「中華人民共和国揚子江保護法」第51条第2項により、「揚子江流域において、劇毒化学品、および国の規定により、内陸河川での輸送が禁じられるその他の危険化学品の輸送が禁止されている」と規定していることを踏まえて、最近上海海事局から、上海外高橋(ワイガオチャオ)水域を出入りする船積みの危険貨物の混合物成分の届出要求を解釈しました。既に明確されたのは、組成情報が全部開示されていない混合物、又は組成情報が全部開示されていますが、一部の成分が「輸送禁止貨物」の対象である混合物としては、MSDSに「健康有害-急性毒性区分」、「水生環境有害-急性毒性区分」、「水生環境有害-長期危害区分」を同時に明確すべきで、並びにいずれかが類別(区分)1に該当すれば、「輸送禁止貨物」とみなされ、外高橋港エリアを出入り、通過、中継することが不可です。
本文は、国家標準《化学品分類とラベル規範第18部分:急性毒性》(GB30000.18-2013)及び《化学品分類とラベル規範 第28部分:水生環境への危険有害性》(GB30000.28-2013)の分類規制により、混合物が「健康有害-急性毒性区分1」、「水生環境有害-急性毒性区分1」若しくは「水生環境有害-長期危害区分1」に該当するかどうかを迅速に判断する方法を提案します。
健康危険有害-急性毒性区分1(H300、H310、H330)
混合物成分の急性毒性推定値(ATE)を計算することにより、混合物の急性毒性を分類できます。各成分の急性毒性分類状況を把握すれば、下の公式で、混合物のATEmixを計算してから、ATEmix値の波動範囲を元とし、区分を判断します。急性毒性有害分類は、経口、経皮、吸入との三つ暴露経路が含まれて、暴露経路が異なっても、分類計算公式が同じですが、置換パラメータが違います。濃度しきい値を得るには、下の仮説を出して:1)組成成分の急性毒性情報が全部一致する;2)全部成分に向けて、換算できた急性毒性推定値で、計算する。実例があれば、組成成分情報とその急性毒性データを把握すれば、比較的に正確な計算を行います。
公式1:100/ATEmix=∑n(Ci/ATEi)
注:Ciは成分の濃度で、ATEiは成分の急性毒性推定値(ATE)です。
混合物には、急性毒性区分1の成分が x%あると仮説し、上記公式で、x%がある規制値を超えれば、混合物全体としては、急性毒性区分1に分類されるようです。
経路に基づき、計算経過と結果:
- 経口:100/ATEmix = x/ATEi,100/5=x/0.5,x%=10%;
- 経皮:100/ATEmix = x/ATEi,100/50=x/5,x%=10%;
- 吸入(蒸気):100/ATEmix = x/ATEi,100/0.5=x/0.05,x%=10%;
- 吸入(粉塵/ミスト):100/ATEmix = x/ATEi,100/0.05=x/0.005,x%=10%;
上記の計算によりまして、急性毒性区分1の成分が10%に達すれば、混合物全体は、急性毒性区分1に分類されるかもしれません。
未知毒性成分が10%超である場合は、公式に少し変化があり、未知成分の濃度をマイナスします。
公式2:(100-(∑C未知))/ATEmix=∑n(Ci/ATEi)
同じく暴露経路(経口、経皮、吸入)は加算がされます。ATEi推定値は、応じる経路のLD/LC50値で、若しくはGB3000.18表2にある「換算急性毒性推定値」を指します。
未知成分の濃度は20%だと仮説し、経路による計算結果:
- 経口:80/ATEmix = x/ATEi,80/5=x/0.5,x%=8%;
- 経皮:80/ATEmix = x/ATEi,80/50=x/5,x%=8%;
- 吸入(蒸気):80/ATEmix = x/ATEi,80/0.5=x/0.05,x%=8%;
- 吸入(ほこり/ヒューム):80/ATEmix = x/ATEi,80/0.05=x/0.005,x%=8%;
結論:未知成分の濃度が高ければ高いほど、急性毒性区分1に貢献するしきい値が低い。
実例シミュレーション1:物理化学的危険性を別とし、フルオロ酢酸メチル(劇毒)を含む混合物
混合物 | フルオロ酢酸メチルの分類 | 混合物の分類 |
混合物1 フルオロ酢酸メチル7% 残りは水 | 急性毒性経口区分1 急性毒性経皮区分1 急性毒性吸入区分1 | 急性毒性経口区分2 急性毒性経皮区分2 急性毒性吸入区分2 |
混合物2 フルオロ酢酸メチル12% 残りは水 | 急性毒性経口区分1 急性毒性経皮区分1 急性毒性吸入区分1 | 急性毒性経口区分1 急性毒性経皮区分1 急性毒性吸入区分1 |
混合物2 フルオロ酢酸メチル9% 水72% 残りは不明 | 急性毒性経口区分1 急性毒性経皮区分1 急性毒性吸入区分1 | 急性毒性経口区分1 急性毒性経皮区分1 急性毒性吸入区分1 |
水生環境-急性毒性有害&長期有害区分1(H400&H410)
水生環境の急性毒性有害性と長期有害性につき、既知成分の水生環境有害区分が分かれば、下の加算公式で区分を判断できます。
- 急性:急性区分1(成分の濃度の和%)X Ma ≥ 25%:混合物の有害性分類は急性毒性区分1です。
- 慢性:慢性区分1(成分の濃度の和%)X Ma ≥ 25%:混合物の有害性分類は慢性区分1です。
公式中のM係数(M factor)は増幅係数で、GB30000.28-2013の表5で確認できます。公式とM係数の「確認フォーム」を通して、M係数の最低値が1であることが判明しました。従い、混合物中の水生環境-急性或いは慢性区分1の成分が25%に達する場合は、混合物全体は区分1に分類されます。
実例シミュレーション1:酸化亜鉛を含む混合物(禁輸リストには含まれていません)、酸化亜鉛の急性と慢性M値は1であります。
混合物 | 酸化亜鉛の分類 | 混合物の分類 |
混合物1 酸化亜鉛30% 残りは炭酸カルシウム | 水生環境-急性毒性区分1 水生環境-長期毒性区分1 | 水生環境-急性毒性区分1 水生環境-長期毒性区分1 |
混合物2 酸化亜鉛20% 残りは炭酸カルシウム | 水生環境-急性毒性区分1 水生環境-長期毒性区分1
| 水生環境-急性毒性区分2 水生環境-長期毒性区分2 |
まとめ
急性1類分類の濃度しきい値10%若しくは10%より低い
計算を通して、次のような判断結果が出ました:MSDS中の成分情報につき、秘密保持の原因で全部を開示できない場合は、10%の成分が急性毒性区分1であれば、混合物が健康有害-急性毒性区分1に分類されます。秘密保持の成分の濃度が高ければ高いほど、10%未満の成分には急性毒性区分1であれば、混合物が健康有害-急性毒性区分1に分類されます。
水生環境-急性若しくは慢性分類の区分1 濃度のしきい値25%
25%の成分が水生環境-急性毒性若しくは慢性毒性区分1に該当すれば、混合物が区分1に分類されます。
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