生後1歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品(FSMP)のエネルギー密度およびエネルギー供給の三大栄養素についての分析
Source: CIRS

皆様が1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品、及び10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品の特性をよく把握できることを目的として、この文章は、全栄養調整食品のエネルギー密度、三大栄養素のエネルギー供給率、三大栄養素の主要的な由来の方面から、既に許認可取得した1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品、及び10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品について分析します。

2022年9月まで、既に許認可取得した1歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品は総計21件があります。中に、1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品は5件があり、10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品は16件があります。それぞれのエネルギー密度、三大栄養素のエネルギー供給率は以下の通りです。

表1 21件の全栄養調整食品のエネルギー密度、三大栄養素のエネルギー供給率のまとめ

NO.

製品名称

エネルギー密度a/kcal/mL

エネルギー供給率b /%

蛋白質

炭水化物

脂肪

脂肪

リノール酸

α-リノレン酸

1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品

1

小安素®特殊医学用途全栄養調整食品

0.8

13.3

52.6

32.8

7.9

0.7

2

小佰太能特殊医学用途全栄養調整食品

1.0

11.9

54.7

33.2

3.8

0.5

3

小佳膳特殊医学用途全栄養調整食品

1.0

12.3

52.6

34.7

4.2

0.8

4

愛優諾優益力特殊医学用途全栄養調整食品

0.7

16.0

47.2

34.9

3.0

0.6

5

麦孚楽貝®特殊医学用途全栄養調整食品

1.0

12.4

52.1

34.6

4.0

0.7

10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品

1

佳膳佳立暢特殊医学用途全栄養処方食品

1.2

13.7

58.3

25.4

3.3

0.6

2

伊利®欣活®特殊医学用途全栄養処方粉

1.0

16.3

51.2

29.2

4.2

0.6

3

全安素®特殊医学用途全栄養処方食品

1.0

15.0

54.2

28.8

5.1

0.6

4

佳膳悠選特殊医学用途全栄養処方食品

1.0

16.4

47.3

33.8

4.8

0.9

5

力存優太特殊医学用途全栄養処方食品

1.0

14.7

71.0

14.3

2.8

0.6

6

優博啓瑞特殊医学用途全栄養処方食品

1.0

16.7

55.7

28.3

4.4

0.6

7

麦孚暢清®特殊医学用途全栄養処方粉

1.0

18.7

54.8

26.5

4.3

0.6

8

愛優諾優康力特殊医学用途全栄養処方食品

0.8

16.7

51.0

30.4

2.8

0.6

9

唯卡能®特殊医学用途全栄養処方粉

1.0

15.5

53.9

29.2

6.6

1.3

10

君蓓全特殊医学用途全栄養処方食品

1.0

16.9

57.3

25.8

7.2

1.3

11

希特臻特殊医学用途全栄養処方粉

1.4

20.1

50.0

29.7

4.9

1.1

12

唯源素®特殊医学用途全栄養処方粉

1.0

18.2

54.5

39.5

6.2

1.0

13

希瑞怡®特殊医学用途全栄養処方粉

1.2

19.9

48.1

29.9

5.2

1.1

14

麦孚康全®特殊医学用途全栄養処方粉

1.0

18.0

51.2

27.4

6.8

0.8

15

拜妥優特殊医学用途全栄養処方食品

1.0

19.4

48.8

30.1

4.1

0.7

16

特愛啟瑞特殊医学用途全栄養処方食品

1.0

16.7

55.7

28.3

4.4

0.6

注:

エネルギー密度は、製品ラベル説明書にての内容を参考して概算する。

三大栄養素のエネルギー供給率は、製品ラベル説明書にての100mLの記載内容を参考して概算する。

1. エネルギー密度の分析

特殊対象者の栄養治療では、エネルギー供給は最も重要的なものです。まずはエネルギーの供給を満足する必要で、その後に補充する蛋白質は十分的に利用される可能で、最後に窒素バランス改善の目的に達します。「腸内栄養臨床薬学共識(第二版)」に基づき、臨床によく使用される腸内栄養製剤のエネルギー密度は0.9kcal/mL、1kcal/mL、1.3kcal/mL、1.5kcal/mLなどとなります。

1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品

「GB 29922」のエネルギー密度要求に基づき、1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品のエネルギー密度は「≥0.6kcal/mL」となる必要です。既に許認可を取得した5件の相関製品のエネルギー密度は「0.8kcal/mL~1.0kcal/mL」となります。1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品のエネルギー密度は大きな差異がなくて、ほぼは「1kcal/mL」です。

