「新化学物質申告のデータ要求」を調整――現行の「指南」との比較及び企業への影響を分析
Source: CIRS

「新化学物質申告指南」(以下「指南」と略称)は「新化学物質環境管理弁法」(環境保護部第7号令、以下「弁法」と略称)を対応する重要な届出のガイダンス文書として、新規化学物質の申告を規範し、新規化学物質の申告を指導することにお役に立ちます。「弁法」を実施して以来の数年間に起きている新たな問題を解決するために、2014年より環境保護部は「指南」の改訂を検討してきました。三年の間、数回の意見募集と改訂を通じて、「指南」の改訂最終案が作成できるようになります。先日、環境保護部は「指南」に規定されるデータ要求を調整する公告を発布し、当公告が2017年10月15日に正式に実施するとなります。

ここで、調整られたデータ要求および免除条件を説明しながら、企業への影響を分析し、その対応策をご提案を申し上げます。

2017年8月31日、中華人民共和国環境保護部はそのホームページで「新化学物質申告登記指南」に規定されるデータ要求を調整する公告を発布しました(2017年第42号公告)。当公告により、常規申告で要求される毒性学および生態毒性学試験について必要な最低限のデータ、物理化学的性質、毒性学および生態毒性学におけるデータの免状条件が調整られました。なお、当公告が2017年10月15日に発効する予定であり、現行の「新化学物質申告登記指南」と当公告の一致しない場合には、当公告に従って処理します。

当公告の発布に従い、「指南」の改訂が完了しました。この前に公布された「指南」の改訂草案と違い、試験のデータ要求だけを調整られました。CIRSが詳しく分析を通じて、管理部門より今回データ要求に関する調整は、「行政の簡素化と下部への権限委譲」という中国の国家要求および企業の負担を軽減させる原則を基づき、新規化学物質環境管理登録を申告するデータ要求を簡略化させます。調整られたデータ要求は、更に科学的かつ合理的であり、新規化学物質を管理する要求に適合し、企業の試験データ費用を減らし、申告負担を軽減するとなります。

CIRSは調整られたデータ要求および免除条件が、現行の「指南」に規定されるものと詳しく比較して分析し、企業の新規化学物質を申告する解決方案に協力いたします。

表1 最低限のデータ要求の変化および分析

申告トン数/

データ要件

現行の「指南」の要求

調整済みの要求

1-10

急性毒性(経口経皮および吸入経路による)

経口経皮および吸入経路という3つのばく露分野での急性毒性データを提出必要

申告の用途により、該当するばく露分野での急性毒性データだけを要求

Ames試験および染色体異常試験in vitro

同時提出

Ames試験だけを提出必要

陽性結果を示し、且つ広くばく露が発生する場合には、その上の申告量等級の試験データを提出必要

28日反復投与毒性

提出必要

データ要求を取り消し

10-100

Ames試験および染色体異常試験in vitroin vivo

同時提出

Ames試験およびin vitro染色体異常試験を要求し、その試験結果により追加試験を決定

(in vitro遺伝子突然変異試験、in vivo遺伝子突然変異試験又はin vivo染色体異常試験などを含む)

90日反復投与毒性

28日反復投与毒性試験におけるひどい損傷があれば、提出必要

データ要求を取り消し

生殖/発生毒性スクリーニング試験

提出必要

代用試験である拡張一世代生殖毒性試験データを追加

トキシコキネティックス

吸収に関するトキシコキネティックスデータを提出

既存データにより評価

魚類14日間延長毒性試験

提出必要

データ要求を取り消し

100-1000

Ames試験および染色体異常試験in vitroin vivo

同時提出

2級申告量の要求と同じ

二世代生殖毒性試験

提出必要

拡張一世代生殖毒性試験データにより代替可

トキシコキネティックス

吸収、分布、代謝及び排泄に関するすべてのトキシコキネティックスデータを提出必要

2級申告量の要求と同じ

1000+

Ames試験および染色体異常試験in vitroin vivo

同時提出

2級申告量の要求と同じ

二世代生殖毒性試験

提出必要

拡張一世代生殖毒性試験データにより代替可

トキシコキネティックス

吸収、分布、代謝及び排泄に関するすべてのトキシコキネティックスデータを提出必要

2級申告量の要求と同じ

癌原性試験

提出必要

変異原性の分類および物質ばく露が発生する可能性により、提出必要になる試験データ又は評価レポートを決定

魚類慢性毒性試験

魚類の初期生活段階毒性試験、魚類の胚・仔魚期における短期毒性試験又は魚類稚魚成長毒性試験という3つの分野での試験データのいずれか 

1001000t/年の申告量に対する要求が現行の「指南」と一致

1000t/年以上の申告量であれば、魚類稚魚成長毒性試験データを要求

ミミズに対する繁殖毒性試験

要求なし

陸生生物急性毒性は有害性分類がある場合には提出必要

調整られたデータ要求を分析し、毒性学データに対する要求がREACHの要求と接近します。1つのばく露分野での急性毒性データの提出、変異原性に関する試験のデザイン、トキシコキネティックスデータに対する要求、これらの調整は確実に企業により提出必要なデータを減少し、企業のコストが減らすとなります。なお、拡張一世代生殖毒性試験データの導入は、主管機構が今主流になっている試験方法をフォローし、企業に多くの選択肢を提供します。

