中国 輸入危険化学品検査モード改革についての解読
Source: 大連税関12360熱線

一、背景

中国税関総署の「輸入危険化学品の検験監督管理のさらなる強化に関する公告」に基づき、2023413日から、輸入危険化学品検査モードの改革は中国全土へ実施される予定です。

二、 改革内容

輸入危険化学品に対して、「審査書の検験+通関港検験または目的地検験」モードを実施し、輸入危険化学品の属性及び危険貨物包装の類型によると、検験の作業階段(場所)と割合を設定します。

三、危険化学品とは?

1、 定義

「危険化学品安全管理条例」(国務院令第591号)第3条により、危険化学品とは、毒性、腐食性、爆発性、引火性、可燃性などの性質を持ち、人体や施設、環境に対して危害性を持つ劇毒化学品及びその他の化学品を指します。

中国税関は、「危険化学品目録」(最新版)に収載されている輸出入危険化学品に対して検験を行います。

2、 危険化学品と危険貨物(危険物)

「危険貨物の分類及び品名番号(UN番号)」(GB 6944-2012)によりますと、危険貨物とは、爆発性、引火性、毒性、感染性、腐食性、放射性などの危害性を持ち、輸送、貯蔵、製造、経営、使用、廃棄において特別な保護を必要とする物質や物品を指し、人身事故や財産的損害、環境汚染を引き起こす可能性があるものであります。

危険貨物と危険化学品の定義は同じではなく、両者は包装について特殊な要件があります。また、危険化学品は化学物質のみを含むのに対し、危険貨物は物質と物品を含むという違いがあるため、車のエアバッグ、リチウム電池などのように一部の危険貨物は、必ずしも危険化学品であるとは限りません。

健康や環境に対する慢性的な有害性(発がん性、生殖毒性、生殖細胞変異原性など)を有するの多くは、危険貨物の分類基準に該当しないため、ホウ酸などの一部の危険化学品は危険貨物として分類されません。

四、新モード下の輸入危険化学品の申告のポイント

1.申告項目

  • 危険有害性の区分
  • 包装区分(バルク包装製品を除く)
  • 国連危険貨物番号(UN番号)
  • 国連危険貨物包装マーク(包装UNマーク)(バルク包装製品を除く)
  • 「輸入危険化学品企業適合性声明」
  • 禁止剤または安定剤の添加を必要とする製品については、実際に添加された禁止剤または安定剤の名称と数量を提供すること。
  • 中国語の危険有害性情報伝達ラベル(バルク包装製品を除く)および中国の安全データシートの見本。

2.申告のポイント

(1)完全、正確かつ一致している申告情報

「検験検疫名称」が危険化学品として申告された場合、「貨物属性」が「バラ包装危険化学品」または「バルク包装危険化学品」であることを確認し、「危険貨物情報」の表示フィールドに記入します。表示欄が「危険貨物」の場合、その他の情報欄は、「UN番号」、「危険有害性区分」、「包装区分」(バルク包装を除く)、及び「包装UNマーク」(バルクを除く)を記入します。表示欄が「非危険貨物」と選択された場合、「危険貨物情報」表示欄の他の情報欄は、空欄でもよろしいです。申告内容が「バラ包装危険化学品」または「バルク包装危険化学品」の場合、「非危険化学品」の検験検疫名称は選択しないものとします。

申告された「検験検疫名称」に示される危険有害性は、「危険貨物情報」表示の「危険有害性区分」欄の主な危険有害性と一致させ、「包装UNマーク」の欄に記入される包装区分は、一般に「包装区分」の欄に記入された包装区分以上の必要があります。

(2)完全、正確かつ一致している申告材料

提出材料:

  • 危険性ラベル(バルク包装を除く)および安全データシートの見本
  • 輸入危険化学品企業の適合性声明
  • 添加された抑制剤または安定剤の説明(該当する場合)。

危険性ラベル(見本)には、化学品の標識、ピクトグラム、シグナルワード、危険性説明、注意書き、サプライヤー標識の6項目以上が含まれる必要があります。 100ML以下の小分け包装は、簡略化されたラベルを使用し、注意書きを省略することもできます。

安全データシートには、化学品および会社の標識、危険有害性の概述、成分/組成情報、応急処置、防火対策、流出対応、取扱い・貯蔵、暴露防止/個人保護、物理・化学特性、安定性と反応性、毒性学情報、生態学情報、廃棄処置、輸送情報、規制情報、その他の情報など少なくとも16項目の情報が含まれていなければならず、空欄してはいけません。

