GHSサービスの紹介
GHSは『化学品の分類および表示に関する世界調和システム』(Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals)の略称で、2002年12月に国連危険物輸送ならびに化学品の分類および表示に関する世界調和システムに関する専門家委員会に勧告として採択されたものです。GHS文書は実施経験や試験技術の発達などを踏まえて、2年に一度改訂されています。
主な内容
GHSのグローバル実施状況
EU、日本、韓国、中国、ブラジルなど世界の主要な国や地域ではすでにGHSが実施されているほか、アメリカやカナダもGHS制度が統一されることになります。アメリカの場合、2015年6月1日からすべてのSDSとラベルがアメリカのOSHAで規定された基準に準拠しなければなりません。これによって、世界での主な工業国がGHSを実施していることになりました。同じくGHS制度を実施しているとは言って、国や地域ごとに要求事項があります。例えば、言語や法規制の細かいところなどが異なりますので、それぞれの国や地域に合わせて対応すべきです。企業はCIRSが提供しているグローバルGHS分類検索ツールを使って無料で検索することが出来ます。
中国のGHS実施状況について
現在、中国はGHSを全面実施しています。最新の分類基準はUN GHS改訂4版に準拠し、28項目の分類を全部に採用しています。16項目の物理・化学的危険有害性区分、10項目の健康有害性区分、2項目の環境有害性区分を含み、対応ファイルはGB 30000.2-2013からGB30000.29-2013までで、2014年11月1日より正式に実施されました。
企業の責務
企業にとって、中国GHSに対応するために、最も重要な責務は次にあります:
1) GHS基準に準拠した危険化学品の登記および更新
「危険化学品安全管理条例」によって、危険化学品を製造および輸入する企業は危険化学品の登記をしなければなりません。危険化学品の登記は次の内容を含みます:分類とラベル情報、物理・化学的な性質、主な用途、危険特性、貯蔵・使用・輸送の安全要件、緊急状況の応急処置。
2) GHS基準に準拠した安全データシートとラベルの提供
グローバルGHSに対応するための主な義務:地域の言語及び法規制に準拠するSDSとラベル
SDSサービスの紹介
SDSは「Safety Data Sheet」の略称で、「安全データシート」のことです。化学品の組成成分、物理化学的性質、爆発性、引火性、毒性、環境有害性のほか、取扱方法、貯蔵方法、ばく露した際の応急措置、輸送法規制の要求などの情報に関する総合的な文書で、また、世界各国の法規制を基づいて化学品の情報を伝達する資料の一つとなっています。
どんな場合にSDSを提供する必要がありますか?
企業の製品が危険化学品名録に収載されていたり、GHSの分類に基づいて危険性があると判定される場合には、SDSを積極的に提供する必要があります。また、これらの条件を満たしていなく、輸入業者が自発的に提供を求めてきたり、業界内で物質分類ラベルがより厳しい場合にも、SDSをサプライチェーンに伝達する必要があります。
どんな場合にSDSの更新が必要ですか?
以下の状況であれば、SDSの更新が必要となります:
- 物質への認識が深まるにつれ、企業はより多くの物理、化学、毒性、生態毒性の情報を得たことによって、分類やラベルが変更される場合
- いくつかの国や地域では、規制の実施に移行期間があります。移行期間前にはSDSの物質危害情報記述の部分を更新する必要がある場合
- EU-REACH登録ずみであれば、SDSは(e)SDS (Extended Safety Data Sheet)へと更新され、化学品安全性報告書(CSR)のばく露シナリオアーティクルを添付ファイルとして(e)SDSに加える必要がある場合。
(e)SDSについて
REACH法規制第31条第7項によると、登録済みの物質はサプライチェーンの情報伝達において、登録番号を加えるほか、SDSまたは(e)SDSを更新しなければなりません。登録トン数が10トン/年を超える場合、且つR危害分類に判定された物質はEACH登録後、(e)SDSを作成し、川下の輸入業者に伝達しなければなりません。(e)SDSすなわちextended SDSは、従来の16項目に加え、登録された物質の個々の用途あるいは一群の用途に関するばく露シナリオ、ばく露濃度計算、リスク管理措置が追加されています。また、登録番号は必ず(e)SDSに記載されなければなりません。(e)SDSが必要ない物質についても、登録済み後にばく露シナリオを提供しない理由をSDSで記載すべきです。
比較と分析
- SDSとMSDS:EUと国際標準化機構(ISO) 11014ではSDS用語が使われています。ですがオーストラリアや多くのアジアの国では、SDSはMSDS (Material Safety Data Sheet)とも呼ばれています。両者がサプライチェーン上で果たす役割は完全に一致しており、わずかな内容に違いがあるだけです。GHSを採用した後、アメリカやカナダをはじめとする多くの国でSDS用語が採用されたため、今後もSDSに統一されることになります。
- 分類の比較:国連GHSとEU CLP法規制は全部で28項の危険分類があります。中国のGHSも28項目ですが、新たに吸入性危害とオゾン層への有害性を加えました。アメリカのHCS分類は26項目で、水環境への有害性とオゾン層への有害性を含まれていませんが、元の基準を基づいき、単純窒息剤、可燃性粉塵と自然発火性ガスなどのGHSに含まれていない3つの有害性がカバーされています:この3つの分類が該当する有害物質もSDSとラベルが必要です。
- SDSの内容比較:EUと中国は同じく国連の16部分の内容を採用していますが、言語の要求のほかに、内容のフォーマットにも異なっている具体的な要求があります。例えば緊急電話、組成秘密保持要求、SDS各項目の内容要求、法規制の情報など。
- ラベルの比較:中国GHSのラベルの要求はEU CLP、アメリカHCSと比べて、多く特殊な規定があります。例えば、組版の順序や位置、緊急電話、参照提示語、サイズ、色など。
当社のサービス
- EU-REACHCLP-REGULATION (EC) No 1272/2008
- 中国GHS-GB/T 17519-2013&GB/T16483-2008
- 日本GHS- JIS Z 7252:2019/JIS Z 7253:2019
- 日韓GHS-MOEL No.2023-9
- 台湾GHS-CNS 15030
- アメリカGHS- Hazcom 2012
- カナダGHS- WHMIS 2015
- トルコGHS- SEA No. 28848/ SEA No. 29204
- ブラジルGHS- NBR 14725::2023
- メキシコGHS- NMX-R-019-SCFI-2011/NOM -018 -STPS -2015
- マレーシアGHS- CLASS Regulations 2013/ICOP 2019
- タイGHS- B.E. 2555
- インドネシアGHS- Regulation No. 23/M-IND/PER/4/2013 & Order No. 04/BIM/PER/1/2014
- ベトナムCircular No. 04/2012/TT-BCT & Decree No. 43/201/ND-CP & Circular No. 32/2017/TT-BCT
- シンガポールSS586: 2021
- オーストラリアWHS Regulations 2022
- ニュージーランドHazardous Substances (Hazard Classification) Notice 2020 & Hazardous Substances (Safety Data Sheets) Notice 2017 & Hazardous Substances (Labelling) Notice 2017
- その他の国や地域のGHS作成:ロシア、東南アジア、湾岸地域、フィリピン、中東など
- SDS/MSDSの翻訳(EU加盟国の言語を含む複数の言語に対応出来ます)
- SDS/MSDSの更新
- 既存SDS/MSDS/ラベル審査
- GHS規制トレーニング
- 24時間緊急電話代行サービス