背景
韓国MOEは、2018年3月20日に「生活化学製品及び殺生物剤の安全管理に関する法律」(Consumer Chemical Products and Biocides Safety Act、K-BPR)を公布しました。同法が2019年1月1日から施行されました。K-BPRは主に生活化学製品及び殺生物剤の二つの部分に構成されています。生活化学製品は、韓国の化学物質登録・評価などに関する法律(K-REACH)から移管され、殺生物剤の部分は、EUの殺生物性製品規制(BPR)を参照しています。
K-BPRの発展歴史
生活化学製品
定義
生活化学製品:家庭、事務室、大衆利用施設等の生活空間で使用する製品として、人や環境に化学物質が暴露される可能性があるもの。例えば:自動車用ウォッシャー液、不凍液、日常用空気清浄剤など。
安全確認対象生活化学製品:生活化学製品の中、環境部長官が危害性評価を行った結果、危害性があると認められ、指定・告示されたものであり、現在では総計39のもの。このような製品は、製造・輸入前に関連法規の義務を履行しなければならない。
安全確認対象生活化学製品類型 | |||
1 | 洗浄製品 | a | 洗浄剤 |
b | 除去剤 | ||
2 | 洗濯製品 | a | 洗濯洗剤 |
b | 漂白剤 | ||
c | 繊維柔軟剤 | ||
3 | コーティング製品 | a | コーティング剤 |
b | 特殊目的 | ||
c | 錆防止剤 | ||
d | アイロン補助剤 | ||
4 | 接着・接合製品 | a | 接着剤 |
b | 接合剤 | ||
5 | 芳香・消臭製品 | a | 芳香剤 |
b | 消臭剤 | ||
6 | 染色・塗装製品 | a | 染色剤 |
b | 塗装剤 | ||
7 | 自動車用製品 | a | ウォッシャー液 |
b | 不凍液 | ||
8 | 印刷製品 | a | インク・トナー |
b | スタンプ用インキ赤 | ||
c | 修正液・修正テープ | ||
9 | 美容製品 | a | 美容接着剤 |
b | タトゥー用染料 | ||
10 | 殺菌製品 | a | 殺菌剤 |
b | 殺藻材 | ||
c | 加湿器消毒剤 | ||
d | 感染症予防用消毒器・消毒剤 | ||
e | その他の防疫用殺菌製剤 | ||
11 | 躯除製品 | a | 殺虫剤 |
b | 予防・誘引殺虫剤 | ||
c | 衛生忌避剤 | ||
d | 感染症予防用忌避剤 | ||
e | 感染症予防用殺鼠剤 | ||
12 | 防腐剤 | a | 木材用防腐剤 |
b | 防腐用フィルター | ||
13 | その他 | a | キャンドル |
b | 乾燥剤 | ||
c | 人工雪スプレー | ||
d | スプレーフィルム | ||
e | 加湿器用生活化学製品 |
義務
安全確認対象とする生活化学製品は、申告類と承認類の二つの種類に分けられます。
申告類生活化学製品は、関連する製品の安全とラベル基準を従い、3年ごとに指定された実験室で関連試験を行い、安全基準に合致するかどうか確認し韓国環境産業技術院(Korea Evironments Industry and Technology Institute、KEITI)に申告する必要があります。
承認類生活化学製品は、製造・輸入前に韓国環境部(MOE)に製品許可を申請し、関連の理化・毒性学データを提出する必要があります。
殺生物剤
定義
殺生物物質:有害生物を除去、無害化又は抑制する機能を有する化学物質、天然物質または微生物
殺生物製品:有害生物の除去などを主な目的として使用される製品(一つ以上の殺生物物質で構成される、または混合物から殺生物物質を生成する製品)
殺生物処理製品:製品の主な目的ではなく、有害生物などの付加的な目的のために殺生物物質を意図的に使用した製品
殺生物製品類型 | |||
1 | 殺菌消毒剤類 | a | 殺菌剤、消毒剤 |
b | 殺藻剤 | ||
