
2025年11月19日、欧州消費者安全科学委員会(SCCS)は、化粧品中の防腐剤として使用されるチメロサール(Thiomersal、CAS番号:54-64-8)およびフェニル水銀化合物の塩類(フェニル水銀ホウ酸塩を含む)(CAS番号:62-38-4, 94-43-9)に関する科学的意見の初稿(SCCS/1686/25)を公表しました。本意見に対する意見募集の締切日は2026年1月21日です。
SCCSによる結論:
最も敏感な毒性エンドポイントである腎毒性に基づいて算出された安全余裕(MoS)が100を下回っていること、ならびに遺伝毒性に関するエビデンスが現時点では明確ではないことを踏まえ、SCCSは、現在の眼部用化粧品における許容使用濃度において、チメロサールおよびフェニル水銀塩類(フェニル水銀ホウ酸塩を含む)の使用は安全ではないとの見解を示しました。
潜在的なヒト健康リスクの観点から見ると、チメロサールおよびフェニル水銀の塩類(フェニル水銀ホウ酸塩を含む)を含有する眼部用化粧品の使用による影響よりも、化粧品以外の経路を通じた水銀化合物へのばく露によるリスクの方が、今後さらに深刻化する可能性があるとSCCSは指摘しています。
チメロサールおよびフェニル水銀塩類(フェニル水銀ホウ酸塩等)の解説
チメロサールおよびフェニル水銀の塩類(フェニル水銀ホウ酸塩を含む)は、現在、EU化粧品規則における使用可能な防腐剤リストに収載されています。使用は眼部用化粧品に限定で、最大許容濃度は0.007%(Hg換算)です。また、ラベルにはそれぞれ「チメロサール含有」または「フェニル水銀化合物含有」と表示する義務があります。中国においても、これらの成分は「中国既使用化粧品原料目録Ⅰ(IECICⅠ)」および「使用可能な防腐剤リスト」に収載されています。
