中国輸入危険化学品の通関検査のTips

輸入危険化学品に関する定義

1、危険貨物（危険物）とは？

「危険貨物の分類及び品名番号（UN番号）」（GB 6944-2012）によりますと、危険貨物とは、爆発性、引火性、毒性、感染性、腐食性、放射性などの危害性を持ち、輸送、貯蔵、製造、経営、使用、廃棄において特別な保護を必要とする物質や物品を指し、人身事故や財産的損害、環境汚染を引き起こす可能性があるものであります。

危険有害性の9区分及び「危険貨物品名表」（GB 12268-2012）に収載されている3523項目。

2、危険化学品とは？

「危険化学品安全管理条例」（国務院令第591号）第3条により、危険化学品とは、毒性、腐食性、爆発性、引火性、可燃性などの性質を持ち、人体や施設、環境に対して危害性を持つ劇毒化学品及びその他の化学品を指します。

適用対象外：民間用爆発物、花火、放射性物質、核燃料物質及び国防科学研究・生産に用いられる危険化学品の安全管理に適用されません。通常、「危険化学品目録」に収載されている製品は、危険化学品です。「危険化学品目録（2015年版）」には、2828項目が含まれています。

3.危険貨物包装とは？

危険貨物の包装容器を指し、通常、容量450L、正味重量400kg以下の包装容器、中型バラ包装容器、大型容器（大型包装）などを含み、さらに、圧力容器、スプレータンク、小型ガス容器、携帯タンク、マルチガス容器なども含まれます。

TIPS：危険貨物と危険化学品の定義は同じではありません。危険貨物は、車のエアバッグ、リチウム電池などのように、必ずしも危険化学品であるとは限りません。

検査が必要な輸入危険化学品

「輸出入の危険化学品及びその包装の検験監督管理の関連問題に関する公告」（税関総署公告2020年第129号）により、税関は最新版の「危険化学品目録」（以下、「目録」）に収載されている輸出入危険化学品の検査を実施します。

TIPS：危険化学品を輸入する場合、中国国内の荷受人は輸入港がその危険化学品に関連する資格を有する場所であるかどうかを明らかにすることを推奨します。

管轄法規

「中華人民共和国輸出入商品検験法」及びその実施条例
「危険化学品安全管理条例」
「輸出入の危険化学品及びその包装の検験監督管理の関連問題に関する公告」（税関総署公告2020年第129号）
「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」（GHS）
「国連危険物輸送に関する勧告・モデル規則」（TDG）
「危険化学品分類およびラベル規範」（GB3000 シリーズ標準）
GB15258-2009「化学品安全ラベル作成規定」
GB/T17519-2013「化学品安全技術説明書編集マニュアル」

企業が提出必要な情報

「輸出入の危険化学品及びその包装の検験監督管理の関連問題に関する公告」（税関総署公告2020年第129号）に基づき、荷受人又はその代理人が危険化学品の輸入を申告する場合、危険性区分、包装区分（バルク包装製品を除く）、国連危険物番号（UN番号）、国連危険物包装マーク（包装用国連マーク、バルク包装製品を除く）を記入すべきです。また、以下の資料を提供しなければなりません。

「輸入危険化学品企業適合性声明」。
禁止剤または安定剤の添加を必要とする製品については、実際に添加された禁止剤または安定剤の名称と数量を提供すること。
中国語の危険有害性情報伝達ラベル（バルク包装製品を除く）および中国の安全データシートの見本。

TIPS:1）輸入品の出荷前に、中国国内の荷受人は海外の供給者から安全データシートとラベルの提供を求め、審査した後中国語に翻訳し、規定通りに商品の包装に貼り付けるか吊り下げる必要があります。2）中国国内の荷受人が関連情報を入手できない場合、または情報が法に適合しているかどうか判断できない場合、供給者に少量のサンプルの提供を求め、安全データシートとラベルを確認するために相関資質をもつ実験室に送ることができます。3）1冊1ラベルの情報が真実で正確で一貫性があり、形式が完全で、内容が全面的であることを確認します（安全データシート16項目、危険有害性情報伝達ラベル6項目）。

税関検査

入港地の税関は毎バッチの危険化学品の検査を行います。検査では、ラベル、安全データシート、輸入企業から提供された適合性宣言が要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。輸入危険化学品の包装は、包装の種類、包装マーク、包装区分、包装規格、単品重量、包装使用状況などが関連する要求を満たしているかどうかを確認し、検査に合格した後に通過できます。

TIPS: 自己検査の結果、ラベル、安全データシート、表示区分などの情報に誤りがあった場合、企業は正しいバージョンを事前に準備し、通関の効率を高めるのをお勧めします。

まとめ

危険化学品の通関効率を向上させ、港での滞留リスクを軽減するため、企業は、海外から危険化学品を通関港に出荷する前に、上記の通関TIPSに従って事前に資料を準備して申告し、率先して税関に連絡して検査予約を取ることをお勧めします。