台湾、毒性および懸念化学物質表示と安全性データシート管理弁法の改正を発表
Source: CIRS

2022年11月4日、中国台湾の環境保護署(EPA)は「毒性および懸念化学物質表示と安全性データシート管理弁法」の改正版を発表しました。今回の改正では、容器・包装の最小表示寸法規定の追加や、労働省の化学物質表示の規制様式を調整し、毒性及び懸念化学物質などの危険成分の開示方法などを説明しました。

EPAでは、EUなどの国際規制を参考に、容器・包装の表示の寸法を見直し、容積に応じて4つの寸法に区分し、ラベルの最小寸法を紙のA5寸法から半分に縮小しています。毒性および懸念化学物質の製造または輸入に従事する者は、使用者が危険情報を明瞭に読み取ることができるよう、容器・包装の表示の寸法が標準寸法より小さくならないようにする必要があります。面積などの特殊場合は、折りたたみ表示、吊り下げ表示、外装表示を使用しなければなりません。

EPAは、毒性および懸念化学物質をCNS15030に基づきその危害性を区分し、応じる危害性情報を表示しなければなりません。管制濃度以上の毒性および懸念化学物質を含む場合、容器・包装の表示および公告ボードの危険成分には、英語名、CAS番号、危険成分の重量百分比濃度を追加開示し、公告の分類に従って「毒性化学物質」または「懸念化学物質」の文字を追加することとしています。毒性及び懸念化学物質は危険有害性の区分に該当しないと判断されたものについては、今回の改正により、名称、危険成分、警告文またはその他の追加情報、製造者、輸入者或は供給者の名称、住所、電話番号のみを表示することができるようにしました。

また、毒性及び懸念化学物質については、個別物質の公表の規定に従い、警告文等の追加表示を行い、EPAはその特性及び管理目的の違いにより、表示すべき他の文字や絵表示の内容を別途公表する予定です。例えば、笑気ガスは不適切な使用により懸念化学物質として公告されており、警告のために「工業用のみ、吸入禁止」と表示する必要があります。

第3条および第4条の改正は2023年10月31日に施行され(従事する者は1年間の施行猶予期間が与えられる)、その他は公布日に施行される予定です。

 

「毒性および懸念化学物質表示と安全性データシート管理弁法」の改正項目の比較表

改正後の規定

現行の規定*

第3条 毒性および懸念化学物質の容器・包装は、CNS15030で定める分類に適合しなければならず、要項ならびに附表の形式による表示は、下記事項を明確に表示しなければならない:

一、危険図式:直立45度の角度で白地に赤の太枠正方形、中に黒色でシンボルマークをいれる、大きさははっきり識別できる程度。

二、内容

  1. 名称
  2. 危険成分:含有する管制濃度以上の毒性化学物質成分は、中央主管部門が公告する名称(中国語・英語)及びにCAS登録番号に応じて表示し、併せて毒性化学物質等文字および含有化学物質の重量百分比(w/w)を注記する。
  3. 警告文
  4. 危険警告情報
  5. 危険防止措置
  6. 製造者・輸入者あるいは供給者の名称・住所・電話番号。表示について、その毒性および懸念化学物質がCNS15030の分類に属さないため、要件の規定に従って表示できない場合は、名称、危険成分、製造者、輸入者または供給者の名称、住所および電話番号のみを表示すればよい。

容器・包装容積が 100ml 以下のものは、名称・危険図式・警告文のみを表示すればよい。毒性および懸念化学物質の容器・包装には、名称・危険図式・警告文の表示に加えて、毒性化学物質の運用管理事項、懸念化学物質の運用管理事項が規定された表示・警告文または追加情報を提供すべき。

第3条 毒性および懸念化学物質の容器・包装は、CNS15030で定める分類に適合しなければならず、要項ならびに附表の形式による表示は、下記事項を明確に表示しなければならない:

一、危険図式:直立45度の角度で白地に赤の太枠正方形、中に黒色でシンボルマークをいれる、大きさははっきり識別できる程度。

二、内容

  1. 名称
  2. 危険成分:含有する管制濃度以上の毒性化学物質成分は、中央主管部門が公告する名称(中国語・英語)及びにCAS登録番号に応じて表示し、併せて毒性化学物質等文字および含有化学物質の重量百分比(w/w)を注記する。
  3. 警告文
  4. 危険警告情報
  5. 危険防止措置
  6. 製造者・輸入者あるいは供給者の名称・住所・電話番号

表示について、その毒性および懸念化学物質がCNS15030の分類に属さないものは、上記「2」のみで良い。

容器・包装容積が 100ml 以下のものは、名称・危険図式・警告文のみを表示すればよい。

第4条 容器及び包装表示の寸法は、以下の規定に適合しなければならない。

  1. 容積<3L、寸法>52mm×74mm
  2. 3L<容積<50L、寸法>74mm×105mm
  3. 50L<容積<500L、寸法>105mm×148mm
  4. 容積>500L、寸法>148mm×210mm

