EU SCCS、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾートに関する意見を発表
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2025年6月30日、EU消費者安全科学委員会(SCCS)は、日焼け止め成分「ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾート」(Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate、CAS番号302776-68-7、以下はDHHB)に関する意見(SCCS/1678/25)を発表しました。

本成分については、SCCSが2025年2月17日に意見募集草案を公表しております。今回発表された最終意見は、意見募集段階で示された評価結論と一致しており、特に、不純物として含まれる「フタル酸ジ-n-ヘキシル(DnHexP)」の最大安全含有量及び使用制限量に関する勧告が改めて示されました。

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EU SCCSによるDHHBに関する意見の要点

  1. UVフィルター剤であるDHHBに不純物として含まれるフタル酸ジ-n-ヘキシル(DnHexP)の健康リスクに関する評価に基づき、SCCS(消費者安全科学委員会)は以下のように判断しています:

DHHBが化粧品中に最大使用濃度(10%)で使用され、かつDnHexPが不可避の不純物として存在する場合において、DnHexPの最大安全含有量は0.026%(260 ppm)とされます。

  1. SCCSは、既存データに基づき、特定の製造工程を採用した場合、一部のDHHB配合日焼け止め製品や、その他のDHHBを含有する化粧品において、DnHexPの含有量が検出限界値未満であることを指摘しています。

さらに、関連データによれば、DHHB中のDnHexP含有量は1 ppmまで低減可能です。このような実現可能な代替製造工程が存在することから、SCCSは、不可避的な微量不純物としてのDnHexPの最大含有量は1 ppmを目標値とすべきであると考えている。

CIRSによるDHHBに関する解説

CIRSグループが独自開発した中国化粧品原料規制データベース「妆合规」の情報によると、DHHBは、化粧品において光安定剤紫外線吸収剤UVフィルター剤として使用されています。

現在、中国の「既使用化粧品原料目録(2021年版)」および「承認日焼け止め成分リスト」に収載されており、化粧品中の最大許容濃度は10%と規定されています。

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詳細情報:

https://health.ec.europa.eu/document/download/0bb2a0be-ba7c-4a1f-96df-d57d18c1316f_en?filename=sccs_o_299.pdf