永続的な住所を持ち、マレーシア企業委員会に登録されている必要があります(その経営範囲は当企業の「覚書と規約」に記載されている健康/化粧品製品と関係がある)。NPRAに提出されたすべての書類と資料はマレーシア語または英語を使用する必要があります。通報証の有効期間は2年です。
通報に必要な資料:
- 製品資料:製品名、型番、用途、製品紹介
- 製造者の名称及び住所
備考:外国製造業者の場合は、GMP証明書(または同様の証明書)が必要です。
- CNHの名前、住所、連絡先電話番号、メールアドレス
- CNHの代表従業員の名称と連絡先電話番号
- 輸入者の名称住所
- 製品の成分リスト(備考:製品用の成分がデータベースにない場合、マレーシア薬品監督管理局の許可を得る必要がある)
- 授権状又は委託加工契約
注意:通報証所有者(CNH)が製品の所有者でない場合は、授権状(LOA)を発行し、通報証所有者(CNH)がNPRAに製品を通報し、すべての製品通報事項をフォローする責任を負い、授権状には製品とブランドのリストが含まれます。製品の委託加工が存在する場合は、委託加工契約を発行する必要があります。契約には双方の役割と責任、製品/ブランドのリストが含まれています。
- 製品ラベル
通報期間:約2~3ヶ月
シンガポール
シンガポール保健科学庁(HSA)は、医薬品や化粧品などの輸入を担当するシンガポールの所管機関です。製品の発売前に保健科学庁(HSA)に通知し、オンラインシステムPRISM(https://goo.gl/dErV2c)から申請を完了する必要があります。企業は、顧客登録および識別サービス(Client Registration and Identification Services, CRIS)を申請する必要があります。HSAで確認してから、市場活動を展開することができます。海外企業は現地で企業を設立するか、シンガポールの代理人を1名指定して製品の登録と上市を担当する必要があります。
通報に必要な資料
- ブランドと製品名
- 製品タイプと規格
- 製造業者名称、住所、連絡先電話番号
登録期間:約1~2月
フィリピン
いずれかの企業がフィリピン国内で輸入(Importing)、輸出(Exporting)、卸売貿易(Wholesale trading)、輸送(Distribution)、製造(Manufacturing)事業を行う場合、フィリピン食品医薬品管理局(FDA)が発行した経営許可証(LTO)を申請する必要があります。
異なるカテゴリの製品を扱うには、それぞれにLTOを申請する必要があります。化粧品が発売される前にフィリピン食品医薬品局(FDA)から化粧品通知(NCP)を受ける必要もあります。海外企業は現地で会社を設立するか、タイの代理人を1名指定し製品の登録と上市を担当する必要があります。化粧品通知(NCP)の有効期間は1~3年です。
通報に必要な資料
- 製造業者証明書
- 自由販売証明書
- 良好な生産規範証明
- 製品配合の各成分の名称、機能およびパーセンテージ
- 製品包装およびラベル
- 費用証明書
登録期間:約3~4月。
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