シンガポールは2023年2月6日に、「危険化学品および危険貨物の危険表示に関する規格」SS 586の改訂版を正式に発表した。これにはSS 586-2:2022とSS 586-3:2022が含まれている。この改訂により、シンガポールのGHS標準は、国連の第4改訂版から第7改訂版へと更新され、企業には2年間の移行期間が与えられた。この移行期間は2025年2月6日に正式に終了した。主な更新内容は以下の通り：

1.危害分類の調整

可燃性ガスの分類の詳細化：「発火性ガス」の新しいサブカテゴリが追加され、可燃性ガスカテゴリ1が1Aと1Bにさらに細分化された。

鈍感化爆発物の分類：「鈍感化爆発物」という新しい物理的危害カテゴリが導入された。

可燃性液体：可燃性液体カテゴリ4は採用しないが、企業はシンガポールの国家消防局に相談して関連情報を得ることができる。

2.通用臨界値（Generic Cut-off Value）の調整

急性毒性（カテゴリ1-4）の通用臨界値は統一して1%に調整された。

吸入危害カテゴリ1の新たな通用臨界値として1%が追加された。

3.SDS開示限界値の調整

急性毒性（カテゴリ1-4）および吸入危害のSDS開示限界値は、共に≥1%に調整された。

4.小型容器のラベル要求

小型容器（容量≤125mL）の化学品は、簡易ラベルを使用できる。新たに追加された付録Bでは、小型容器の化学品ラベルの具体的な例が提供されている。

5.SDS作成要求の更新

ナノ材料は、SDSの第3セッションに明確に表示する必要がある。

第7セッションには、可燃性粉塵の危険性を持つ物質や混合物の安全な取り扱いと保管方法を含めるべき。

第9セッションには、動粘度と粒子特性が新たに追加された。

国連のGHS第7改訂版の付属書DとEが新たに追加され、基本的な物理化学的性質と安全特性についての説明が追加された。 

2025年GHS重要な更新に対応するため、企業は一連の対応措置を採取する必要がある。コンプライアンスを確保し、潜在的なリスクを低減する。

• 企業は、グローバルGHS規制の最新動向をタイムリーに把握できるように、専門の法規追跡メカニズムを確立する。
• ラベルとSDSを適時に更新し、情報が正確でコンプライアンスに準拠していることを確保する。
• サプライチェーン管理を強化し、サプライヤーと協力して、原材料と製品が最新の規制要件に準拠していることを確保する（特に危険性分類とラベルの作成）。
• 従業員に新しい規制に関する研修を行い、化学品の分類、ラベル、SDSの最新要件を理解してもらう。