2016年以降、中国は「三減三健康」行動の展開を正式開始します。つまり、「減塩、減油、減糖、口腔健康、体重健康、骨格健康」を呼び掛けます。2019年6月24日、中国国務院は「国務院が健康中国行動の実施に関する意見」、「健康中国行動（2019-2030年）」を公表し、「減糖」の戦略目標を明確的に提出します。健康中国行動を徹底的に実行する為に、中国国家衛生健康委員会も「口腔健康行動方案2019-2025年）」を公表し、「減糖」専門行動の展開を明確的に提出します。中国飲用品健康消費フォーラムは「健康中国飲料食品減糖行動白書（2021）」を公表し、飲料類食品分野に「減糖」を提唱します。

中国当局ほかの部門も政策ドキュメントを公表し、全社会の「減糖」行動を励まします。

1. 食品原料から「減糖」政策を徹底的に実行

「全民健康」生活方式の押し進めに伴い、「減糖」はますます皆様の共通認識になり、世界中の食品製造と消費発展の重要的な動向になります。「減糖」とは、天然果物にての糖と主食にての天然炭水化物以外の「添加糖」（遊離糖とも呼ぶ）の摂取を減少することです。添加糖とは、食品に人工添加する糖類を指し、甘味有りという特徴を有する物です。添加糖は単糖と双糖を含み、よく見られる添加糖はショ糖、果糖、ブドウ糖などがあります。こうすると、体に吸収しない、又は利用率低い甘味物質を甘味の由来として、食品中の添加糖の配合量を下げることは、「減糖」のいい方法とも言えます。この数年来、数多くの「糖代替」作用有りの食品原料は開発応用され、話題になるのは以下幾つがあります。

（1）L-アラビノース

L-アラビノースの甘さはショ糖の50%-60%となり、その甘味は純正的且つ柔らかいです。L-アラビノースは小腸にての消化吸収率は低くて、大腸に入った後に微生物発酵で短鎖脂肪酸を産生するので、摂取した後に血糖向上を起こしません。臨床試験によりますと、L-アラビノースはショ糖の代謝転化に遮断作用があり、双糖を水解する酵素を抑制することで、ショ糖の代謝吸収を下げます。

法規制現状：現時点、L-アラビノースは既に中国新食品原料として認可されました。

元中国衛生部の2008年第12号公告に基づき、L-アラビノース（トウモロコシの芯、トウモロコシの皮などのイネ科植物繊維から由来）は新資源食品として認可されました。その使用範囲は乳幼児食品以外の各種食品となります。

その後、中国国家衛生健康委員会（NHC）は二つのL-アラビノースの「審査終止」を公布し、その審査結論は「実質同等」となります。その中に、一つの由来は2008年に公告認可されたL-アラビノースの由来と一致します。もう一つの由来はアラビアゴムとなります。

（2）キシロオリゴ糖

キシロオリゴ糖はβ-1,4グリコシドボンドで形成するオリゴ糖混合物であり、その甘味はショ糖と類似し、甘さはショ糖の50％です。ヒトの消化系統はβ-1,4グリコシドボンドを分解する酵素がないので、キシロオリゴ糖を消化吸収できません。摂取されるキシロオリゴ糖は大腸、小腸に有益菌に利用され、血糖向上も脂肪沈殿も起こしません。従いまして、食事にキシロオリゴ糖を摂取することは、甘味に対する需要を満足でき、ヒトの体健康維持にも有利です。

法規制現状：キシロオリゴ糖は既に中国新食品原料として認可されました。元中国衛生部の2008年第12号公告に基づき、キシロオリゴ糖は新資源食品として認可されました。関連した内容は以下の通りです。

（3）D-プシコース

D-プシコースの甘さはショ糖の70％であり、その熱量はショ糖の約10％だけです。しかも、ショ糖と類似した口当たりがあり、理想的な低熱量のショ糖代替物とも言えます。D-プシコースを摂取した後、70％は尿または糞便で直接的に排出されるので、消化負担がなくて、ヒトの健康にもマイナス影響がありません。D-プシコースは肝性リパーゼと腸内α-グルコシダーゼを抑制し、小腸の糖類吸収を下げることで、血糖向上を抑制し、体内脂肪蓄積を減少します。