表2 免除条件の変化および分析

データ要件

現行の「指南」の要求

調整済みの要求

自然発火温度

空気の中では燃えられない液体

「例:火点> 200℃」のような説明を追加

融点<160℃、又は予備試験結果は融点>400℃且つ自己発熱の固体である場合

融点≤160℃、又は予備試験の結果は融点>400℃且つ自己発熱をしない固体である場合

酸化性

引火性物質と発熱反応を発生する可能性がなし

「例:化学物質の構造を基礎となる物質」のような説明を追加(酸素およびハロゲン原子の有機物を含まず、或はこれらの要素は窒素や酸素と化学結合をしなく、又は酸素およびハロゲン原子を含まない無機物)

固体の場合、予備試験の結果ははっきりと酸化性を示したら、追加試験が必要なし

免除条件を廃止

皮膚腐食性/刺激性

急性経皮毒性、その毒性が強い

急性経皮毒性区分1

眼刺激性

中級以上の皮膚刺激毒性(中級を含む)

皮膚腐食性がある

皮膚刺激性区分2(その以上を含む)

又は皮膚腐食性がある

変異原性

——

in vivo遺伝毒性試験データがある場合には、同一の遺伝毒性終点であるin vitro遺伝毒性試験が免除可」を追加

急性吸入/28反復投与吸入毒性

温度20°C物質の蒸気圧<10-2Pa

温度20°C液体物質の蒸気圧<10-1Pa

——

吸入可能粒子の判断基準は「粒径10μm」という説明

急性経皮/急性吸入/ 28日反復経皮投与毒性

——

「皮膚腐食性」を追加

28日反復経口投与毒性

——

信頼できる「反復投与毒性試験と生殖発生毒性スクリーニング試験の併合試験」を追加

90日反復投与毒性試験

——

「同じような試験動物およびばく露経路で実施される28日反復投与毒性試験により、毒性効果が観察できる」、又は「無毒性量が小さい」を追加し、指針値を設定

——

「発がん物質区分1又は区分2」を追加

慢性毒性

-反復投与毒性の無毒性量が大きい

-特定標的臓器毒性(反復ばく露)が区分られず

-反復投与毒性の無毒性量が大きいが

(例えば90日間において全身毒性の無毒性量≥300mg/kg)、特定の分子構造の潜在的な毒性効果が90日間に検査られず、さらに該当物質は90日反復投与毒性試験でも検査できない危険性がある場合を除く

-十分なトキシコキネティックスデータがあり、該当物質の長期毒性を示す

-慢性毒性/癌原性併合試験を実施済み

発がん性

生殖細胞変異原性又は生殖毒性がある

(生殖細胞変異原性、発がん性、生殖発達毒性と見なす)

-該当物質は生殖細胞変異原性区分1A又は1Bに分類される

-慢性毒性/癌原性併合試験を実施済み

ミジンコ、魚類急性毒性試験

同じような試験動物で実施される更に長期的な毒性試験のデータがある

同じような試験動物で実施される更に長期的な毒性試験のデータがあり、当データに有効的な急性毒性データを含む

陸生生物急性毒性

土壌への吸着性が低い

土壌への吸着性が低いlogKoc<1.5

活性汚泥呼吸阻害試験

微生物に対して毒性がないという情報があり、例:溶解度が極めて低い

微生物に対して毒性がないようなという情報があり、:微生物窒素・炭素無機化試験において毒性を表示なし

吸着/脱離性

物質および分解生成物が急速に分解できる

物質および分解生成物が急速に分解できる、例: 加水分解反応の半減期<12h

上述の分析を通じて、調整られたデータの免除条件は、EU REACHを参考し、過去実際の操作を結び、データ免除のパラメータが細分化且つ量化され、免除を申請する条件を追加します。主管部門として新規物質に対するリスク管理を十分に考慮することを示します。必要ではない試験データの減少に従い、企業は規定内容をより良い理解でき、試験負担の軽減にお役に立ちます。なお、過多の動物試験を避け、試験資源を節約する同時に、「3R」原則に適合します。

「指南」に要求されるデータの調整および当公告の施行により、企業として申告を展開する場合には、データ要求、免除条件、試験期間および申告期間を十分に考慮し、申告の最適方案を作成し、申告前の準備をしておいて、順調に新規物質の製造又は輸入を進めるというCIRSの提案でございます。

なお、2017年9月20日に杭州で開催する「第三回アジア太平洋地域化学品法規制サミット」に、環境保護部固管中心(MEP-SCC)の専門家をお迎えし、「指南」の改訂詳細および中国新規化学物質管理に関する政策変化につきまして、ご講演いただきます。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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