農薬のリスク評価は、特定の条件下での科学的データとモデルに基づいており、特定の環境における農薬が人間の健康と環境に対する悪影響の可能性と重大性を科学的な評価を行うことを指します。農薬登記資料の重要な部分としての農薬リスク評価報告書は、健康リスク評価報告書、環境リスク評価報告書、膳食リスク評価報告書の3つの部分が含まれています。2017年に施行された「農薬登記資料要求」では、各種の製品登記種類に必要なリスク評価が明確に規定されています(文末にある付属表を参照)。
健康リスク評価
ターゲットグループによって健康リスク評価は主に、職業健康リスク評価と住民健康リスク評価の二つの区分があります。
職業健康リスク評価は、主に農薬の混合と散布の過程における農薬施用者の健康リスクを総合的に評価することであり、住民健康リスク評価は、主にエアゾル、忌避剤などの製品の使用過程における居住者の健康に与える影響を評価することです。
主な評価基準は以下のとおり:
- NY / T3153-2017「農薬施用人員健康リスク評価指南」
- 「背負い式噴霧農薬施用人員単位曝露量(第一版)」
- 「農薬施用人員健康リスク評価指南」(選択可能)
- 「衛生殺虫剤健康リスク評価指南 第1部分:蚊取り線香製品」(選択可能)
- 「衛生殺虫剤健康リスク評価指南 第2部分::エアゾル」(選択可能)
- 「衛生殺虫剤健康リスク評価指南 第3部分:忌避剤」(選択可能)
環境リスク評価
農薬環境リスク評価とは、科学技術と情報の体系的な採用により、特定の条件下での生態環境に対する農薬施用の潜在的なリスクと悪影響の程度を科学的に評価するを指します。現在、農薬登録のために環境リスク評価を必要としている項目には、水界生態系、鳥、ミツバチ、カイコ、地下水、非標的節足動物、および土壌生物が含まれています。
主な評価基準は以下のとおり:
- NYT 2882.1-2016農薬登記 環境リスク評価指南 第1部分:総則
- NYT 2882.2-2016農薬登記 環境リスク評価指南 第2部分:水生生態系
- NYT 2882.3-2016農薬登記 環境リスク評価指南 第3部分:鳥
- NYT 2882.4-2016農薬登記 環境リスク評価指南 第4部分:ミツバチ
- NYT 2882.5-2016農薬登記 環境リスク評価指南 第5部分:カイコ
- NYT 2882.6-2016農薬登記 環境リスク評価指南 第6部分:地下水
- NYT 2882.7-2016農薬登記 環境リスク評価指南 第7部分:非標的節足動物
- NYT 2882.8-2017農薬登記 環境リスク評価指南 第8部分:土壌生物
食事リスク評価
食事リスク評価とは、農薬毒性学と残留農薬試験の結果を分析することにより、消費者の食事構造に従い、残留農薬の食事摂取から生じる健康リスクの可能性と程度を科学的に評価することを指します。食事リスク評価には、毒性学的評価、残留化学物質評価、食事摂取量評価、およびリスク基準が含まれます。
主な評価基準は以下のとおり:
- 「残留農薬リスク評価指南」
- 「毎日許容できる農薬摂取量制定指南」
- 「農薬急性参考剤量制定指南」
- 「農作物における農薬代謝試験指南(NY / T 3096-2017)」
- 「加工農産物中の残留農薬試験準則(NY / T 3095-2017)」
- 「植物由来農産物中の残留農薬の安定性試験準則(NY / T 3094-2017)」
- 「残留農薬試験準則(NY / T788)」
※付属表:リスク評価報告書において農薬登記資料の要求
農薬 | 健康リスク評価 | 膳食リスク評価 | 環境リスク評価 | ||
住民健康リスク評価 | 農薬散布者健康リスク評価 | ||||
原薬(母薬) | / | / | / | / | |
農薬製剤① | 化学農薬製剤 | / | √ | √ | √ |
生物・化学農薬製剤 | / | 生物・化学農薬の原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | √ | / | |
微生物農薬製剤 | / | 微生物農薬の原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | |
植物由来の農薬製剤 | / | 植物由来の原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | |
衛生用化学農薬製剤② | 衛生用化学農薬製剤 | √ | / | √ | |
衛生用生物・化学農薬製剤 | 生物・化学農薬の原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | ||
衛生用微生物化学農薬製剤 | 微生物農薬の原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | ||
衛生用植物由来の化学農薬製剤 | 植物由来の原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | ||
殺鼠剤③ | 化学殺鼠剤 | √ | / | √ | |
生物・化学殺鼠剤 | 原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | ||
| 微生物殺鼠剤 | 原薬について補足的な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | |
植物由来の殺鼠剤 | 原薬について全面な毒性学的情報を提出する要求がある場合は、通常、この情報を提出する必要があり | / | / | ||
登記変更④ | 使用範囲の拡大 | √ | 残留試験資料提出状況によって提出必要があり | 本要求においてリスク評価報告の要求および製品の登録種類に従って提出の必要性を確定 | |
使用方法の変更 | √ | 残留試験資料提出状況によって提出必要があり | 使用方法の変更により環境リスクが高まる可能性がある場合に提出の必要があり | ||
使用量の増加 | √ | √ | √ | ||
使用量の減少 | / | / | / | / | |
原薬(母薬)の質量規格若しくは構成の変更 | / | / | / | / | |
製剤の質量規格若しくは構成の変更 | / | / | / | / | |
毒性レベルの変更 | / | / | / | / | |
注:①膳食リスク評価:非食用作物および非飼料用作物の農薬製剤、低毒性またはわずかに毒性ある種子処理剤(種子処理用粉末、フロアブル、浸種用製剤などを含む)のは提出する必要がありません。 ②健康リスク評価:家庭用衛生殺虫剤については住民健康リスク評価報告書を提出し、環境用衛生殺虫剤については散布者の健康リスク評価報告書を提出します。 ③健康リスク評価:「農薬登記資料要求」の殺鼠剤の一般的な資料要求によれば、健康リスク評価には、散布者の健康リスク評価報告書を提出するだけでいいと考えられます。上記は当社の推測だけで企業参考のためのものであり、具体的な状況は農業省の方針による決定されます。 ④リスク評価::散布者健康リスク評価報告書または住民健康リスク評価報告書を提出します。 |
CIRSの強み
CIRS農薬事業部は北京に拠点を置いてあり、チームメンバー全員は修士及び修士以上の学位を持っていて、コアメンバーは、世界レベルの農薬企業で高級規制専門家とリスク評価技術専門家を担当していた経験があり、高品質の健康リスク評価報告、環境リスク評価報告、膳食リスク評価報告を提出し、農薬登録プロセス中のリスク評価報告の原因で登録できないという問題を回避でき、また、初級リスク評価で製品登録の取得に失敗した場合には、高級の最適化サービスを提供することもできます。