10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品

「GB 29922」のエネルギー密度要求に基づき、10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品のエネルギー密度は「≥0.7kcal/mL」となる必要です。以下(図1)の通りに、既に許認可を取得した16件の10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品のエネルギー密度は主に「0.8kcal/mL~1.0kcal/mL」となり、総件数の81%を占めます。この16件の製品のエネルギー密度は大きな差異があり、製品のエネルギー密度範囲は「0.8kcal/mL~1.4kcal/mL」となり、1.75倍の差があります。違いエネルギー密度の製品は各適用対象者の個体差異状況に更なる適用でき、医師または臨床栄養士がFSMP製品を選ぶ時の選択も多くなります。

2. エネルギー供給の三大栄養素の分析

全栄養調整食品は、単一の栄養由来として適用対象者の栄養需要を満足できます。そして、蛋白質、脂肪、炭水化物は体エネルギー供給の三大栄養素として、何れも不可欠です。

1-10歳

中国住民膳食栄養素摂取参考量(DRIs)(2013版)の推薦量に基づき、1-10歳ヒトの炭水化物のエネルギー供給率は約「50%~65%」となり、蛋白質のエネルギー供給率は約「12%~15%」となり、脂肪のエネルギー供給率は約「25%~35%」となります。DRIsは、「1-10歳」を1-3歳、4-6歳、7-10歳という三つの年齢層に更に分け、各年齢層のエネルギー供給率は差別があります。年齢が小さいなら、蛋白質および脂肪のエネルギー供給率は大きくて、炭水化物のエネルギー供給率は小さいです。そして、年齢増長に伴い、エネルギー供給の三大栄養素の供給率も段々に大人の推薦量に近づきます。

 ○ 蛋白質

1-10歳は成長発育の肝心時期であり、蛋白質への需要量が高いです。「GB 29922」に基づき、1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品の蛋白質含有量は「≥0.5g/100kJ」となり、蛋白質のエネルギー供給率に換算すれば「≥8.5%」となります。既に許認可を取得した5件の相関製品の蛋白質エネルギー供給率は「11.9%~16%」となります。

 ○ 脂肪

既に許認可を取得した5件の相関製品の脂肪エネルギー供給率は「32.8%~34.9%」となり、何れもDRIsの推薦範囲以内であり、しかも、「30%~35%」に集中し、差異は小さいです。低年齢層ヒトが脂肪への需要が高いことを主に考慮したかもしれません。

  1)リノール酸

リノール酸は必須脂肪酸であり、「GB 29922」に基づき、1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品のリノール酸エネルギー供給率は「≥2.5%」となります。既に許認可を取得した5件の相関製品のリノール酸エネルギー供給率は「3.0%~7.9%」となります。

  2)α-リノレン酸

α-リノレン酸は必須脂肪酸であり、「GB 29922」に基づき、1-10歳の対象者に適用される全栄養調整食品のα-リノレン酸エネルギー供給率は「≥0.4%」となります。既に許認可を取得した5件の相関製品のα-リノレン酸エネルギー供給率は「0.5%~0.8%」となります。

 ○ 炭水化物

既に許認可を取得した5件の相関製品の炭水化物エネルギー供給率は「47.2%~54.7%」となり、しかも、主は「50%~55%」に集中します。エネルギー供給率が50%以下の製品は低年齢層の膳食需要を考慮し、製品の蛋白質と脂肪のエネルギー供給率をあげるかもしれません。

10歳以上

中国住民膳食栄養素摂取参考量(DRIs)(2013版)の推薦量に基づき、大人の炭水化物のエネルギー供給率は「50%~65%」となり、蛋白質のエネルギー供給率は「10%~15%」となり、脂肪のエネルギー供給率は「20%~30%」となります。中に、10-17歳のヒトの推薦量もこの範囲以内となります。年齢が小さいなら、蛋白質と脂肪のエネルギー供給率も相応的にあげるです。

 ○ 蛋白質

「GB 29922」に基づき、10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品の蛋白質含有量は「≥0.7g/100kJ」となり、蛋白質のエネルギー供給率に換算すれば「≥11.9%」となります。そして、DRIsの推薦量は「10%~15%」となりますが、各対象者の蛋白質保存状況と代謝状況が違うので、蛋白質への需要も違います。以下(図2)の通りに、既に許認可を取得した16件の相関製品の蛋白質エネルギー供給率は「13.7%~20.1%」となり、しかも、主は「15.3%~16.9%」に集中します。中に、蛋白質エネルギー供給率が15%以上の製品は13件があり、10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品の蛋白質エネルギー供給率がほぼ高いと見られます。

