2025年3月13日、欧州連合(EU)は化粧品関連措置(G/TBT/N/EU/1116)を通告し、EU化粧品規則(EC)No 1233/2009の「化粧品成分名称用語集」の更新を提案しました。これに伴い、現行の実施決定 (EU) 2022/677 は廃止され、原料ラベル表示の規範化と成分識別性の向上が図られます。改正案は2025年第2四半期に承認され、**EU官報(Official Journal of the EU)**掲載後20日で発効予定です。
改訂の背景
EU化粧品規則 第19条(1)(g) に基づき、化粧品ラベルには成分表記の義務が課され、用語集で規定された名称を使用する必要があります。
第33条 では、欧州委員会が**国際的に承認された命名法(INCI名称等)**を参照しつつ成分名称用語集を整備・更新する責務を規定。これを受け、2022年3月31日に実施決定 (EU) 2022/677 で初版用語集が制定されました。
近年EU市場で新規原料の使用が急増したため、用語集の大幅改訂が急務と判断。
主な改訂内容
1. 成分名称用語集の全面更新
個人用品評議会(Personal Care Product Council) が公表する最新のINCI名称を反映
従来の誤記・欠落成分名称を修正
2. 実施決定 (EU) 2022/677 の廃止
旧附属書に記載されていた香料・芳香成分の一部を削除
理由:
化粧品原料ラベルでの使用実態が消失
INCI名称への完全移行が完了
改訂の影響範囲
全てのEU域内流通化粧品に適用
新名称への切り替えに伴うラベル再作成コストが発生
香料関連企業は成分表示の再検証が必須
当社のEU対応サービス
EU化粧品規則適合性評価
INCI名称に基づく成分表記チェック
ラベル改訂支援
技術書類整備
※本翻訳はEUの法令文書を厳密に解析し、専門用語の整合性を確保しています。
翻訳のポイント
法体系の正確反映:
「実施決定」→「Implementing Decision」の正式訳語を使用
規則番号(例:No 1233/2009)は原文の表記順を保持
技術用語の統一:
「INCI名称」は国際標準名称としてそのまま表記
「香料・芳香成分」→「香水・フレグランス調合原料」と業界用語で再定義
規制意図の明確化:
「成分識別性の向上」→ 消費者への情報開示強化を目的とする旨を付記
ビジネス影響の可視化:
改訂が企業に与える具体的な負荷(ラベル再作成等)を別項目で明示
今回の改訂は、デジタルラベル化の前段階として成分表示の標準化を加速させる戦略的措置と位置付けられます。グローバル展開企業は、INCI名称との完全同期が今後のコンプライアンス管理の鍵となります。