法規制現状：中国において、D-プシコースはまだ認可されていません。ただし、企業の申請情熱は盛り上がっています。2020年以来、中国国家衛生健康委員会（NHC）は総計三つのD-プシコースの登録申請を受理しました。一方、外国において、D-プシコースは既に食品中に応用されています。ここに、欧米を実例として説明します。

● アメリカ食品医薬品局（FDA）は四つのD-プシコースのGRAS（一般に安全とみなされている）認証公告を公布し、その予期用途は主に一部の食品類別中の糖代替品として使用します。

● 欧州連合(EU)もまだD-プシコースを認可していません。ただし、D-プシコースを新食品原料として欧州食品安全機関（EFSA）に登録申請を提出した企業が多いです。現時点、これらの申請は何れもリスク評価中の状態です。

（4）D-タガトース

D-タガトースの甘味はショ糖と類似し、その甘さはショ糖の92％です。しかも、不良的な異味も後味もなくて、その熱量もショ糖の1/3だけです。理想的なショ糖代替品です。ヒトはD-タガトースを分解する物質がないので、D-タガトースが小腸においての吸収率はとても低くて、小腸に吸収されないD-タガトースは大腸に到達した後、微生物に完全的に発酵されて短鎖脂肪酸を生成します。D-タガトースも小腸のブドウ糖吸収を抑制でき、また、研究結果によりますと、D-タガトースを摂取した後、血糖もインシュリンレベルも顕著的な変化がありません。

法規制現状：中国において、D-タガトースは使用可能です。元中国国家衛生与計画生育委員会（NHFPC）の2014年第10号公告に基づき、D-タガトースは食品原料として認可されました。関連した内容は以下の通りです。

2. 食品添加物中の代用糖物質

「糖代替」作用の食品原料以外、食品添加物中の甘味料も広く使用される代用糖物質です。現時点、中国において使用認可された甘味料は約20種があります。例えば、アスパルテーム、アセサルフェームカリウム、サッカリン、シクロヘキシルスルファメート、スクラロース、エリトリトール、ステビオシドなどがあります。これらの甘味料の熱量は低くて、その口当たりはショ糖と類似し、その甘味はショ糖の数十倍～数百倍です。食品製造企業は添加糖の代わりに甘味料を使用することで、「減糖」の目的を達成します。ただし、甘味料の使用は「GB 2760」中の使用量要求と使用範囲要求を遵守しなければなりません。もし、使用したい甘味料の使用範囲と使用量が「GB 2760」の要求に合致しない場合、企業は事前に中国国家衛生健康委員会（NHC）に食品添加物の使用範囲/使用量拡大を申請しなければなりません。

まとめ

「減糖」の呼び掛けで、数多くの「糖代替」作用有る物質は開発応用されます。消費者が食品甘味に対する需要を満足できる同時に、血糖や体重などの健康要素にマイナス影響を起こさない原料は一杯があります。食品製造企業はこれらの原料を利用して、多種多様、特色鮮明の減糖食品を開発できます。これは、食品工業の発展、物質生活の豊富にも重要的な作用があります。

現時点、数多くの「糖代替」作用有る原料は既に中国に使用認可されました。また、数多くの新型原料/添加物も開発されています。「中華人民共和国食品安全法」の相関規定に基づき、新たな食品原料を利用して食品製造を行う場合、又は新規食品添加物を利用して製造活動を行う場合、中国国家衛生健康委員会の安全性評価を通過しなければなりません。CIRSは専門的な技術、多年の対応経験があり、国内外企業に以下の法規制全般対応を提供します。

• 中国　新食品原料登録
• 中国　新規食品添加物登録
• 中国　遺伝子組み換え微生物に関わる新規食品添加物登録

各相関企業が業界の最新動向を把握し、申請ルートを明確化させることを目的として、2022年10月20日、CIRSは無料WEBセミナーを開催し、「新食品原料」と「新規食品添加物」（遺伝子組み換え技術で製造される物質も含む）の間の関連と区別を解読し、「ヒト母乳オリゴ糖（HMOs）」、「β-ニコチンアミドモノヌクレオチド（NMN）」などの話題物質の最新進捗などを紹介します。

セミナー要旨

• 法規背景紹介
• 物質申請ルートの判断方法
• 二種の申請ルートそれぞれの要点、相違点
• 遺伝子組み換え技術で製造される物質の申請ルート選択
• HMOs、NMNなどの業界話題物質の申請進捗