2023年9月22日、EU消費者安全科学委員会(SCCS)は子供が化粧品でサリチル酸メチルに接触することに関する最終意見(SCCS/1654/23)を発表しました。これまでSCCS/1633/21意見の中で、委員会は「6歳未満の子供に対して、歯磨き粉中のサリチル酸メチルの最高安全濃度は2.52%」と結論しました。
1. 提供されたデータに基づき、SCCS/1633/21の結論と総暴露量を考慮して、SCCSは0~3歳の子供に対して、現在表1に記載されている規制対象化粧品中のサリチル酸メチルの最高安全濃度が0.02%(歯磨き粉を除く。歯磨き粉には2.52%のサリチル酸メチルが使用可能)であると考えていますか。
参照番号 | 物質鑑定 | 制限 | ラベルに印刷しなければならない使用条件と注意事項 | |||||
化学名称/INN | 一般名称 | CAS番号 | EC番号 | 製品タイプと使用部位 | 最大使用濃度 | その他 | ||
a | b | c | d | e | f | g | h | i |
324 | methyl2-hydroxybenzoate 2−ヒドロキシ安息香酸メチル | Methyl salicylate サリチル酸メチル | 119-36-8 | 204-317-7 | (a)洗い流さない類スキンケア製品(メイクアップ、ボディミルクスプレー/エアゾール、デオドラントスプレー/エアゾール及びアルコール類香精を除く)及び洗い流さない類ヘア用製品(スプレー/エアゾール製品を除く) | (a) 0.06% | 6歳未満の子供に使用してはならない製剤。ただし、「歯磨き粉」を除きます |
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(b)メイクアップ(リップ製品、アイメークアップ及びクレンジング製品を除く。) | (b) 0.05% | |||||||
(c)アイメイクとメイク落とし製品 | (c) 0.002% | |||||||
(d)洗い流さない類ヘア用製品(スプレー/エアゾール) | (d) 0.009% | |||||||
(e)デオドラントスプレー/エアゾール | (e) 0.003% | |||||||
(f)ボディミルクスプレー/エアゾール | (f) 0.04% | |||||||
(g)洗い流す類皮膚製品(ハンドソープを除く。)及び洗い流す類ヘア用製品 | (g) 0.06% | |||||||
(h)ハンドソープ | (h) 0.6% | |||||||
(i)アルコール類香精 | (i) 0.6% | |||||||
(j)リップ製品 | (j) 0.03% | |||||||
(k)歯磨き粉 | (k) 2.52% | |||||||
(l) 6 ~ 10歳子供用のうがい薬 | (l) 0.1% | |||||||
(m)10歳以上の子供及び成人用のうがい薬 | (m) 0.6% | |||||||
(n)口腔用スプレー | (n) 0.65% |
SCCS/1633/21の結論と総暴露量に基づき、SCCSは0.5~3歳の子供用化粧品において、ボディーソープ、ハンドソープ、シャンプー、ボディクリーム、フェイスクリーム、ハンドクリーム、リップ製品におけるサリチル酸メチルの最高安全濃度を0.02%と考えています(申請者が6ヶ月未満の子供に関する具体的なデータを提供していないため、SCCSは今回の安全性評価においてこの年齢層を考慮していない)。
2. 提供されたデータに基づき、SCCS/1633/21の結論と総暴露量を考慮して、SCCSは3~6歳の子供に対して、サリチル酸メチルの濃度が現在表1に記載されている規制対象化粧品の最高使用許容濃度(歯磨き粉を除く。最高濃度は2.52%使用可能)に達した場合に安全であると考えていますか。
SCCS/1633/21の結論と総暴露量に基づき、SCCSは表1に示す最大許容濃度の範囲内で、入浴剤、ハンドソープ、シャンプー、ボディクリーム、フェイスクリーム、ハンドクリーム、リップ製品、コンディショナーにサリチル酸メチルを使用することは3~6歳の子供にとって安全であると考えています。歯磨き粉中のサリチル酸メチルの最高安全濃度は2.52%です。
CIRSグループが自主研究開発した中国化粧品原料法規データベース(化粧品コンプライアンス)(妆合规)の検索情報により、サリチル酸メチルCAS No.119-36-8は、変性剤、芳香剤、口腔ケア、緩和剤としてよく使用され、すでに中国の「中国使用済み化粧品原料目録」(2021版)に組み入れられ、洗い流さない類製品の最高過去使用量は15%です。