中国微生物肥料の登録現状及び登録資料の要件
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近年、環境に優しく無公害の微生物肥料は、土壌改良の優先選択肢となっています。微生物肥料に大量の有益な微生物が含まれており、それらが継続的に増殖・分解することによって、土壌に有機質と栄養を提供できます。CIRSグループ農薬事業部は、中国における微生物肥料の登録状況および登録資料の要件をまとめ、農薬・肥料関連企業および関係者の皆様の参考に供します。

2023年8月時点で、中国では合計10,175件の微生物肥料製品が登録されており、分類としては「微生物製剤」「微生物肥料」として登録されており、全肥料登録製品の約45%を占めています。

微生物肥料の登録種類

登録種類に基づき、微生物肥料は以下の9分類に分かれています:

  • 生物有機肥料
  • 複合微生物肥料
  • 有機物分解促進剤
  • 土壌修復微生物製剤
  • 微生物濃縮製剤
  • 根粒菌製剤
  • 光合成細菌製剤
  • 内生菌根菌製剤
  • 生物修復製剤

この中で、微生物製剤が全体の48%を占め、次いで生物有機肥料が約30%、その他の種類の微生物肥料製品は約22%を占めています。

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微生物肥料に使用される有効菌種

微生物肥料に使用される有効菌種は140種類以上あり、主な菌種には枯草菌(Bacillus subtilis)、地衣菌(Bacillus licheniformis)、アミロイド分解菌(Bacillus amyloliquefaciens)などが含まれます。以下に、微生物肥料で使用される菌種のうち、登録数上位15種を示します。このうち、枯草芽孢杆菌を含む製品は約33%を占めています。

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根粒菌の登録状況

根粒菌は、植物の窒素固定を担う特殊な微生物として知られており、現在までに42製品の有効登録があります(微生物菌剤として登録された根瘤菌製品を含む)。登録されている主な根瘤菌の種類は以下の通りで、中でも大豆根瘤菌を含む製品が最も多く、全体の約40%を占めています。微生物菌肥,产品微生物,菌剂微生物,肥料,肥料登记

微生物肥料の登録資料要件

微生物肥料は、申請する肥料の種類によって製品基準が異なり、登録資料の準備期間も異なります。微生物肥料の登録を申請する前に、有効菌種の種類が使用可能な菌種であることを確認するとともに、製品中の有効菌種含有量が該当する微生物肥料基準の要件を満たしているかを確認する必要があります。

一般的に、初めて(または新たに)微生物肥料の登録を申請する場合、農業農村部に提出する主な資料および要件は以下の通りです:

  1. 「肥料製品登録申請書」
  2. 「肥料登録申請書(微生物肥料製品用)」
  3. 企業の証明書類
  4. 省級農業主管部門の事前審査意見書
  5. 生産企業の審査表
  6. 製品情報(リスクが高い製品のみ)
  7. 圃場試験報告書:

申請者は、関連の技術要件に従って中国国内で適切な圃場試験を実施し、各作物につき1年間で2ヶ所以上(または同一地域で2年以上)の試験報告を提出する必要があります。また、試験に使用したサンプルについて、認定検査機関による試験サンプルの検査報告書をあわせて提出する必要があります。

製品の実施基準:

申請者は、申請製品に対する実施基準を提出する必要があります(国家基準または業界基準がある場合は提出不要)。その他の企業標準は、所在地の標準化主管部門への登録が必要です。

製品ラベルの様式:

申請者は、「肥料登録管理弁法」および「肥料登録資料要件」に準拠した製品ラベル様式を提出する必要があります。

企業および製品の基本情報・肥料サンプル(抜き取り検査用)

審査期間
すべての登録資料と生産評価が完了した後、農業農村部による審査期間はおおよそ10か月程度とされています。