特殊医学用途調整食品の本質、生後1歳以上の対象者に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な原料及び添加物について、CIRSは以前の文章で紹介した。今回は生後1歳以下の乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な原料及び添加物について紹介したいと思う。
1. 原料
「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」に基づき、乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な原料として、1)グルテン;2)水素化油脂;3)放射線処理された原料という3種類の物質を使用することは明確的に禁止される。ここで、製品に使用可能な物質を栄養素別によって分析する。
1)タンパク質及びアミノ酸
製品に使用されるタンパク質について、「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」に統一的な要求がなくて、各種類の製品はそれぞれの要求がある。例えば、無乳糖配合或は低乳糖配合の主要技術要求は「配合中のタンパク質は乳タンパクによる提供する」と記載する。食品タンパクにアレルギーする乳児に適用される製品の配合は食物タンパクではなくてアミノ酸を使用すべきで、アミノ酸の由来及び品質要求などは「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」の附属書B及び「GB 14880-2012 食品安全国家標準 食品栄養強化剤使用標準」の関連した要求に合致しなければならない。
2)脂肪
生後1歳以上の対象者に適用される特殊医学用途調整食品の脂肪(脂肪酸)の由来と同じ、生後1歳以下の乳児に適用される特殊医学用途調整食品は、ひまわり油、大豆油などを含む普通な食用植物油を使用可能である。パーム油とヤシ油の中鎖脂肪酸(MCT)の含有量が多くて、乳児に消化して吸収されやすいので、生後1歳以上の対象者に適用される特殊医学用途調整食品より、この2種類の植物油を生後1歳以下の乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用する実例が多い。企業は適用対象者の状況及び「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」の関連した規定に基づき、具体的な使用量を把握しなければならない。例えば、中鎖脂肪酸(MCT)は特殊医学用途早産児/低体重児調整食品の脂肪の一部の由来として、脂肪総量の40%を超えてはいけない。また、「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」に基づき、リノール酸とα-リノレン酸は乳児の成長発育に必要な不飽和脂肪酸として、製品中の含有量は強制的に要求される。企業が脂肪(脂肪酸)の由来として食用植物油を選用する時も、この要求を注意すべきだと考える。
3)炭水化物
「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」に基づき、特殊医学用途乳児無乳糖/低乳糖調整食品及び特殊医学用途乳児乳タンパク部分加水分解調整食品は、乳糖又は一部の乳糖の代わりに他の炭水化物を使用可能で、そうしないと、炭水化物の主要由来は乳糖或はブドウ糖ポリマーとすべき、果糖を使用してはいけない。また、配合調整或は製造技術の原因で、澱粉を使用可能だが、乳児に適用される特殊医学用途調整食品は製品の消化吸収特性を確保するために、糊化澱粉しか使用できない。食物繊維について、企業は「GB 14880-2012 食品安全国家標準 食品栄養強化剤使用標準」に基づいてガラクトオリゴサッカライド(GOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ポリフルクトースとラフィノースなどを含む乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な関連物質を選択すべきだと考える。
4)ビタミン及びミネラル
乳児に適用される特殊医学用途調整食品は13種のビタミン及び12種のミネラルを含有しなければならない。「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」はそれぞれの最大使用量と最低含有量を明記し、企業はこの法規制及び関連した国家機構の解説に基づいて使用量を調整可能である。
5)選択的な添加成分
「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」に記載される各選択的な添加成分及び「GB 14880-2012 食品安全国家標準 食品栄養強化剤使用標準」に記載される乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な栄養強化剤は人体に必要な成分ではないが、乳児の成長発育に有益なので配合設計の目的に基づいて製品に選択的に使用可能である。また、カゼイン塩などを含む特殊制限なくて、「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」及び関連した標準にも規定されない活性成分の一般食品原料も選択的な添加成分として使用可能である。
6)プロバイオティクス
今まで、中国国家衛生健康委員会(元NHFPC、元衛生部)は乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能なプロバイオティクスを総計6種8株を認可し、詳細な情報は下記の通りである。
表1 乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能なプロバイオティクス
NO. | 菌種名称 | ラテン学名 | 菌株番号 | 公表期日及び関連公告 |
