2024年11月20日、EUは改正版「物質及び混合物の分類、表示及び包装に関する規則」(CLP規則、EU規則2024/2865)を公布し、2024年12月10日に発効した。主な改正内容は以下の通り:
1. 新規有害性分類の導入
内分泌かく乱物質(EDCs)
残留性・生物蓄積性・毒性物質(PBT)
高残留性・高生物蓄積性物質(vPvB)
新規追加分類:
残留性・移動性・毒性物質(PMT)
高残留性・高移動性物質(vPvM)
2. 分類基準の改定
多成分含有物質(substances containing more than one constituent- MOCS)の分類基準を明確化:
物質全体のデータが不足している場合、混合物の分類方法を適用して評価可能。
MOCSの危険性分類について、既知成分の情報と物質自体のデータの両方を考慮すべき。
3. ラベル要件の改正
数字ラベルと折りたたみラベルが導入され、より柔軟なラベル使用方法が可能になった
ラベル様式の要件を更新(文字サイズ・行間隔等を含む)。
内包装のラベルに関しては、最小限の情報要件が4つの要素(ピクトグラム、製品識別子、サプライヤー名、電話番号)から5つの要素に増加し、新たにシグナルワードが追加された。
4.オンライン販売と広告の要件
オンラインショップは、消費者を保護するために、そのウェブサイトで化学品の危険性を明確に表示すべき。
すべての危険化学品の広告には、ピクトグラム、シグナルワード、危険説明、および補足的なEU危険説明(EUH)を含める必要があり、また「無毒」「無害」などの非危険性を示唆する用語の使用は禁止。
5.補足情報
ガソリンスタンドや包装されていない化学品の供給に対して、具体的なラベルと包装の規則が導入した。
EUの持続可能な発展のため、自動給油所での化学品の販売に関する規則が明確した。
6.毒理センターへの申告要件
もし流通業者が他の加盟国で危険混合物をさらに流通させたり、再包装や再ラベルを行ったりする場合、緊急時の健康対応情報を提出べき。
7. 施行スケジュール
大部分の新規則:2026年7月1日から適用開始
一部のラベル様式要件:2027年1月1日から適用開始
8.既存製品の取り扱い
市場流通済みの化学品:新規分類・ラベルの再作成は不要。
しかし、関連する新規則および市場投入時期に基づいて、一部の化学品は2028年7月1日まで、また一部は2029年1月1日までサプライチェーン上で流通を続ける。
9.新規有害性分類の特別措置
物質(単一成分):
2025年5月1日以降、新基準に基づく分類・ラベルが義務化
既に市場流通中の物質は、2026年11月1日までにラベル更新を完了
2025年GHS重要な更新に対応するため、企業は一連の対応措置を採取する必要がある。コンプライアンスを確保し、潜在的なリスクを低減する。
- 企業は、グローバルGHS規制の最新動向をタイムリーに把握できるように、専門の法規追跡メカニズムを確立する。
- ラベルとSDSを適時に更新し、情報が正確でコンプライアンスに準拠していることを確保する。
- サプライチェーン管理を強化し、サプライヤーと協力して、原材料と製品が最新の規制要件に準拠していることを確保する(特に危険性分類とラベルの作成)。
- 従業員に新しい規制に関する研修を行い、化学品の分類、ラベル、SDSの最新要件を理解してもらう。
