2020年8月31日、中国国家衛生健康委員会(NHC)は「食品安全国家標準 包装済み食品栄養ラベル通則」を含む総計16件の食品安全国家標準(意見募集稿)を公表し、社会意見募集を開始しました。意見募集締切日は2020年10月20日です。
中に、最も注目されるのは「GB 28050食品安全国家標準 包装済み食品栄養ラベル通則(意見募集稿)」(以下は、「GB 28050意見募集稿」と略称する)です。企業が一般食品(中国では「包装済み食品」とも呼ぶ)栄養ラベル今後の設計動向を把握することを目的として、CIRSは「GB 28050意見募集稿」の重要な変更をまとめて紹介いたします。
1. 栄養ラベルの義務的な表記項目は「1+4」から「1+6」に調整します
- 「GB 28050意見募集稿」に基づき、全ての一般食品栄養ラベルの義務的な表記項目はエネルギー、タンパク質、脂質、飽和脂肪(又は飽和脂肪酸)、炭水化物、糖類、ナトリウムの含有量及び栄養素参考値NRVに占めるパーセンテージ(NRV%)を含まなければなりません。
解読:現行「GB 28050」に基づき、全ての一般食品栄養ラベルの義務的な表記項目はエネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムの含有量及び栄養素参考値NRVに占めるパーセンテージ(NRV%)を含みます。今回の「GB 28050意見募集稿」は飽和脂肪(又は飽和脂肪酸)と糖類の含有量及びそのNRV%を増やします。義務的な表記項目は「1+4」から「1+6」に変更します。
2. 栄養成分の表示及び表記方式に対して要求を増やします
- 「GB 28050意見募集稿」に基づき、「1+6」以外のその他の栄養成分も表記する場合、義務的な表記項目及びその表記内容は文字サイズ増大、文字字体変更(例えば、イタリック体、太字、など)、カラー変更(文字カラー又は背景カラー)などの形式で目立たせることができます。
- 部分栄養素の名称、表示単位、端数処理、「0」閾値に対して修訂します。
解読:
- 現行「GB 28050」に基づき、義務的な表記項目及びその表記内容の目立たせる形式は法規の「質問と解答」部分に収載されます。「GB 28050意見募集稿」はこの内容を法規正文に収載します。
- 表1(エネルギー及び栄養成分の名称と順序、表示単位、端数処理、「0」閾値)にn-3多価不飽和脂肪酸、α-リノレン酸、EPA、DHAという四つの栄養素を増やします。
- ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ナイアシン及び亜鉛の「0」閾値を調整します。
3. 栄養素参考値(NRV)の定義及び適用範囲を確定します
- 「GB 28050意見募集稿」に基づき、栄養素参考値(NRV)とは、包装済み食品栄養ラベルに、栄養素含有量を比較する用の基礎参考値を指します。NRVは4歳以上の対象者に適用する全ての食品に適用します。
- NRV%は毎100g、毎100ml或は毎食あたりの食品の食用可能部分中のある栄養素の含有量が栄養素参考値に占めるパーセンテージを指します。NRV%が100%となる場合、4歳以上の対象者一日の栄養素需要量に満足できることです。
解読:NRVの適用範囲について、現行「GB 28050」は具体的に規定していません。今回の「GB 28050意見募集稿」はNRVの定義及び適用範囲を確定し、「NRVは4歳以上の対象者に適用する」とのことも明確します。
4. エネルギー及び炭水化物の計算方式を詳細化します
- 「GB 28050意見募集稿」に基づき、食品原材料中のその他のエネルギー供給成分の含有量が「1g/100g」に超える場合、エネルギーとして計算しなければなりません。その他のエネルギー供給成分のエネルギー換算係数は:エタノールは29、有機酸は13、糖アルコール(D-マンニトール、マルチトール、乳糖アルコール、ソルビトール、キシリトールは含む)は10となります。
- 食品中炭水化物の含有量は加減法で計算することができます。食品原材料にエタノール、有機酸、糖アルコールなどを含むその他のエネルギー供給成分を含有し、しかも、エネルギー換算が必要である場合、炭水化物の計算はこれらの成分の含有量を減らさなければなりません。
