2024年2月、上海市応急管理局及び上海市交通委員会は、「全国危険化学品安全リスク集中管理方案」(安全生産委員会[2021]12号文書)、「上海市危険化学品安全管理弁法」(上海市政府令第44号)、「上海市危険化学品安全生産全面強化に関する実施意見」、「上海市交通委員会・上海市応急管理局・上海市公安局 市内における危険貨物(危険化学品)の道路輸送及び貯蔵管理の更なる強化に関する通知」(上海市交通発展委員会[2022]8号)及びその他の関連規定に基づき、「上海市応急管理局・上海市交通委員会『一企業、一製品、一コード』に基づく危険化学品の出入庫および危険貨物の積み卸しの情報化管理を推進するための通知」(上海市応急危険化学品〔2024〕12号)、「上海市危険化学品出入庫の情報化管理及び追跡コード構築のガイドライン」を作成しました。これにより、上海市全域に「一企業、一製品、一コード」に基づく危険化学品の出入庫および危険物の積み卸しの情報化管理を推進し始めました。それを利用して、「危険化学品目録」(2015年版)に収載された危険化学品の出入庫情報の動態管理及びリスクの早期警告を実現します。
上海市における追跡コードの導入プロセスの概要:
- 2023年4月30日、上海市は出入庫管理システムの構築と研究作業を完了、浦東新区でのパイロットプロジェクトの開始確定
- 2023年7月31日、3ヶ月かけてパイロットプログラムの設計を完了、30社のパイロット企業リストを特定
- 2023年10月31日、PCおよびモバイルでのシステム開発を完了、パイロット企業の確認に基づいて変革プログラムを修正
- 2023年11月30日、パイロット企業のデータがオンライン化され、パイロット作業が完了、「上海市危険化学品の出入庫および危険物の積み卸しの情報化管理作業」の予備草案が編成
- 2023年12月31日、パイロットプロジェクトで得られた経験に基づき、関連システム構築をさらに改善すると同時に、応急管理局と交通委員会は全市的な推進任務ための共同文書を発行
- 2024年2月4日、応急管理局と交通委員会のにより正式文書が発行され、上海市危険化学品追跡コード添付と出入庫情報管理システムの構築及びその改善は2024年12月31日までに最終的に完了する予定
2024年から、上海市は危険化学品追跡コードを個々の品種とロットごとに独自のコードを添付します。追跡部分と貯蔵部分が含まれ、危険化学品追跡の企業側の操作マニュアルは、すべての危険化学品企業に企業側の操作指示を提供し、危険化学品追跡の基本データの入力及び追跡コードを生成するためのチャネルを提供します。
追跡コードの添付対象範囲
上海市内のすべての危険化学品を輸入・生産・貯蔵・経営・使用する化学および製薬企業を含む、追跡コードを添付する義務が付けられます。すべての企業は、システムにログインするための企業アカウントとパスワードを取得するため、企業登録の必要があります。生産企業、経営企業、輸入企業は、貨物の基本情報の維持、追跡コードの接頭辞の管理・生成を行わなければなりません。
- 「危険化学品目録(2015版)実施指南(試行)」の付録「危険化学品分類情報表」に記載されている品名の危険化学品は追跡コードの添付対象となり、危険化学品確定原則に該当するが品名が記載されていない危険化学品については、追跡コードの添付義務が付けられません。
- 上海市内で生産、充填、小分け、化学品ラベルの貼り替えを行う危険化学品に追跡コードを添付する必要があります(包装規格が100g/ml未満のものには添付する必要がない)。パイプ輸送や、石油タンカー、バラ包装化学品輸送船およびLNGタンカーで輸送される危険化学品は追跡コードの添付対象者ではありません。
