EUにおけるPFASの管理

PFAS

Per-and polyfloualkyl substancs(以下、「PFAS」という)は分子構造に炭素‐フッ素結合を含むある有機化学物質の総称であり、OECDによって発表された資料によると、2018年には約4700種類のPFASがあります。下図は典型的なPFASの分子構造で、主に炭素鎖の両端にあるCF3基または炭素鎖の中間のCF2が含まれています。

特性

  1. 炭素-フッ素結合は高い安定性を持つため、これらの物質は環境において極めて難分解性を有することで、環境内で遠くに移動するのは簡単です。
  2. PFASの一部は、食物連鎖を通じて生物に蓄積する可能性があり、短鎖のより長鎖PFASのほうが生体内に蓄積されやすい性質があります。
  3. PFASは水溶性が高く、吸着性が低いため、移動性が高いです。

用途

泡消火薬剤、繊維加工、食品接触材料(焦げ付き防止調理器具鍋など)で広く利用されています。その安定性のため、PFAS曝露のリスクはいたるところにあり、食品、食品包装材料、飲料水、母乳、空気中のほこりなどから発生する可能性があります。

制限と管理

現在、PFAS物質の2つの主要な種類であるPFOSとPFOAは、すでにストックホルム条約の付属書に収載されているため、EUではPOPS規制の対象にもなります。免除または許可された用途を除き、EU市場での流通は基本的に禁止されています。

2021年8月5日、欧州委員会はREACH規則((EC)1907/2006)付属書XVII-規則(EU)2021/1297の改正案を公式に発表し、9〜14個の炭素原子を含むパーフルオロカルボン酸(C9〜C14 PFCAと略称)およびそれらの塩と関連物質を制限対象として追加されました。規制は2023年2月25日から施行されます。

C9-C14PFCAとその塩および関連物質には、以下に基づいています。

略称

名称

CAS番号

PFNA

C9-PFCA

375-95-1

PFDA

C10-PFCA

335-76-2

PFUnDA

C11-PFCA

2058-94-8

PFDoDA

C12-PFCA

307-55-1

PFTrDA

C13-PFCA

72629-94-8

PFTDA

C14-PFCA

376-06-7

C9-C14 PFCAは、耐水性、耐脂性、耐食性があり、塗料、繊維、木材などの一般消費者向け製品で広く利用されています。 PFOAの用途とほぼ同じであるため、PFOAが規制された後は、その代替品として利用される可能性が高いです。また、PBT(難分解性、生体内蓄積および毒性)およびvPvB(極めて難分解性、高い生体内蓄積)特性を有するC9-C14 PFCAは、すでにREACH規制SVHCリストに収載されています。したがって、C9-C14PFCAの使用と市場投入を管理する必要があります。

EUは2019年と2020年に、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸とその塩およびその酸ハロゲン化物(HFPO-DA)と、パーフルオロブタンスルホン酸とその塩(PFBS)をSVHC(高懸念物質)リストに追加収載されました。 HFPO-DAは、フルオロポリマーの生産においてPFOAの代わりに使用される短鎖PFAS物質であり、そのアンモニウム塩は通常GenXと呼ばれます。 その以外、PFBSはPFOSの代替品です。

新しい提案

ノルウェーの主管部門は、パーフルオロヘキシルスルホン酸(PFHxS)とその塩および関連物質を規制する提案を提出しました。これらの物質はストックホルム条約の管理リストに追加することが推奨されているため、今後は世界的な規制対象となる可能性があります。ドイツの主管当局は、パーフルオロヘキサン酸(PFHxA)とその塩および関連物質に対するさらなる規制の提案も提出していました。

ノルウェー、デンマーク、スウェーデンの支援下、オランダとドイツはPFASの各用途を制限する提案を2022年にECHAに提出する予定です。この提案が可決されれば、業界への影響は甚大であり、市場での冷媒、繊維、食品接触材料、および消火用途に大きな影響を与えることになります。 さらに、ECHAは2021年に泡消火薬剤でのPFASの使用に関する制限案を提出する予定です。

PFAS管理の傾向

既存の制限または規制からみると、EUによるPFASの管理は、PFOSとPFOAの2つの種類から、C9-C14PFCAなどの長鎖PFASに徐々に拡大し、次にはPFHxSとPFHxAなどの短鎖PFASと考えられ、最終的にPFASを全体的に制限と規制する可能性があります。これらの製品は幅広い用途があるため、企業への影響は非常に広範囲に及び、関連製品を生産または利用する企業は、規制の更新に注意を払う必要があります。


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