3月1日から、長江流域での劇毒化学品輸送が完全禁止!
Source: CIRS

「中華人民共和国長江保護法」(下記「保護法」と略称)は2021年3月1日から施行することになりました。 「保護法」は総則、計画と管理、資源保護、水汚染の防治、生態環境の修復、グリーン開発、保護と監督、法的責任と附則、総計9章96条項で構成されています。

本法律で言及されている長江流域とは、長江主流、支流及び湖によって形成された集水区域で、江西省、安徽省、江蘇省、上海市、広東省、浙江省などの関連する県級行政区域を指します。

「保護法」第五十一条第二項は、「長江流域において、劇毒化学品や国家により内陸河川での輸送が禁じられている危険化学品を輸送するのを禁止する」ことを規定しました。

「危険化学品安全管理条例」及び「内河禁運危険化学品目録」により、上記の輸送禁止化学品は:

1.「危険化学品目録」(2015年)に収載されている劇毒化学品(備考に劇毒と標記)

2.「危険化学品目録」(2015年) の劇毒判断原則に満たす化学品

3.「内河禁運危険化学品目録」(2019年)により内陸河川での輸送が禁じられている危険化学品(228種類の完全輸送禁止及び85種類のバルク輸送禁止危険化学品)

混合物の判定原則

1. GB 30000.18-2013により劇毒化学品だと判断される混合物は輸送禁止されます。

2. 「内河禁運危険化学品目録」(2019年)の完全輸送禁止化学品判定原則により、輸送禁止成分が含まれる混合物は下記いずれに満たす場合、完全輸送禁止貨物として管理します。

a. 不安定な爆発物

b. 塩素酸アンモニウム(CAS:10192-29-7)、濃度> 72%の過塩素酸(CAS:7601-90-3)、亜硝酸メチル(CAS:624-91-9)、亜硝酸アンモニウム亜鉛(CAS:63885-01-8)、可燃物含量≦0.2%の硝酸アンモニウム(CAS:6484-52-2)が含まれる

c. GHS危険有害性「水性環境有害性-急性」区分1(H400)、或は「水性環境有害性-慢性」区分1(H410)

罰則

「保護法」の規定に違反して、長江流域において、劇毒化学品及び内陸河川での輸送が禁じられている危険化学品を輸送した場合、「保護法」第九十条規定により、県級以上の人民政府の交通運輸主管部門或は海事管理機関が是正命令を出し、違法所得を没収し、合わせて20~200万元の罰金を科す。直接責任を負う主管者及びその他の直接責任者に対しては5~10万元の罰金を科す。状況が深刻な場合、事業停止を命じる是正措置を出すか、当該免許を取り消します。

今上海海事局は「保護法」を確実に実施するため、上海港の各海運会社に非常に重要視するように要求しています。2021年3月1日から劇毒化学品及び内陸河川での輸送が禁じられている危険化学品を乗せた船舶は長江上海流域に出入り、通過禁止です。それに、長江上海流域のすべての港、主に浦東海事局、崇明海事局、呉淞海事局、宝山海事局の管轄範囲内の関連港は、劇毒化学品を積み下ろし禁止です。