EU化粧品法規に付属書III第323条を追加ーーo−メチルアミノ安息香酸メチルの使用制限要件を明確
Source: CIRS

2022年2月1日、EU委員会は公式公報(EU)2022/135を発表し、(EC)No 1223/2009付属書IIIを改訂し、第323条を追加し、o−メチルアミノ安息香酸メチルの使用制限要求を明確にしました。

この条項は2022年2月21日から発効し、新条項要件に合致しない化粧品は2022年8月21日からEU市場に上市してはならず、2022年11月21日からEU市場で生産してはなりません。

o-アミノ安息香酸メチル(英語名Methyl-N-methylanthranilate(M-N-MA)、CAS番号85-91-6)は、香水、シャンプー、その他の化粧品を含む様々な化粧品に使用できる日用香精成分です。

消費者安全科学委員会(SCCS)は2011年12月13日から14日までの全体会議で通過された意見(SCCS/1455/11)によると、リンス類製品に0.2%までの濃度のM-N-MAを使用することは安全問題がないと結論づけました。しかし、M−N−MAは光毒性があることとさらに指摘され、M−N−MAは大部分の常駐化粧品において0.1%の使用量で安全であるにもかかわらず、日焼け止め製品、日光ケア製品、または人体の光線部位への曝露に用いられる製品(香水を含む)における安全リスクが排除できません。

2012年3月27日の全体会議で、SCCSはニトロソアミン及び二級アミンに関する意見を採択しました(SCCS/1458/11)。この意見において、SCCSは、二級アミンをニトロソ化剤と一緒に使用すべきではなく、原料中のニトロソアミン含有量は50μg/kg以下であり、亜硝酸塩処理されていない原料容器に保管すべきであると結論しました。 M−N−MAは2級アミンであり、この意見が適用されます。

2020年10月16日、SCCSのM-N-MAに関する意見(SCCS/1616/20)では、M-N-MAは日焼け止め製品や自然または人工のUV光にさらされる製品に使用すべきではないと指摘されています。その他の化粧品については、SCCSは、常駐類製品およびリンス類製品におけるM-N-MAの安全使用濃度を最高0.1%および0.2%と考えています。

上記の意見と提案に基づき、EU委員会はM-N-MAを化粧品使用制限物質として規制することを決定しました。EU化粧品法規に付属書III第323条項が追加され、2022年2月21日から発効し、新条項の要求に合致しない化粧品は2022年8月21日からEU市場に上市できず、2022年11月21日からEU市場で生産できません。メチルアミノ安息香酸メチルエステルの具体的な使用制限条件は以下の通りです。

  • 常駐類製品では最大許容使用濃度は0.1%、リンス類製品では最大許容使用濃度は0.2%です。
  • 日焼け止め製品および自然または人工UV光にさらされる製品への使用は禁止されています。
  • ニトロソ化剤との併用を禁止します。ニトロソアミンの最大含有量は50μg/kgです。亜硝酸塩を含まない容器に保存します。

o−メチルアミノ安息香酸メチルは中国使用済み化粧品原料リストに収載されていません。

 

参照リンク:

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32022R0135