2 | 駆除剤類 | a | 殺鼠剤 |
b | その他の脊椎動物除去剤 | ||
c | 殺虫剤 | ||
d | その他の無脊椎動物除去剤 | ||
e | 忌避・誘引剤 | ||
3 | 保存剤類 | a | 製品保存用保存剤 |
b | 製品表面処理用保存剤 | ||
c | 繊維・皮類用保存剤 | ||
d | 木材用保存剤 | ||
e | 建築資材用保存剤 | ||
f | 材料・装備用保存剤 | ||
g | 死体・剥製保存剤 | ||
4 | その他類 | a | 防汚剤 |
義務
適用除外の対象
- 「健康機能食品法」:健康機能食品
- 「軍需品管理法」:軍用品
- 「農薬管理法」:農薬、原剤、農薬活用機資材など
- 「飲料水管理法」:水処理剤
- 「飼料管理法」:飼料、補助飼料
- 「船舶バラスト水管理法」:処理物質
- 「食品衛生法」:食品、食品添加物、器具及び包装
- 「薬事法」:医薬品、動物用医薬品
- 「衛生用品管理法」:衛生用品
- 「医療機器管理法」:医療機器
- 「化粧品法」:化粧品
有効成分
1. 既存有効成分事前申告
猶予期間を得るためには、製造または輸入の前に既存有効成分を事前申告
する必要があります。申告する際に、製品の類型の確認も必要です。製品の類型により最長10年の承認猶予期間が付与されます。承認猶予期間内には、承認を受けなくても既存有効成分を製造または輸入できます。
殺生物物質 | ||||
類型 | グループ1 | グループ2 | グループ3 | グループ4 |
暴露 | 高 | 中 | 中 | 低 |
殺生物製品 | 殺菌剤、消毒剤(日常生活用) | 木材防腐剤 | 製品保存用保存剤 | 繊維・皮類用保存剤 |
殺藻剤 | その他の脊椎動物除去剤 | 製品表面処理用保存剤 | 加工または切削時使用される流体保存剤 | |
殺鼠剤 | その他の無脊椎動物除去剤 | 繊維・皮類・ゴム用保存剤 | 死体・剥製保存剤 | |
殺虫剤 | 防汚剤 | |||
忌避・誘引剤 |
2. 既存有効成分承認
既存有効成分を事前申告した後、環境部指定・告示された猶予期間日から1年以内に物質承認申請計画書を提出しなければなりません。すでに計画書を提出した場合、計画書に従って資料を準備する必要があります。
既存有効成分の製造または輸入を計画している企業は、関連する資料を提出し、環境省から許可を得る必要があります。物質の性質によって、有効成分承認の有効期間は5〜10年です。企業は、有効期間が満了する前に、再度承認を得らなければならなりません。
提出資料は以下の通り:
提出資料 | 共同提出 | 試験 |
申請者の一般情報 | ||
物質識別情報(名称、CAS番号、化学的組成、分子式など) | ● | |
物理・化学的または生物学的特性 | ● | ● |
分類・表示 | ||
用途と暴露情報 | ● | |
原材料と製造工程 | ||
効果・効能 | ● | ● |
毒性学 | ● | ● |
生態毒性学 | ● | ● |
有効成分処理の注意事項と廃棄方法 | ● |
|
国内・外の使用情報と規制情報 | ● | |
安全性に関する総合資料(CSRを含み) | ● | |
有効成分が使用される代表性製品データ必 | ● |
3. 殺生物物質の承認
韓国に殺生物性製品を製造または輸入する企業は、環境省の承認を得る必要があります。その承認の有効期間は3〜10年です。期限が切れた後、殺生物物質製品を製造または輸入する必要がある場合は、再度取得する必要があります。承認を得る企業は、製品の品質を確保するために、法的基準を満たす生産および保管機器を所有するのが必要です。
提出資料は以下の通り:
提出資料 | 共同提出 | 試験 |
申請者の一般情報 |
| |
物質識別情報(名称、CAS番号、化学的組成、分子式など) | ● | |
製品類型 | ● | |
申告番号 |
| |
物理・化学的または生物学的特性 | ● | ● |
用途と暴露情報 | ● | |