解読:今回の「GB 28050意見募集稿」は「GB /Z 21922 - 2008 食品栄養成分基本術語」を参考したうえ、エネルギー、タンパク質、脂質及び脂肪酸、炭水化物及び糖類の定義を増やします。その同時、エネルギー及び炭水化物の計算を詳細化し、エネルギー供給成分(エタノール、有機酸、糖アルコール)係数統計の含有量要求を増やします。現行「GB 28050」に比べて、炭水化物及びエネルギーの計算は更に詳細化、厳格化になります。
5. 「毎食あたり」で表記する時の要求を増やします
- 「GB 28050意見募集稿」に基づき、包装済み食品中のエネルギー及び栄養成分の含有量は、「毎食あたり」の食品の食用可能部分中の具体的な数値で表記することができます。この場合は同一パネルに「毎食あたり」の食品の規格或は体積を表記しなければなりません。「毎食あたり」の食品の規格或は体積は、食品類別に従って附属書Eが推薦する「毎食あたり」の参考値を参考することができます。
解読:「『毎食あたり』の参考値」とは、「毎食あたり」の形式で栄養成分を表記する場合、推薦する「毎食あたり」の規格或は体積の参考値(食用可能な部分で計算する)を指します。また、「『毎食あたり』の参考値」ということのは初回提出であり、企業が使用している「毎食あたり」の数値と大違うかもしれません。「GB 28050意見募集稿」が正式に施行された後、企業は適時に調整すべきだと思っております。
6. 表記免除内容を増やします
- 成分の不確定性などを原因として、「GB 28050意見募集稿」は表記免除可能な状況を調整します。例えば、
- 「簡単処理或は簡単洗浄の単一の生製品、干し製品」を増やします。例えば、大米、小麦粉、穀物、など。
- 酒類の表記免除条件を調整し、「アルコール含有量≥0.5%の酒類飲料」から「アルコール含有量≥0.5%、糖類含有量<0.5%の酒類飲料」に変更する。
- 小包装食品の上限を拡大し、「包装総面積≤100cm2或は最大表面面積≤20cm2」から「包装総面積≤150cm2或は最大表面面積≤40cm2」に変更する。
- 「重複使用のガラス(磁器)ボトルで包装し、しかも、ボトルにラベル情報を印刷できない食品」を増やします。
- 小食用量製品の表記免除条件を調整し、「毎日食用量≤10g(ml)の包装済み食品」から「每日食用量≤10g(ml)の包装済み食品或は単一の原料調味料」に変更する。
解読:「GB 28050意見募集稿」は栄養成分表の表記免除可能な状況を更に拡大し、詳細化します。
7. 比較表示の基準物を明確化します
- 「GB 28050意見募集稿」に基づき、比較表示の参考食品は以下となります。
- 同一企業の同類食品、或は同一属類食品の実際検測データ。
- 「中国食物成分表」中の同類食品のデータ。
解読:現行「GB 28050」に基づき、比較表示の参考食品は「消費者が熟知、理解し易い同類或は同一属類の食品」となり、定義は模糊的です。「GB 28050意見募集稿」は参考食品を更に明確化、詳細化することで、企業が比較表示を規範的に使用することを導けると思っております。
8. 栄養素の機能表示用語を増やします
- 「GB 28050意見募集稿」はα-リノレン酸、糖類、ビタミンK、ビオチン、コリン、リン、カリウム、セレンを含む8種の栄養素の機能表示用語について規定を増やします。その同時、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ヨウ素などの栄養素の機能表示用語について規定を調整します。
解読:上述以外、証拠不足を原因として、「GB 28050意見募集稿」は部分の機能表示用語を削除します。例えば、「炭水化物はエネルギーの60%程度を占めるべき」という規定、コレステロールの機能表示用語、など。概して言えば、「GB 28050意見募集稿」はより多くの機能表示用語を規定するだけではなくて、機能表示用語をより科学化させます。
まとめ
上述した変更以外、「GB 28050意見募集稿」は現行「GB 28050」の各項内容に対して調整し、詳細化します。例えば、適用範囲及び非適用範囲を明確的に規定すること、義務的な表記項目及び選択的な表記項目に対して明確的に分類すること、一部の栄養ラベルに対して推薦様式を増やすこと等。現時点、「GB 28050意見募集稿」はまだ社会意見募集段階となり、企業は実際状況に基づいて意見を適時に提出することができます。将来の正式法規は今回の意見募集稿と大した変化がないと思っておりますので、企業は相応したラベル調整を事前に準備すべきだと思っております。
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