【HCF&SMCR】専門家によるデータの法規遵守を分析
Source:

2018年5月31日に、EU REACH規則の最後の登録期限が到来しました。合計約22,000物質が登録できました。REACH登録は物理化学的データ、毒理学データ、生態毒理学データなどが含まれ、そのデータを記したIUCLID 形式の申請書類を提出します。データ収集と評価のための基本ツールとして、IUCLIDはEUの化学物質の情報管理にとっては不可欠のツールです。その成果として、ECHAは世界最大規模の化学物質に関する公的データベースが構築できます。

企業やSDSの作成者はデータベースにおける化学物質の環境、毒理学、物理化学的特性などに関する説明を活用できます。この場合、データに対する要求は高くなく、データと分類の一致性だけが必要です。データの品質に対して特別な要求はありません。

EU REACH登録、韓国K-REACH登録、または台湾既存化学物質登録を行うため、データを取得しようとする企業は、データの品質および関連性を重視しなければなりません。

データの信頼性や関連性を評価するために、データマイニングを行い、規則を遵守することが必要です。試験報告書を出す場合、毒理学試験と生態毒理学試験はGLP 準拠で実施しなければならなく、OECDテストガイドラインに従い提出したデータが大部分の国で認められます。これ以外、データの相合承認(Mutual Acceptance of Data、MAD)システムに参加した場合、登録の際に新たなデータを作成する手間を省き、試験費用を節約し、同じデータを使うことが可能です。

QSARとread-acrossなどの非試験手法により得られたデータについて、特別な評価を行う必要があります。モデルの適用性や物質の適用範囲などが規定条件に合致した場合は、QSARの活用が推奨されています。ECHAはread-across 評価の枠組みを策定し、REACH 規則において、化学品の登録の際に、既存データがない場合に最もよく利用されるread-across の科学的な評価方法が記載されています。ECHAはQSARとread-acrossによる推定したデータに対する審査を強化するため、慎重にデータを評価しなければなりません。

不必要な試験の回避や費用分担を実現するために、ECHAは登録者間のデータ共有を呼びかけます。なお、REACH規則において、同一物質が12年以前に登録されたものであれば、過去の登録者の提出した情報を無償で利用することができます。


来る 10月24日(木)~25日(金)、上海にて「Asian Helsinki Chemicals Forum and the 4th Summit Meeting on Chemical Regulations in Asia Pacific」を、CIRSとHCFが共同で開催します。この度、Eurometaux、OECD、SETAC ASIA、Sahtech、ECHAからの専門家を迎え、データの品質や取得、有効性、費用節約などについて、経験を共有し、講演を行います。ご興味ある方はぜひご参加の程よろしくお願い致します。

<会議日程>

1024日(木)

時間

トピック

講演者

8:00-9:00

受付

9:00-9:20

挨拶

于群利 副司長

中国税関総署検験監管司

9:20-9:40

基調講演:化学物質管理システムが遭遇する試練を共同解決

Anthony Cox, Deputy Director, Environment Directorate, 経済協力開発機構(OECD

9:40-10:00

基調講演:持続可能な世界における化学品の健全な管理

Tim Kasten, Deputy Director, Economy Division, 国際連合環境計画(UNEP

10:00-10:20

休憩

10:20-12:20

パネルディスカッション1:異なる化学品管理システムの有効性を測定する方法

モデレーター:Eeva Leinala, Principal Administrator, Hazard Assessment and Risk Reduction Programmes, 経済協力開発機構(OECD

パネリスト:

1.     Risk & Policy Analysts (RPA): Meg Postle

2.     欧州委員会(EC

12:20-13:20

昼食

13:20-15:20

パネルディスカッション2:プラスチックと循環性–汚染から価値のある提案まで

モデレーター:Jacob Duer, Chief, Chemicals and Health Branch, 国際連合環境計画(UNEP

パネリスト:

1.     政府当局: ノルウェー政府

2.     化学工業協会: Alliance to End Plastic Waste

3.     シビル・ソサエティ: IPEN

15:20-15:40

休憩

15:40-17:30

パネルディスカッション3:化学物質に関するデータの品質及び収取

モデレーター:Hugo Waeterschoot, Management Advisor, 欧州非鉄金属協会(Eurometaux

パネリスト:

1.     経済協力開発機構(OECD: Bob Diderich,  Head of Division

2.     SETAC ASIA: 遊静

3.     財団法人安全衛生技術センター(Sahtech:  Jowitt Lee, Director

4.     欧州化学物質庁(ECHA: Erwin Annys, Head of Unit Support and Enforcement

18:00-20:30

黄浦江のナイトクルーズ(晩餐会)

1025日(金)

時間

トピック

講演者

9:00-9:30

新化学物質環境管理弁法(改正意見募集稿)について

中国生態環境部固体廃棄物及び化学品管理技術中心


9:30-10:00

「危険化学品目録(2015)実施指南(試行)」の修訂に対する解読

陳金合 副主任医師

中国応急管理部化学品登記中心

10:00-10:20

Q&A

10:20-10:40

休憩

10:40-11:10

JT/T 617「危険貨物道路輸送規則」についての紹介

中国交通運輸部道路科学研究院


11:10-11:40

輸出入危険貨物及びその包装に対する税関検査

上海税関

11:40-12:00

Q&A

12:00-13:30

昼食

13:30-14:00

韓国K-REACHの現状と動向

Kun-Ho Park, Director, 韓国化学物質管理協会(KCMA)

14:00-14:30

東南アジア地域における化学品管理要求及び最新動向

Caroline Li, シンガポール化学産業協議会 (SCIC)

14:30-14:50

Q&A

14:50-15:10

休憩

15:10-15:40

台湾「新規化学物質及び既存化学物質資料登録弁法」について

Dr. Jowitt Lee

財団法人安全衛生技術センター(Sahtech

15:40-16:10

REACH登録後の責務:ドシエのチェックや物質評価

Erwin Annys, Head of Unit Support and Enforcement, 欧州化学物質庁(ECHA

16:10-16:30

Q&A

終わり

※ 通訳:中英同時通訳。会場で来場者全員に通訳機をお配りいたします。

※ 9月5日更新、日程は変更になる場合がありますので、随時公式サイトにてお知らせいたします。

<講演者の紹介>

Hugo Waeterschoot, Management Advisor, 欧州非鉄金属協会(Eurometaux)

遊静,会長,国際環境化学および環境毒性学会(SETAC ASIA)


Bob Diderich, Head of Division, 経済協力開発機構(OECD)

Erwin Annys, Head of Unit Support and Enforcement, 欧州化学物質庁(ECHA)

Jowitt Li, Director, 財団法人安全衛生技術センター(Sahtech)

<参加登録>