毒性および懸念化学物質の容器・包装は、面積、形状、材質等の特殊な要因により、前条の規定による表示が困難なため、折りたたみ表示、吊り下げ表示、外装表示などの目立つ方法を用いて容器・包装に貼付することができ、その寸法は前項に制限されない。

第4条 毒性および懸念化学物質の容器・包装は、面積、形状、材質等の特殊な要因により、前条の規定による表示が困難なため、折りたたみ表示、吊り下げ表示、外装表示などの目立つ方法を用いて容器包装に貼付することができる。

第9条 毒性および懸念化学物質の作業所及び施設は、見え易い箇所に公告ボードを設置しなければならない、第3条第1項及び第4項に規定する危険図式、名称、危険成分、警告文、危険警告情報、危険防止措置及び警告文あるいは補足情報をまとめなければならない。

同一作業所で複数の毒性及び懸念化学物質を取り扱う者は、同一公告ボードに各種内容を表示できる。前項危険警告情報及び危険防止措置の内容が同様の時は一括して記載できる。

前2項に基づき作業所・施設に設置される公告ボード及びその表示することは、同一内容であれば他の法令と併用すばよい。

第9条 毒性および懸念化学物質の作業所及び施設は、次の事項を表示した公告ボードを作成し、見え易い箇所に設置しなければならない。

  1. 本法により中央主管機関が公告した危険有害性を有する懸念化学物質の作業所及び施設:第3条第1項に定める危険図式、名称、危険成分、警告文、危険警告情報及び危険防止措置。
  2. 懸念化学物質の作業所及び施設:第 3 条第 1 項規定の危険図式・名称・危険成分および警告文。同一作業所で複数の毒性及び懸念化学物質を取り扱う者は、同一公告ボードに各種内容を表示できる;前項危険警告情報及び危険防止措置の内容が同様の時は一括して記載できる。前2項に基づき作業所・施設に設置される公告ボード及びその表示することは、同一内容であれば他の法令と併用すばよい。

第10条 毒性および懸念化学物質の作業所及び施設は、以下のいずれかに該当する場合は、前条の規定による表示を免除されるものとする。

  1. 本法の規定により毒性および懸念化学物質の一時保管場所の廃却を申請する場合。
  2. 毒性および懸念化学物質の海上・航空での一時保管を行う倉庫に、「危険品倉庫」と表示された場合。
  3. 実験・研究・教育目的のみで、かつ区分された操作量より少ない操作量の場合、操作所の出入口ごとに「毒性化学物質の作業所」、「懸念化学物質の作業所」あるいは「毒性および懸念化学物質」の作業所と表示された場合。

第10条 毒性および懸念化学物質の作業所及び施設は、以下のいずれかに該当する場合は、前条の規定による表示を免除されるものとする。

  1. 本法の規定により毒性および懸念化学物質の一時保管場所の廃却を申請する場合。
  2. 毒性および懸念化学物質の海上・航空での一時保管を行う倉庫に、「危険品倉庫」と表示された場合。
  3. 実験・研究・教育目的のみで、かつ区分された操作量より少ない操作量の場合、操作所の出入口ごとに「毒性および懸念化学物質の作業所」と表示された場合。

第14条 毒性および懸念化学物質で混合物を作成する時は、混合後の毒性の危険性に基づき、SDS を作成し、同時に表示しなければならない。その場合、主要成分の化学名称を列挙しなければならず、その毒性危険性の判定は下記の通り。

  1. 既に総体テスト済みのものは、総体テストの結果に基づく。
  2. 総体テストの済んでいないものは、その健康危険性および環境危険性、科学資料の証拠の他に、CNS15030化学品分類に基づき分類し、この混合物の分類標準規定も表示しなければならない;燃焼・爆発および反応性など物理的危険性に対しては、科学的根拠の資料を用い、その物理的危険性を予測しなければならない。

第14条 毒性および懸念化学物質で混合物を作成する時は、混合後の毒性の危険性に基づき、SDS を作成し、同時に表示しなければならない。その場合、主要成分の化学名称を列挙しなければならず、その毒性危険性の判定は下記の通り。

  1. 既に総体テスト済みのものは、総体テストの結果に基づく。
  2. 総体テストの済んでいないものは、その健康危険性および環境危険性、科学資料の証拠の他に、CNS15030化学品分類に基づき分類し、この混合物の分類標準規定も表示しなければならない;燃焼・爆発および反応性など物理的危険性に対しては、科学的根拠の資料を用い、その物理的危険性を予測しなければならない。

*規定翻訳の参考リンクはこちら