UN GHS
Source: CIRS

GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)とは、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」というものです。化学品の危険有害性(ハザード)ごとに分類基準及びラベルや安全データシートの内容を調和させ、世界的に統一されたルールとして提供するものです。国、地域および世界的な範囲で化学品の法律や規則の調和の基礎となり、国際貿易の促進にも役に立ちます。欧州連合以外、アメリカ、中国、日本、韓国など世界主要国家と地域はもう次第にGHSを施行しています。

GHSの初版が2003年に発布され、2年ごとに1度改訂されます。2015年に改訂第6版を発布されました。改訂第5版に対する以下の変更点があります。

  • 鈍感化爆発物に関する新しい危険クラスおよび自然発火性ガスに関する新しい危険性区分の追加
  • いくつかの危険有害性クラス(爆発物、単回ばく露による特定標的臓器毒性、吸引性呼吸器有害性および水生環境有害性)に関する判断基準を明確にするためのさまざまな規定
  • 安全データシート(9節)に含まれる追加情報
  • 改訂され、合理化された注意書き
  • 小さな包装用ラベルの新しい例(付属書7)の追加

GHS改訂第6版により、物理化学的危険性、健康に対する有害性および環境に対する有害性という三つの種類に分類されます。

 物理化学的危険性

(17分類)

1.爆発物、2.可燃性/引火性ガス、3.エアゾール、4.支燃性/酸化性ガス、5.高圧ガス、6.引火性液体、7.可燃性固体、8.自己反応性物質および混合物、9.自然発火性液体、10.自然発火性固体、11.自己発熱性物質および混合物、12.水反応可燃性物質および混合物、13.酸化性液体、14.酸化性固体、15.有機過酸化物、16.金属腐食性物質、17.鈍感化爆発物

健康に対する有害性

(10分類)

18.急性毒性、19.皮膚腐食性/刺激性、20.眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性、21.呼吸器感作性または皮膚感作性、22.生殖細胞変異原性、23.発がん性、24.生殖毒性、25.特定標的臓器毒性(単回ばく露)、26.特定標的臓器毒性(反復ばく露)、27.吸引性呼吸器有害性

環境に対する有害性

(2分類)

28.水生環境有害性、29.オゾン層への有害性

例 引火性液体の判定基準

区分

判定基準

コードおよび危険有害性情報

1

引火点< 23℃および初留点≦35

H224極めて引火性の高い液体および蒸気

2

引火点< 23℃および初留点>35

H225引火性の高い液体および蒸気

3

引火点≧23℃および≦60

H226引火性液体および蒸気

4

引火点> 60℃および≦93

H227可燃性液体

危険有害性情報とは、危険有害性クラスおよび危険有害性区分に割り当てられた文言であり、危険有害な製品の危険有害性の性質を、該当する程度も含めて記述する文言をいいます。危険有害性情報のコードは参照するためのものです。

ラベル

GHS ラベルに必要な情報

  • 製品特定名
  • 供給者の特定
  • 注意喚起語
  • 注意書きおよび絵表示
  • 危険有害性情報
  • 追加情報 ほかの法規や規則が指定される追加情報

GHSの各国への導入にあたっては、各国は自国の状況を踏まえながら国内法制化を行うため、対象範囲や対応時期は各国で異なっている状況です。

安全データシート(SDS)

危険有害性に関する情報の伝達としての安全データシート(SDS)は、作業場の化学品管理規則の枠組みの中で使用するために、物質または混合物に関する包括的な情報を提供します。なお、上市する国の公用語で記載されなければなりません。

SDSの情報には次の16項目を要求される。

1. 物質または混合物および会社情報
2. 危険有害性の要約
3. 組成および成分情報
4. 応急措置
5. 火災時の措置
6. 漏出時の措置
7. 取扱いおよび保管上の注意
8. ばく露防止および保護措置
9. 物理的および化学的性質
10. 安定性および反応性
11. 有害性情報
12. 環境影響情報
13. 廃棄上の注意
14. 輸送上の注意
15. 適用法令
16. その他の情報

移行期間

物質と混合物に対する移行期間が国によって違います。該当移行期間の後、GHSラベルおよびSDSを提供しなければなりません。

国・地域

発効日

EU

201561(物質および混合物)

韓国

物質  201071 (MOEL)2011630日(MOE

混合物201371(MOEL)2013630日(MOE

南アフリカ

物質  3年間(2012

混合物 7年間(2016

ベトナム

物質  2014330

混合物 2016330

オーストラリア

20171231日(物質および混合物)

シンガポール

単一物質 2010年末

混合物  2012年末

インドネシア

物質  2010324

混合物 20161231

タイ

物質  2013312

混合物 2017312

CIRSはグローバルな化学品関連法規のコンサルティング、認証及び第三者試験機関として、EUおよびアジアで強い影響力を持ち、化学品法規コンサルティング、化学品登録、GHS対応などの専門的、長期的且つ全面的なサービスを提供いたします。中国、日本、韓国、台湾、マレーシアおよびフィリピンなどの国又は地域の企業にワンストップサービスの提供により、お客様をサポートしております。