人体、動物、環境有害性 | ● | ● |
効果・効能 | ● | ● |
分類・表示 | ● | |
原材料と製造工程 |
| |
取扱い上の注意事項 | ● | |
国内・外の使用情報と規制情報 | ● | |
安全性に関する総合資料 | ● | |
簡略手続を適用する場合、必要な証明資料を提供必要 | ● |
4. 殺生物製品の表示事項
次の内容を製品の包装に表示しなければなりません。
- 製品名
- 製品の類型
- 有効期限
- 重量又は容量
- 効能・効果
- 使用対象者と使用範囲
- 規範用途
- 製造者/輸入者、住所、連絡先
- 幼児保護包装の表示
- 殺生物物質
- ナノ材料の場合、ナノ物質
- その他の化学物質(有害化学物質、重点管理物質)
- 製品有害性(絵文字、注意喚起語など)
- 使用方法
- 使用上の注意事項
- 承認番号
5. 殺生物処理製品
殺生物処理製品には承認を受けた殺生物性製品だけを使用しなければなりません。製品を輸入する場合、使用される殺生物剤製品は、他の国から承認を取得する必要があり、それに表示・ラベルの基準にに準拠するのも必要です。
6. 安全確認対象の生活化学製品
安全基準が告示された安全確認対象になる生活化学製品を製造又は輸入する場合、3年ごとに当局で指定された試験・検査機関で試験・検査申請を行い、該当製品が安全基準に適合しているかどうかの確認を受けます。
安全基準が告示されていない安全確認対象になる生活化学製品を製造または輸入する場合、環境部に該当製品に含有された化学物質に関する資料を提出しなけなければなりません。
- 加湿器消毒剤
- 感染症予防用消毒器・消毒剤
- その他の予防用消毒剤
- 忌避剤
- 衛生殺虫剤
- 衛生防虫剤
- 感染症予防用忌避剤
安全確認対象の生活化学製品を販売し、且つ製品の安全性が承認された場合、製品の包装表面に標準に準拠したラベルを付けなければなりません。
7. 資料保存及び報告
殺生物剤安全確認対象になる生活化学製品を製造又は輸入する場合、2年ごとに(3月31日までに)環境部に製造・輸入量を報告する義務があります。
安全確認対象になる生活化学製品・殺生物製品の名称または殺生物製品:製品名称とトン数、及び製品に含有された優先管理物質と有効成分の名称とトン数
有効成分:製造または輸入する有効成分の名称とトン数
次の情報は10年間を保存すべきです。
- 安全確認対象生活化学製品名の名称、重量または容量、成分及び配合比
- 殺生物製品の名称、重量又は容量
- 殺生物製品に含有された殺生物物質の成分及び配合比
- 殺生物処理製品の名称及び配合比
8. 有効成分申告の簡略化
現在、MOEはEUの殺生物性製品規制(BPR)または米国の「連邦 殺菌・殺虫・殺鼠剤法(FIFRA)」で正式に承認された130の有効成分を発表し、その130の有効成分の申告が一部のデータ提出の免除により簡略化ができ、企業の承認申請ためのコストを大幅に削減することができます。
タイムライン
免除
- 環境部告示された有害性が低い物質
- 研究としてのみ使用
- 試薬、サンプル(上市されず)
- 輸出向け
唯一の代理人
韓国域外の製造者が韓国域内の唯一の代理人(OR)を指名し、2021年1月1日からの物質承認作業の委託が可能になります。
分類 | サービス |
有効成分 |
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殺生物製品 |
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殺生物処理製品 |
|
安全確認対象生活化学製品 |
|
製品類型を消毒剤、殺藻剤、殺鼠剤、殺虫剤、忌避剤として使用する有効成分の場合、承認猶予期間は2022年12月31日までであります。韓国が発表したプロセスが1年半のが必要で、既存有効成分の事前申告と承認計画をできるだけ早く提出し、コンソーシアムに加入し、共同提出に参加します。