2023年3月30日、CIRS Groupの数名の専門家は、青島で行われた応急管理部化学品登録センターの化学品規制に関する会議に参加しました。
会議中で最も重要な内容は、危険化学品の「一企業、一製品、一コード」(一企一品一コード)の進捗状況でした。中国国務院安全生産委員会(安委会)は「全国労働安全特別改善3年行動計画」(以下、3年行動計画)を指導文書として、2022年に「全国危険化学品安全リスク集中管理方案」(以下、「方案」)を発表し、各企業における危険化学品の「一企業、一製品、一コード」管理の実施を提案しました。2022年11月、国務院は「第14次五カ年計画における国家応急対応体制計画」を施行しました。「化学品の分類とラベルに関する世界調和システムの実施を促進」、 「危険化学品の登記管理システムのアップグレードと最適化」の提出と同時に、すべての地方登記弁も、あらゆる化学企業に対して、危険化学品管理ファイルを作成するよう求めています。詳細は下表の通り:
過去2年間のパイロットプロジェクト
広東省
2021年、広東省応急管理庁は、「広東省応急管理庁化学品登記総合サービスシステム及び『一企業一製品一コード』の標識化管理応用作業に関する通知」(粤応急書[2021]第271号)を発表し、正式に同省において「一企業一製品一コード」の作業を開始しました。他の省(広東省以外のログインアドレス)と異なり、広東省は広東省危険化学品安全生産リスク監視事前警告システムにログインする必要があります(ログインアドレス:http://210.76.73.190/a/login)。
山東省
2022年8月、山東省応急庁は、「危険化学品『一企業一製品一コード』標識化管理の実施の安全リスク識別管理制御のさらなる強化に関する通知」(魯応急書[2022]59号)を発表し、同省における危険化学品の 「一企業、一製品、一コード 」標識化管理を実施しました。安全リスクの識別と管理制御をさらに強化し、事故を厳格に防止するため、山東省はいくつかの適用除外規制を初めて公示し、今後の適用除外規則の全国実施に向けた大枠も決めました。
(1) 個別包装容積が100mLまたは100gを超えない危険化学品については、内部包装に安全情報コードを印刷または貼り付けてはならず、外部包装に安全情報コードを印刷または貼り付けなければならない。
注:今後の全国実施では、容積単位が100mLに変更される見込みです。簡易版安全情報コードに該当する危険化学品の小包装についても、容積単位(100mL~1000mL)に変更される見込みです。
(2) 輸出のみの危険化学品については、安全情報コードを内・外装に印刷・貼付しないことができる。
注:QRコードの申請が不要なのではなく、印刷・貼付が免除され、安全情報コード情報を運送業者およびその運転手、警備員に提供しなければなりません。
(3) 自己使用のみを目的としての輸入危険化学品は、内・外装への安全情報コードの印刷・貼付が免除される。
(4) 危険化学品である化粧品・日用品(1000mL以下)については、包装への安全情報コードの印刷・貼付が免除される。
注:今後の全国実施では、「(1000mLを超えない)」は削除される見込みです。危険化学品製造・取り扱う(輸入を含む)企業が危険化学品の輸送を委託する場合、安全情報コードを輸送業者およびその運転手、警備員に提供しなければなりません。
江蘇省
危険化学品産業の安全生産検査とリスク集中管理をしっかりと推進するため、「危険化学企業の『一企業一製品一コード』標識化管理の実施に関する通知」(蘇安弁[2022]第81号)の要求に従い、江蘇省は2022年に「一企業一製品一コード」のパイロットプロジェクトを実施しました。区応急管理局は、危険化学品の生産・輸入企業を危険化学品登記総合サービスシステムを通じて、危険化学品の「一企一品一コード」を作成し、危険化学品の内部・外部包装に印刷または貼り付けることを監督します。「一企業、一製品、一コード」と危険物道路輸送電子運送状システム「5つのチェックが必要」を組み合わせて、「一企業、一製品、一コード」の情報と危険物用電子運送状との整合性の有無を確認します。
福州市
「方案」を指導として、「危険化学品安全リスク集中管理措置リスト」管理を実施し、「危険化学品安全リスクデジタル・インテリジェント化制御プラットフォームを構築し、中国国家危険化学品登記システムのアップグレードを機に、危険化学品企業の「一企一品一コード」の実施を促進し、ライフサイクル全体の正確かつ精密な監督を行うための基本的なサポートを提供します」。
浙江省
「浙江省危険化学品安全リスク集中管理実施方案」に従い、「各企業の危険化学品について『一企業、一製品、一コード』の管理を実施し、企業の製品包装への安全情報コードの印刷、貼り付け、吊り下げを推進し、危険化学品の危険性情報を効率的に伝達してライフサイクル全体の正確かつ精密な監督を行うための基本的なサポートになります」。
集中管理は、現在から2023年1月までの1年間で、動員・部署(2022年2月28日まで)、集中管理(2022年3月1日から2022年11月30日まで)、まとめ・受け入れ(2022年12月1日から2023年1月31日まで)の3段階に分けられる予定です。
2023年の計画
2023年には、珠江デルタと長江デルタを重要なパイロットエリアとして、中国全土のいくつかの省で実施される予定です。将来、実情に合わせて多製品融合の「融合安全情報コード」になる見込みです。つまり、すでに安全情報コードが作成されている複数の危険化学品(安全情報コードが変更されたものも含む)を選択して、新たにQRコードを生成することができます。各危険化学品の後ろにある「QRコード」のプロンプトリンクをクリックすると、各危険化学品に対応する安全情報コードが読むことができます。
さらに、システムは近々、事業者向けの安全情報コードのアプリケーション機能を開放する予定です。企業秘密保持や製品サプライチェーン情報の維持が必要な場合は、全国危険化学品登録統合サービスシステムを通じて申請し、川上製品の登録番号を提供し、市・省レベルの承認を経て、企業の識別情報を含む安全情報コードを作成することができます。中国に危険化学品を輸出しようとする外国企業は、輸入危険化学品の登録を完了した国内企業に、化学品安全情報コードの申請代行業務を委託することができ、両企業は共同で関連義務を履行し、法による責任を負うことになります。なお、外国が委託した国内代理人は、QRコードの申請代理ためだけのものであり、危険化学品登録の責任を免れません。省を跨ぐ安全情報コードの促進を開始し、「一SDS一ラベル」に代わる安全情報コードの実現可能性調査を実施し、試験地域のパイロット企業を選定し、一部の特別制御危険化学品をパイロットとして、製品包装、中・大型容器、ポータブルタンク容器(車)ごとに唯一の安全情報コードを作成します。2023年4月以降、パイロットプロジェクトは「水平的・垂直的」に実施することができ、浙江、上海、青島を中心に応用を深め、特定の業界または特定の企業を選んで、省・市をまたいだ「一企業一製品一コード」の実施を行い、監督管理部門による危険化学品の出所の照会や証拠を迅速かつ正確に確認し、違法化学品と正確に戦うための支援を行います。
将来、安全情報コードの全国的に導入すれば、既存の紙版SDSを安全情報コードに置き換えることができると思われます。
企業が化学・化粧品業界の関連政策をさらに理解できるよう、2023年4月26日にEU商工会議所上海支所にてオフライン会議を開催します。中国における危険化学品の管理と「一企業、一製品、一コード」の実施、アジア太平洋地域におけるREACH類似規制の進展、CSARに基づく新しい化粧品新原料のコンプライアンスアドバイスなどの内容がふくまれ、ご興味をもつ方はこちらにてご登録ください。