
2025年6月30日、欧州消費者安全科学委員会(SCCS)は、日焼け止め成分「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」(Ethylhexyl Methoxycinnamate、以下はEHMC、CAS番号: 5466-77-3/83834-59-7)に関する安全性評価意見(SCCS/1671/24)を発表しました。
EHMCに関するSCCSの安全性評価意見
SCCSは、EHMCが内分泌活性を有し、この活性はin vitro及びin vivoでエストロゲン活性および弱い抗アンドロゲン活性として現れることを指摘しました。
既存のデータに基づき、EHMCが内分泌かく乱の可能性を有していることを考慮した上で、SCCSは以下の条件下での使用を安全と判断しています:日焼け止め乳液、フェイスクリーム、ハンドクリーム、リップ製品、スプレー式(エアゾール式及びポンプ式)の日焼け止め製品において、EHMCを単体または混合で紫外線吸収剤として使用し、かつ最大使用濃度が10%の場合、その安全性が確認できます。また、安全マージン(Safety Margin)が十分にあるため、上記条件下の製品は子どもに対しても安全であるとされています。
なお、今回の評価は環境影響を含まず、EHMCの環境安全性に関する評価は行われていません。
EHMCに関する各国での規制状況
【欧州連合(EU)】
EHMCは、EUの「化粧品に使用可能な紫外線吸収剤リスト」(List of UV filters allowed in cosmetic products)に収載されており、最大使用濃度は10%と定められています。
【中国】CIRSグループが自主開発した中国化粧品原料規制データベース(妆合规)の情報によると、EHMCは化粧品において光安定剤、紫外線吸収剤、UVフィルターとして使用され、中国「既使用化粧品原料目録(2021年版)」および「使用可能な日焼け止め成分リスト」に収載されています。化粧品中の最大許容使用濃度は10%です。

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