国連GHS文書改訂9版が発表!
Source: CIRS

国連GHS文書は「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム」(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals、表紙はパープルなので「パープルブック」と通称)のことであり、国連GHS専門家小委員会、国際労働機関(ILO)及び経済協力開発機構(OECD)により作成してきた国際的なシステムです。人々の健康と環境を保護し、化学品の試験および評価の必要性が減少し、化学品の分類および表示システムを調和させ、国際取引が促進されることを目的として、世界各国に導入され、化学品輸出入の取引における注目される重要な法規制です。 

初版が2003年に発布して以来、GHS専門家小委員会は毎年定期的に2回の会議を行い、GHSの改訂および完備を検討し、2年ごとに更新してきました。

2021年9月、国連パープルブックの改訂9版が、UNECE Webサイトで正式に発表されました。CIRSは詳しく分析を通じて、改訂第6版と比べて、主な変更点が以下となります。

1.略語

改訂9版の第1.2章では、いくつかの略語が削除されました。 例:CA(competent authority)、CBI(confidential business information)など。 この章では、Chemically unstable gas(化学的に不安定なガス)、Compressed gas(圧縮ガス)、Corrosive to metal(金属腐食性)、Explosive article(爆発性物品)などの後続の章と重複したの定義も削除されているが、パープルブックから完全に削除されたではなく、後続の各分類の章でも収録されます。

2.爆発物の分類

第2.1章では、爆発物の定義、範囲、および分類基準などが更新されました。

1)“division”(区分)と“primary packaging”(初級包装)の定義が追加される

2)“scope”(範囲)および“other consideration”(その他の考慮要素)の内容が追加される

3)爆発物は、改訂9版のパープルブックに基づいて2つの分類がある:

ラベル要素は以下の通り:

☆ 判定論理も更新される

3.アイコンの形の変更

各章の論理表示図では、矢印の形状が変更され、矢印とテキストボックスの形状が簡略化されています。たとえば、可燃性液体の判定論理図の変更は以下のように:

改訂8版:

改訂9版:

4.付属書1の追加内容

改訂9版では国連の「モデル規則」の危険物類別に基づき、付属書1の表の部分に、絵表示が変更されました。たとえば、付属書1の鈍性化爆発物の調整は次のとおりです。

改訂8版:

改訂9版:

5.附属書3の危険有害性情報及び注意書きのコードの変更

改訂9版の附属書3では、爆発物分類の更新に基づき、H200、H201、H202、H203、H205が削除され、H204が改訂され、H209、H210、H211の注意書きのコードが追加されます。爆発物関連のP203、P210、P222、P230、P234、P240、P250、P280、P370、P372、P373、P375、P380の内容も改訂され、P236を追加されます。

また、P264に記載されている内容は変更されており、P265の説明は追加され、両者とも眼に対する重篤な損傷性および眼刺激性の分類に適用できます。

P377とP381は、適用範囲が調整されました。

まとめ

以上は、国連パープルブック(GHS)の改訂9版の内容概要であります。この改訂版では、爆発物の章には明らかな変更があるが、他の章の内容は大幅に変更されていません。主要な変更は、読みやすくなるためにテキストボックスと矢印が簡略化されているということであります。改訂された附属書1では、迅速にGHS分類とTDG分類の間の関係を判定できるため、危険物輸送の分類が追加されます。




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