2024年2月、上海市応急管理局と上海市交通委員会は共同で「『一企業、一製品、一コード』に基づく危険化学品の出入庫および危険貨物の積み卸しの情報化管理を推進するための通知」を発行し、上海市内の危険化学品企業は2024年12月31日までに、危険化学品のコード付与と動的入出庫システムの構築または改造を完了することを要求しました。2024年4月1日、北京市の「危険化学品全過程管理技術規範」(DB11/T 2196-2023)が正式に施行され、北京市の多くの地区の企業は危険化学品追跡コードの申請と貼付を開始するよう求められています。
上海と北京の危険化学品追跡コード政策は、危険化学品の「一企業、一製品、一コード」という中国試験作業のアップグレードと考えられ、国内外の多くの危険化学品企業のコンプライアンスに大きな課題をもたらしています。CIRSは、上海と北京の危険化学品追跡コード政策の違いを以下のように比較します(北京が発行した具体的な文書を基準にする)。
法規制根拠及びガイドライン
北京 | 上海 |
「北京市労働安全条例」第46条 本市は、危険化学品の特別貯蔵、統一配達、集中販売の実施を推奨し、危険化学品集中管理システムの構築を推進し、教育・衛生・スポーツ・科学技術などの産業分野における危険化学品使用の安全管理を強化し、生産・経営単位が本市の危険化学品情報プラットフォームを通じて危険化学品の取引活動を行うことを推奨し、危険化学品の全過程追跡を実現する。 | 「上海市危険化学品安全管理弁法」第19条(出入庫の情報化) 危険化学品を生産、貯蔵する企業、危険化学品使用安全許可を取得した企業、および劇毒化学品、爆発性危険化学品を貯蔵するその他の企業は、電子ラベルなどの自動識別技術を採用し、危険化学品の出入庫情報の動的管理を実現する。 危険化学品安全監督部門は、規制のニーズに応じて、危険化学品の在庫と出入庫に関する情報をリアルタイムで入手することができる。 |
「危険化学品全過程追跡管理技術規範」 (DB11/T 2196-2023) 「北京市危険化学品集中管理体系情報プラットフォームのユーザー取扱説明書(企業向け)」 | 「上海市応急管理局・上海市交通委員会『一企業、一製品、一コード』に基づく危険化学品の出入庫および危険貨物の積み卸しの情報化管理を推進するための通知」 DB31/T 1250 「危険化学品安全情報化監督技術規範 危険化学品追跡コード」 「上海市危険化学品出入庫情報管理及び追跡コード構築ガイドライン」 |
適用する危険化学品範囲
北京 | 上海 |
「危険化学品目録(2022年調整版)」に記載されているすべての危険化学品。 | 「危険化学品目録」第1~2827項及び第2828項下の1~88項の危険化学品は強制的なコードが付与すべき。その他の2828品目および70%の原則を満たす危険化学品の混合物は、強制的なコード付与の対象ではないが、倉庫に報告する必要がある。 |
北京市内で生産された包装危険化学品は、追跡のため生産単位が追跡コードを添付する。外国の港から市内に流通する包装危険化学品は、北京の最初の営業単位がコードを添付するか、供給単位と調整してコードを添付する。 | 上海市内で生産、充填、小分け、化学品ラベルの貼り替えを行う危険化学品に追跡コードを添付する必要がある。 上海港で通関後、市内で流通される危険化学品は、上海の危険化学品経営(貯蔵施設、倉庫つき)許可企業の倉庫に輸入する時に追跡コードを添付する必要がある(ただし、企業の原料として使用される化学品は追跡コードを添付する必要がない)。 |
コード付与免除対象製品
北京 | 上海 |
すでに「DB 11/T 1904-2021劇毒、爆発性危険化学品電子追跡管理規範」と「DB 11/T 1530-2018危険化学品ガスボンベの追跡技術規範」に規制される易制毒化学品、劇毒、爆発性危険化学品、危険化学品ガスボンベ、本基準の管理には適用されない。 北京の手形企業が経営する危険化学品は、川上も川下も北京市内ではないものは追跡しない。 バラ包装危険化学品は追跡ティシステムを通じて情報を記入しなければならない。 |
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追跡システム
北京 | 上海 |
北京市危険化学品集中管理体系情報プラットフォーム | 上海市危険化学品追跡コード管理サブシステム https://yqypym.yjglj.sh.gov.cn:81/cone/dcrs-trace-enterprise/login 公式WeChat“上海应急守护” |
危険化学品追跡コード
北京 | 上海 |
一製品、一コード: 同じ企業、同じ危険化学品、同じバッチ、それぞれの包装には異なるQRコードがある。 | 一製品一バッチ一コード: 同じ企業、同じ危険化学品、同じ規格、同じバッチ、各包装に同じQRコード。 |
貼付要件
北京 | 上海 |
追跡ラベルは、最小の包装に貼付しなければならない。 包装が多層になっている場合は、多層追跡ラベリングを適用し、追跡ラベルを層状に貼付する。システムは、ボトルにサブコードを、外箱に親コードを自動的に割り当てることができる。 | 危険化学品の各流通プロセスの最小外装に印刷し、貼り付ける必要がある。タンクローリーで輸送される危険化学品は、バーチャル追跡コードを使用するか、危険化学品追跡コードを船荷証券/注文書に印刷することもできる。 |
動的出入庫システム
北京 | 上海 |
北京市内の製造・経営企業(倉庫貯蔵を含む)は、出入庫情報を収集する必要がある。さらに、輸送情報も収集する必要がある。 追跡過程は、可能な限り、完成した情報システムをドッキングさせることでデータ共有を実現し、繰り返し収集することを避けるべきである。 | 危険化学品の生産・使用許可証、または経営(貯蔵施設・倉庫を付き)許可証を取得した企業は、要件を満たしている危険化学品の出入庫情報動的管理システムを構築または改善し、上海の危険化学品規制情報システムとドッキングする必要がある。 |
実施期日
北京 | 上海 |
技術レベルのランドマークは2024年4月1日に施行されるが、完全実施の公式公告はまだ公開されていない。 |
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CIRSの考え
北京の要求と比べると、上海の危険化学品追跡コードの適用除外範囲と実施期日もより明確であります。適用される危険化学品の範囲は基本的に同じだが、影響を受ける企業と製品分類は確実に異なります。北京の一製品一コード政策は実施するのが難しいようだが、追跡コードの申請は上海より簡単で、記入する情報も少ないです。両地とも情報技術システムドッキングのサポートに言及しており、製品分類が特に幅広い危険化学品企業にとっては、コンプライアンスルートが一つ増えることになります。しかし、今のところ、北京と上海の危険化学品の追跡コードは普遍的なものではなく、貨物の中国全土への流通には適していません。
CIRSは上海と北京の危険化学品の追跡コードと動的出入庫システムのワンストップソリューションを提供することができ、すでに多くのクライアントにコンプライアンスコンサルティング、追跡コードの申請、システムのカスタマイズと開発サービスを提供しています。