残留性有機汚染物質（Persistent Organic Pollutants、以下POPs）とは、「動植物の体内または自然環境中に長期にわたって存在・蓄積し、循環して人間に有害な化学物質」と定義されています。これらは、難分解性、生物蓄積性、半揮発性、高毒性という特性を持つ、天然または人工的に合成された有機汚染物質の総称です。具体的には、殺生物剤（例：DDT）、工業用化学物質（例：PCB）、および工業プロセスで意図せずに生成される副産物（例：ダイオキシン、フラン）などが含まれます。これらの化学物質は、大気、水、生物などの様々な環境媒体を介して長距離移動し、国境を越えて、過去に使用されたり生産されたりしたことのない地域にさえ到達する可能性があり、地球規模で人の健康や生態系に深刻な被害をもたらします。

POPsの管理はますます重視されており、国際的には2001年5月22日に「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」という国際条約が採択されました。この条約は、POPsの危険から人の健康と環境を保護することを目的としています。欧州連合（EU）はこの条約の締約国であり、条約の規定を遵守する義務があります。この要件に基づき、2004年4月に最初のPOPs規則である(EC) 850/2004がEUに公布され、その後2019年6月25日には新しいPOPs規則である(EU) 2019/1021も公布されました。この新規則は2019年7月15日に発効しております。

2023年8月8日には、欧州委員会がEUの残留性有機汚染物質（POPs）規則(EU) 2019/1021の改正法規(EU) 2023/1608を公布し、PFHxS（ペルフルオロヘキサンスルホン酸）とその塩および関連物質をEU POPs規則附属書Iに正式に追加することを決定しました（最新のPOPs関連情報については、「残留性有機汚染物質（POPs）関連情報」をご覧ください）。

この規則は、ストックホルム条約の付属書に掲載されている物質が管理されており、その主な目的は以下の通りです。
　•　POPsの生産、上市、および使用を禁止または厳しく制限すること。
　•　工業副産物として生成されるPOPsの環境への排出を最小限に抑えること。
　•　制限されているPOPsの安全な保管管理を確実にすること。
　•　POPsで構成される、またはPOPsによって汚染された廃棄物を環境上健全な方法で処分することを確実にすること。

EU POPs規則に基づく禁止物質リスト、以下の通り：

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