適合性声明は、「輸出入の危険化学品及びその包装の検験監督管理の関連問題に関する公告」(税関総署公告2020年第129号)の付属書1に規定されたものと一致させ、該当内容が記入されていない場合はその理由を記入するものとします。化学品の正式名称は「危険化学品目録」(最新版)の「品名」欄と一致させ、危険区分は申告された輸入品の実際のGHS分類を記入しなければなりません。危険貨物に属すものは、「国連危険貨物輸送に関する勧告・モデル規則」(TDGおよび対応する輸送手段による危険貨物の輸送に関する国際規則の要件に準拠する必要があります。

(3) 一致している申告情報と申告材料の関連情報

申告材料の関連情報の一致性や、システムで申告された情報と提供された情報の一致性が含まれます。

(4) 要件に合致している申告

輸入危険化学品の荷受人または代理人は、税関申告時、「中国国際貿易シングルウインドウ」を通じて、貨物の属性、検験検疫名称、危険性区分、包装区分、危険貨物番号(UN番号)、危険貨物包装マーク(包装UNマーク)および入港地の検験検疫当局などを正確に記入し、かつ「輸出入の危険化学品及びその包装の検験監督管理の関連問題に関する公告」(税関総署公告2020年第129号)で要求される関連材料を、それぞれ申告品目に従ってアップロードします。

輸入危険化学品の荷受人または代理人は、税関申告後、速やかに「中国国際貿易シングルウインドウ」を通じて検験通知書を確認必要です。

五、 よくあるご質問

Q1危険化学品として申告する必要があるかどうか、どのように判断するのか? 例えば、弊社はシナモンオイルを輸入し、製品の関税番号は3301294000であり、通関商品コードを確認した後、その製品は危険化学品に属さないが、性質上には危険化学品であるかどうかを確認する必要があるのか?

A危険化学品であるかどうかの判断は、「危険化学品目録」(最新版)に収載されるかどうかを確認します。「危険化学品目録」(最新版)を確認したところ、シナモンオイルは危険化学品の範囲に属さないことが判明しました。

Q2「目録」に収録されていない危険化学品は、シングルウィンドウ輸入申告事項登録を行う時に、バラ包装危険化学品または非危険化学品として申告しますか?

A危険化学品目録(最新版)に収録されていない一般化学品に属する製品は、非危険化学品として税関に申告する必要があります。

Q3輸入危険化学品の税関申告書の記入では、危険貨物に関するどのような情報を記載すべきですか?

A荷受人またはその代理人が危険化学品の輸入申告を行う場合、記入すべき情報は、危害性区分、包装類別(バラ包装製品を除く)、国連番号(UN番号)、国連危険貨物包装マーク(UNマーク)(バラ包装製品を除く)です。

Q4危険化学品目録に収載されていない化学品が危険貨物である場合、輸入する時に“批批+抽批检测(毎バッチの貨物を検証し、抜き取り検査を行う)を実施する必要がありますか?

A危険貨物のみ(ただし、「危険化学品目録(最新版)」に収載されていないもの)であれば、輸入時の法定検査は不要で、入港時の”批批+抽批检测(毎バッチの貨物を検証し、抜き取り検査を行う)は必要ありません。また、「中華人民共和国輸出入商品検査法」の規定に基づき、危険貨物の輸出には、危険貨物包装容器の性能検験と使用鑑定が必要です。

Q5危険化学品を輸出入する企業は、どのような要件を満たさなければなりませんか?

A危険化学品の輸出入企業は、その危険化学品が以下のことの要件を満たします:中国国家技術規範(輸入品に適用)の強制要件、関連する国際条約、国際ルール、条約、協定、議定書、覚書など、輸入国または地域の技術規則、規格(輸出品に適用)、税関総署と元国家質量監督検験検疫総局指定技術規範、規格。

Q6輸出入危険化学品の検査内容について教えてください。

A

  • 製品の主成分/成分情報、物理的・化学的特性、危険有害性の区分が、関連法規・規格に合致しているか否か。
  • 製品包装のラベルの有無(輸入製品には中国語のラベルが必要)、SDSの付属の有無(輸入製品には中国語のSDSが必要)、危険公示ラベルおよびSDSの内容が関連法規・規格に準拠しているか否か。

Q7その他の注意すべきことはありますか?

A企業は入港地検験機関を正確に申告し、入港地検験をできるだけ早く実施することや、検験過程で発生した異常な問題を迅速に処理できるよう、できるだけ企業の所在地の税関を選びます。事前申告をして危険化学品の通関効率を高め、現地税関に検験の予約を入れ、税関と協力して検験を実施することを積極的に推進します。