工業化学品導入規制の改正に従い、2020年7月1日に、オーストラリア工業化学品導入機構(AICIS: Australian Industrial Chemicals Introduction Scheme)は、従来の国家工業化学物質通知評価機構(NICNAS: National Industrial Chemicals Notification and Assessment Scheme)に代わり、工業化学品の製造又は輸入(合わせて「導入」という)を管理する規制当局となりました。新しい制度によると、工業化学物質が化粧品だけに用いられる場合、2020年7月1日以降に動物実験データの使用が禁止されます。
AIIC名録
従来のオーストラリア化学物質インベントリー(AICS)は、オーストラリア工業化学品インベントリー(AIIC)に更新されます。化学物質が含まれる製品をオーストラリアに輸入又は製造する場合、該当物質がAIICに掲載されているかどうかを確認する必要があります。AIICに収録されていない物質、又は目的の用途と使用条件が異なる物質は、新規化学物質として、製造又は輸入する前に、主管部門への届出が必要です。
AIIC には現在 40,000 物質以上が収載されており、公開の部分と秘密の部分に分けられます。秘密の部分については、オンライン申請で物質の情報を確認可能です。
検索ページ:https://www.nicnas.gov.au/chemical-inventory
規制対象外の物質
- 天然に存在する化学品
- 偶発的に導入された化学品
- 生物学的物質(動物全体または植物全体を除く、生物に由来する、または生物を構成する物質)
- 反応中間体
- その他の例外用途
- 農業用化学品
- 動物用医薬品
- 治療に使用される化学品
- 食品、食品添加物
届出
工業化学品を製造又は輸入する前に、登録年ごとに届出を行う必要があります。登録年度は、毎年9月1日から翌年8月31日までの1年間です。
カテゴリー
新しい制度によると、製造又は輸入される工業化学品を次の五つのカテゴリーに分類することが要求されます。
- 対象物質収載導入(Listed) 工業化学品がインベントリーに記載され、インベントリーの条件に従っている場合に該当する。
- 免除導入(Exempted) 人健康や環境へのリスクが非常に低い場合に該当する。
- 報告導入(Reported) 人健康や環境へのリスクが低い場合に該当する。
- 評価導入(Assessed) 人健康や環境へのリスクが中~高の場合に該当する。企業は導入前に評価を行い、評価証明書を取得する必要がある。5年後、当局は該当工業化学品をインベントリーに記載する。
- 商業評価導入(Commercial evaluation):商業的評価の目的ための届出、工業化学品の商業価値を見極める。
すべてのカテゴリーの記録保持が求められます。工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければなりません。
年次宣言(Annual declaration)
年次宣言は年次報告に取って代わります。化学物質を導入した者が記入し、AICISビジネスサービスポータルを介して提出します。期限が切れる前に、リマインダーが企業に送信されます。
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