アメリカ
連邦食品医薬品化粧品法(FDCA)は、製品の予期用途によって化粧品を定義します。すなわち、化粧品とは、塗布、散布、スプレーまたはその他の直接人体に使用するなどの方法により、清潔、美化、魅力増進又は外観変化の目的を達成するものであります(アルカリ脂肪酸塩を含み、且つ清潔以外の機能を宣伝してない石鹸を除く)。化粧品はスキンケア類、芳香類、目と目周りの化粧品、ヘアケア類(白髪染め、シャンプー)、デオドラント、フェイシャルトリートメント、ベビー用製品(シャンプー、ローション、パウダー)、ボディーソープ、口腔洗浄剤などに分類されます。ニキビ防止製品、抗菌製品、虫歯予防(口腔健康)製品、くず取り製品、脱毛・育毛製品、制汗剤などは、米国では非処方薬として管理されています。医薬品とは、ヒト又は動物疾病の診断、治療、緩和、処理、予防に使用される物品、及びヒト又は動物の体の構造又は機能に影響を及ぼす物品を指します。しわや老化防止製品は、状況によっては化粧品や医薬品に分類されます。一部の化粧品と医薬品の定義を同時に満たす製品、例えば、くず取りシャンプー、フッ素入り歯磨き粉、制汗剤、日焼け止めクリームなどは、化粧品と薬品の要求を同時に満たす必要があります。
化粧品を市場に投入する前に、いかなる審査・評価手続きも必要なく、安全性試験も強制されないが、政府は企業が自主的に所管機関に登録することを推奨します。化粧品自主登録プログラム(VCRPと略称する)には、化粧品生産施設の自主登録と自主報告プログラムが含まれています。自主的に化粧品生産施設の登録を行うとは、化粧品会社が自主的に生産又は包装販売に関わる化粧品の生産施設を登録すべきです。施設は化粧品の生産開始から30日以内に登録しなければならず、FDAがすべての書類の審査を完了すると、この生産施設に恒久的な登録番号を指定します。自主報告プログラムとは、化粧品製造業者が自主的に化粧品成分声明(配合)を登録することであり、生産販売前に化粧品製造業者が自主的に登録することができるとともに、FDAの承認を受けずに直接生産・販売することができます。このプログラムでは、化粧品製造業者に対し、化粧品が初めて市場に参入してから60日以内に新製品説明報告書をFDAに提出することを推奨します。販売や生産を停止した製品もFDAに報告します。FDAは機能性化粧品に対して厳格にOTC薬品の審査認可制度を実行し、企業に毒性学或いはその他の実験でその安全性を検証し、その製品の安全性情報資料を構築するよう要求しています。医薬品管理下にある化粧品は、発売前にFDAから効能と安全性について許可を受ける必要があります。一部の製品は、権威ある実験の検査と臨床試験を受ける必要があります。
米国で製造・販売される輸入化粧品は、FDCAおよびFPLA法に基づくラベル・表示に関する規制を遵守しなければなりません。「表示」とは、製品及び製品の容器またはパッケージ材料にあるすべてのラベルとその他の文字、印刷または図形、又は製品に付されているパンフレット、チラシ、その他の文字材料を含みます。FDCAでは、化粧品ラベル情報を化粧品の定型パッケージの表示面に掲載すると要求しています。この強制的な情報は、内部パッケージにも外部パッケージにも表示される必要があります。FDAは「製品名、製品属性、内容物の純含有量、製造業者、梱包業者、販売業者の名称と連絡先、成分表の表記、警告的な用語」をラベル・表示の強制的な内容とします。
EU
EU化粧品法規1223/2009によると、化粧品は人体の外部(皮膚、毛、爪、唇と外部生殖器)又は歯と口腔粘膜に接触使用する目的の製剤で、主に清浄、香り付け、外観を変える、保護する、良好な状態を保つなどの機能を果たす製品指します。 化粧品の主な類別は、クリーム、顔用乳液、スキンケアウォーター、ジェルと油状製品、マスク、化粧下地(液体、ペースト状、粉状)、粉状メーク類製品、粉状入浴後製品、粉状クレンジング用製品、トイレ用石鹸、香水、美白製品とシワ除去製品などです。
EUは2009年まで製品参入に関連する要求がなかったですが、法規1223/2009/ECでは初めて化粧品責任者制度を確立し、化粧品は指定された責任者がいれば上市販売することができ、かつ当該責任者は製品の安全とリスクに対して主要な責任を負うと定めました。当法規はEU化粧品の強制的な届出制度を確立しました。EU域内で法人または自然人を責任者として指定することは、化粧品をEU市場に投入するための前提条件となりました。すなわち、化粧品を市場に投入する前に、化粧品責任者は化粧品電子情報提出システム(Cosmetic Products Notification Portal,CPNP)を通じて欧州委員会に次の情報を提出しなければなりません:
- 化粧品の種類及びその名称、独特な表示
- 化粧品責任者の名称及び住所
- 輸入製品の原産国
- 化粧品が上市販売される予定の加盟国
- ナノメートル原料に関する識別特徴及び合理的に予測できる暴露条件
- 1A類と1B類の発癌、突然変異性または生殖毒性物質(CMR)の名称と番号
- 現有ラベルとそれに対応する合法的な包装写真。