1 | ビフィドバクテリウム・アニマリス | Bifidobacterium animalis | Bb-12 | 2011年10月24日 元衛生部2011年第25号公告 |
2 | ビフィドバクテリウム・ラクティス | Bifidobacterium lactis | HN019 | |
Bi-07 | ||||
3 | ラクトバチルス・ラムノサス | Lactobacillus rhamnosus | LGG | |
HN001 | ||||
4 | ラクトバチルス・ロイテリ | Lactobacillus reuteri | DSM17938 | 2014年5月30日 元NHFPC 2011年第25号公告 |
5 | ラクトバチルス・ファーメンタム | Lactobacillus fermentum | CECT5716 | 2016年6月8日 元NHFPC 2016年第6号公告 |
6 | ビフィドバクテリウム・ブレーベ | Bifidobacterium breve | M-16V |
2. 食品添加物
「GB 2760-2014 食品国家標準 食品添加剤使用標準」に基づき、13.01乳幼児調整食品及び13.01.03特殊医学用途乳児調整食品に使用可能な食品添加物は乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能で、詳細な情報は下記の通りである。
表2 乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な食品添加物
NO. | 食品添加物 | 機能 | 食品分類番号 | 食品分類 | 最大使用量 |
1 | モノ、ジグリセリン脂肪酸エステル | 乳化剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
2 | カロブビーンガム | 増粘剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 7.0g/kg |
3 | キサンタンガム | 安定剤 増粘剤 | 13.01.03 | 特殊医学用途乳児調整食品 | 9.0g/kg(使用量制限は粉状製品のみに適用、液状製品は希釈倍数に応じて換算する) |
4 | カラギーナン | 乳化剤 安定剤 増粘剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 0.3g/L(調理済み状態の食品の使用量によって計算する) |
5 | パルミチン酸アスコルビル | 抗酸化剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 0.05g/kg(脂肪中のアスコルビン酸で計算する) |
6 | リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム | 水分保持剤 膨張剤 酸度調節剤 安定剤 固結剤 固結防止剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 1.0g/kg(単独又は混合使用可能で、最大使用量はPO43-で計算する) |
7 | リン脂質 | 抗酸化剤 乳化剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
8 | クエン酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩 | 酸度調節剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
9 | クエン酸脂肪酸グリセリンエステル | 乳化剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 24.0g/kg |
10 | 水酸化カルシウム | 酸度調節剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
11 | 水酸化カリウム | 酸度調節剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
12 | 乳酸 | 酸度調節剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
13 | 炭酸カリウム | 酸度調節剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
14 | 炭酸水素カリウム | 酸度調節剤 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 製造の必要性から、適量使用 |
15 | オクテニルコハク酸デンプンナトリウム | 乳化剤 その他 | 13.01.03 | 特殊医学用途乳児調整食品 | 150.0g/kg(使用量制限は粉状製品のみに適用、液状製品は希釈倍数に応じて換算する) |
16 | 異性化ラクツロースシロップ | その他 | 13.01 | 乳幼児調整食品 | 15.0g/kg |
上述した分析によりますと、生後1歳以上の対象者に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な物質と同じ、乳児に適用される特殊医学用途調整食品に使用可能な物質は既に「GB 25596-2010 食品安全国家標準 特殊医学用途乳児調整食品通則」、「GB 14880-2012 食品安全国家標準 食品栄養強化剤使用標準」、「GB 2760-2014 食品国家標準 食品添加剤使用標準」及び国家衛生健康委員会(元NHFPC、元衛生部)の公告に列記された。製造企業は特殊医学用途調整食品を設計・開発する時、製品の適用対象者の栄養需要に満足した上で、上述した法規制及び公告の関連要求に合致しなければならない。
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