- 上海港で通関後、市内での流通される危険化学品は、上海の危険化学品経営(貯蔵施設、倉庫を持つ)許可企業の倉庫に輸入する時に追跡コードを添付する必要があります(ただし、企業の原料として使用される化学品は追跡コードを添付する必要がない)。通関後に上海港から外省・市に輸送され、または原料として生産過程に使用される危険化学品は追跡コードを添付する必要はありません。
- 企業は、危険化学品の追跡コードを、危険化学品の各流通プロセスの最小外装に印刷し、貼り付ける必要があります。タンクローリーで輸送される危険化学品は、バーチャル追跡コードを使用するか、危険化学品追跡コードを船荷証券/注文書に印刷することもできます。
- 輸入された危険化学品に関して、海外で事前に追跡コードの作成と添付が推奨され、それを実現した輸入企業は、上海税関の危険化学品通関・検査「ホワイトリスト」企業として優先的に推薦され、通関・検査の優遇措置が受けられます。
対応策の検討
企業内のすべての危険化学品を自主検査を行い、「危険化学品目録」の規制対象製品を選別した後、出入庫情報の動態管理を実施します。
企業は、追跡コードが添付された危険化学品の出入庫時に、「出入庫前、コードをスキャン」という手順を厳格に実施しなければなりません。追跡コードが添付されていない危険化学品の場合、企業は該当する危険化学品の品種、数量、規格、バッチ番号、電子運送状、運送車両などの情報を出入庫情報管理システムに記録しなければなりません。
「六つの入庫禁止」(登録やコードスキャンがないこと、行政的に許可されないこと、化学的性質がタブーであること、倉庫の貯蔵容量以上であること、貨物に中国語情報ラベルがないこと、緊急廃棄方法に矛盾があること)や、「五つのチェック必須」(危険貨物[輸送免除規定に該当するものを除く]の場合、輸送する車両、人員、タンク、運送状等の情報は、規定に基づき、危険物道路輸送全過程管理システムを通じて確認する)を厳格に遵守しなければなりません。危険化学品企業は自ら危険化学品出入庫検査管理モジュールを構築し、検査結果を危険化学品道路輸送全過程管理システムとリアルタイムで相互接続することができます。
追跡コードが添付される危険化学品を受け取る場合、市応急局の公式WeChat“上海应急守护”の“危化品追溯”アプレットを通じて、危険化学品の追跡コードをスキャンしなければなりません。
次にすべきことは?
上海市危険品管理システムに登録⇒監査を経て⇒ログインして使用可能
“企业注册”(企業登録)をクリック⇒アカウントを登録するための情報を入力⇒送信⇒政府部門の監査を受ける
監査に合格⇒ログイン⇒右上の小さなアイコンをクリック⇒企業情報が表示される
PC:企業情報、商品の基本情報管理、追跡コード接頭辞管理、追跡コード管理で構成されています。貨物基本情報管理には、貨物リスト、新規貨物情報、貨物情報インポート、貨物情報閲覧、貨物情報編集、貨物情報コピー・追加、貨物削除、危険化学品追跡コード生成、追跡コード一括生成、関連追跡コード機能モジュール閲覧が含まれます。貨物情報には、危険化学品品名、組成成分(CAS番号を含む)、危険有害性区分、国連番号(UN番号)、包装区分、危険物区分などが含まれます。また、NRCC安全情報コード、化学品安全技術指示書(PDF形式)、化学品輸入危険性区分報告書(PDF形式)をアップロードする必要があります。
モバイル:危険化学品情報照会、追跡、操作記録照会、追跡監視の4つのモジュールで構成されます。“我的”をクリックすると、“个人中心”が表示され、企業情報、連絡先、企業のIDコードなどの情報を見ることができます。
モバイルのホームページでは、危険化学品情報照会のスキャンボタンをクリックし、追跡コードをスキャンして詳細を表示することができます (企業情報を保護するために、現在、名称、バッチなどの追跡に関連する情報を表示するだけ。異なる権限によって、ユーザーに異なるコンテンツを提供することができる)。
詳細はservice@cirs-group.comにお問い合わせください。