 ○ 脂肪

脂肪は主要的なエネルギー供給物質だけではなくて、ヒト細胞の重要的な組成部分でもあります。DRIsに基づき、大人の脂肪エネルギー供給率の推薦量は「20%~30%」となります。以下(図3)の通りに、既に許認可を取得した16件の相関製品の脂肪エネルギー供給率は「14.3%~39.5%」となり、大きな差異があり、しかも、主は「28.3%~35.3%」に集中します。

  1)リノール酸

「GB 29922」に基づき、10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品のリノール酸エネルギー供給率は「≥2.0%」となります。以下(図4)の通りに、既に許認可を取得した16件の相関製品のリノール酸エネルギー供給率は「2.8%~7.2%」となり、しかも、主は「2.8%~4.7%」に集中します。

  2)α-リノレン酸

「GB 29922」に基づき、10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品のα-リノレン酸エネルギー供給率は「≥0.5%」となります。以下(図5)の通りに、既に許認可を取得した16件の相関製品のα-リノレン酸エネルギー供給率は「0.6%~1.3%」となり、しかも、主は「0.6%~1.0%」に集中します。

○ 炭水化物

「GB 29922」に基づき、10歳以上の対象者に適用される全栄養調整食品の炭水化物エネルギー供給率に対しては要求がありませんが、DRIsの推薦量は「50%~65%」となります。以下(図6)の通りに、既に許認可を取得した16件の相関製品の炭水化物エネルギー供給率は「47.3%~71.0%」となり、大きな差異があり、しかも、主は「47.3%~55.5%」に集中します。

3. 三大栄養素の由来の分析

 1)炭水化物:既に許認可を取得した21件の相関製品の中に、炭水化物の主要的な由来はマルトデキストリン、白砂糖、ブドウ糖液糖などがあります。中に、マルトデキストリンを使用する製品は総計20件があります。マルトデキストリンは体に吸収し易くて、その加工特性も良好的なので、広く使用されます。白砂糖はエネルギーを提供でき、しかも、製品の食感も改善できるので、よく使われます。また、膳食繊維の方面に、オリゴ果糖を膳食繊維の由来として使用される製品は総計10件があります。

 2)蛋白質:既に許認可を取得した21件の相関製品の中に、蛋白質の主要的な由来は大豆分離蛋白粉、乳清蛋白粉、濃縮乳清蛋白粉、カゼイン酸塩などの優質蛋白があります。植物性蛋白の中に、最も使用されるのは大豆分離蛋白です。動物性蛋白は全て乳類蛋白から由来で、よく使用されるのはカゼイン酸塩、乳清蛋白、濃縮乳清蛋白です。

 3)脂肪:既に許認可を取得した21件の相関製品の中に、脂肪の主要的な由来は植物油と中鎖トリグリセライドです。中に、よく使用されるのはヒマワリ種子油と(低エルカ酸)ナタネ種子油であり、それぞれは19件と18件があります。次に、中鎖トリグリセライドを使用する製品は10件があります。

三大栄養素の由来物質は以下(表2)の通りです。

表2 三大栄養素の主要的な由来物質

栄養素

原料名称

製品件数

総炭水化物

炭水化物

マルトデキストリン

20

白砂糖

10

ブドウ糖液糖

7

澱粉糖

6

他の使用される原料:結晶果糖、ポリデキストロース、食用澱粉

膳食繊維

オリゴ果糖

10

イヌリン

4

他の使用される原料:ガラクトオリゴ糖、難消化性デキストリン

蛋白質

カゼイン酸塩(例えば、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム)

9

大豆分離蛋白

8

乳清蛋白粉

7

濃縮乳清蛋白粉

6

濃縮ミルク蛋白

5

カゼイン

4

他の使用される原料:分離乳清蛋白、加水分解乳清蛋白、米蛋白粉

脂肪

ヒマワリ種子油

19

(低エルカ酸)ナタネ種子油

18

中鎖トリグリセライド

10

大豆油

10

ヤシ油

6

コーン油

6

他の使用される原料:亜麻仁油、無水クリーム

全栄養調整食品は、単一の栄養由来として適用対象者の栄養需要を満足でき、しかも、特殊医学用途調整食品は医師または臨床栄養士の指導で食用すべきです。従いまして、全栄養調整食品の間に栄養素差異があることは、各適用対象者の栄養需要に更なる満足でき、医師または臨床栄養士の選択も多くなります。