販売代理店は特定の状況では、欧州委員会に関連情報を提出するようと義務付けられています。化粧品を市場に投入する際、化粧品責任者は製品情報資料を作成し、保存しなければなりません。製品情報資料についてラストロットの化粧品が市場に投入後、10年間保存するようと求めれられています。保存必要な製品情報は以下となります:
- 化粧品の情報説明と用途
- 生産プロセス(配合、化学と微生物の指標、良好な生産管理が行われている証明材料)
- 化粧品安全報告書(全ての関連データと安全評価が含む)
- 化粧品の効能又はその性質を証明する資料
- 評価のために行われた動物実験に関連する資料。
これらの情報やデータについて実際の状況に応じて更新する必要があります。
日本
日本の「医薬品、医療机器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(「薬機法」と略称)では、化粧品とは、塗布、スプレー等類似する方法により、清潔、美化、魅力を増加し、容姿を変化させ、又は皮膚と髪の健康を維持等の効果を発揮する製品で、人体の使用部位に緩和させると定義されています。医療用・薬用目的の製品は化粧品に該当しません。中国の化粧品は日本で「コスメティックス」(cosmetics)と「医薬部外品」(quasi-drugs)の2種類に分けられています。医薬部外品の中に「薬用化粧品」と呼ばれる製品があり、これらの製品は化粧品としての使用目的以外に、肌荒れ、凍傷、あかぎれ、ニキビなどを防ぐ効果があります。医薬部外品中の一部、腋臭防止剤、育毛剤、脱毛剤、染毛剤、パーマ剤、薬用歯磨き粉、あせも粉と浴用剤等は薬用化粧品に該当しません。
2001年に「薬事法」が改正されてから、一般化粧品は上市される前に届出申請を行い、医薬部外品について、依然として厚生労働省の事前許可が必要となります。2013年に新たに改正された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の第12条では、厚生労働大臣の許可(化粧品製造販売許可証)を取得した者でなければ化粧品の製造販売を行うことができません。つまり、日本では化粧品の届出申請が強制的な手続きとします。日本では医薬部外品に対して厳格な承認制度が実行されていて、企業が現地の衛生機関に申請を提出しなければなりません。申請材料には、配合成分、製造方法、用法・用量、規格(製品と原料情報を含む)、実験方法、検査報告書などが含まれます。
日本では化粧品に対して全成分表示が求めれられています。医薬部外品は全成分の表示が必要とされていませんが、厚労省が義務付けられた成分(主にアレルギー源として報道された成分)について表示しなければなりません。残り成分の表示については自由です。
韓国
韓国化粧品法規体系の確立は、1953年の薬事法から始まり、1999年9月に「化粧品法」が独立して立法され、その後何度も改正されました。韓国の法規体系は、憲法、法、大統領令(施行令)、総理令と部令(施行規則)、訓令、例規、告示の順です。「化粧品法」は「法」のレベルに属し、化粧品業界の最高レベルの法規であり、最も基本的な化粧品法です。「化粧品施行令」は「大統領令」に属し、「化粧品施行規則」は「総理令と部令」に属し、すなわち、化粧品法施行令が指定された詳細な具体的施行規則により、自制法規には食品医薬品安全部の各種告示が含まれます。「化粧品法」は化粧品の製造、輸入及び販売などの関連事項を規定し、その内容には化粧品に関する定義、製造者/製造販売者の登録、機能性化粧品の審査、製造者・販売者の義務、化粧品の安全基準、安全的な容器包装、広告の表示及び製造輸入販売等の監督管理、罰則等が含まれています。「化粧品施行令」には、追加税の計算基準、徴収手続きおよび未納税の処罰規則、食品医薬品安全部が地方庁に委任する権限、不正行為と罰金のための徴収基準などを含む化粧品法上の委任事項と施行に必要な事項が規定されています。「化粧品施行規則」は、「化粧品法」及び同法施行令において委任される事項及びにその施行に関する事項を定め、機能性化粧品の範囲、製造者と製造販売者の登録要求、機能性化粧品審査資料要求、化粧品原料などの安全性評価規定、安全容器基準、広告の表示規定などの内容が含まれます。
製造販売者は、化粧品の品質にすべての責任と義務を負います。「化粧品法」第3条は、化粧品の製造や製造販売には食品医薬品安全部に登録申請が必要があると規定しています。韓国の化粧品製品の管理は、発売前の許可と発売後の管理に分けます。一般化粧品は上市前に備案や許可を行う必要がありません。機能性化粧品は上市前に審査や報告を行う必要があります。医薬部外品は申告や許可が必要です。韓国化粧品の日常的な監督管理は主に定期検査と不定期検査に分けられます。定期検査は食品医薬品安全部の各地方地方厅が定期的に抜き取り検査を行い、不良状況が判明した場合に積極的に対応する上に食品医薬品安全部に報告します。不定期検査とは、食品医薬品安全部が市場流通販売の実際の状況(重大な安全事件や緊急の必要性がある場合)に基づいて行うことです。
CIRSの強み
- 化粧品業界の川上/川下企業にワンストップサービスを提供
- 製品の安全性とコンプライアンス
- 製品の迅速な市場投入
- 豊富な経験を持つ毒性学の専門家と法規チーム
- グローバルのパートナーシップ
- 厳格な秘密保持制度