2023年6月28日、HSEの公式ウェブサイトに、UK REACH 2023 No.722が掲載され、UK REACH登録の移行規定が従来通り3年間延長され、2023年7月19日に正式に施行されることが発表されました。すなわち、2023年7月19日から、異なるトン数の物質の登録書類の提出日が、それぞれ2026年10月、2028年10月、2030年10月に延長されています(以下、「新猶予期間」という)。
UK REACHとは?
UK-REACH 規則(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)は、英国における化学物質規制の主要な法規制の一つで、英国で製造、販売、輸入、流通する化学物質はUK REACHの対象となりますが、北アイルランドでは引き続きEU REACH規則が適用されています。UK-REACHに従い、英国で製造または輸入される化学物質について、その危険有害性、用途、ばく露などの情報をHSE(The Health and Safety Executive、安全衛生庁)に登録することが義務付けられています。 登録情報は、HSEが規制目的で使用するほか、登録者が自社およびサプライチェーンの川下ユーザーに対して適切なリスク管理策を講じるするために使用することもできます。
UK-REACHには、EU REACHから新体制に移行する際の業界の混乱を最小限に抑えるための移行規定が含まれています。これらの規定により、最初の「申告」データを提出することによって企業が取引を継続することが保証され、その後、完全な登録データの提出を要求します。改正規則発効(2023年7月19日)後の移行登録手続き完了期限は以下の通り:
- 2026年10月:UK-REACH 発効前(2020年12月31日)に EU の SVHC リストに既に収載されていた物質、年間製造量・輸入量 1 トンを超えたCMR 物質、年間製造量・輸入量100 トンを超えた強い水生毒性(急性/慢性)物質、および年間製造量・輸入量1,000トンを超えたすべての物質。
- 2028年10月:上記提出期限までに(2026年10月27日)UK SVHCリストに追加された物質、および年間製造量・輸入量100トンを超えたすべての物質。
- 2030年10月:年間製造量・輸入量1トンを超えたすべての物質。
2023 No.722 改正規則の主要内容
1、改正の目的
- 登録者がHSEに完全なデータ情報を提出するための緩衝期間を延長し、英国政府が新たな移行登録モデルを開発・導入するための十分な時間を提供しようとします。
- HSEによるコンプライアンス審査の日程を改正します。
2、適用範囲
イングランド、ウェールズ、スコットランド。
3、改正内容
- Article 127P(4B)の「I relevant post-IP completion period」の定義が改正され、2023年10月、2025年10月、2027年10月から、それぞれ2026年10月、2028年10月、2028年10月に延長されました。
- HSEがコンプライアンス審査を実施する期間が延長されました。HSEは、対応する3つの期限の後、2027年10月27日、2030年10月27日、2035年10月27日までに、一式文書の20%のコンプライアンス審査を完了する必要があることが明確化されました。
CIRSの考え
英国における化学物質管理の情報に注意をかけ、物質が英国のSVHCリストに掲載されている場合、登録期限が早まる可能性があります。
参考リンク: