ECHAは、改訂したREACH登録ドシェの完全性チェックを2020年4月から実施すると発表しました。完全性チェックの対象を化学物質安全性報告書(CSR)に拡張し、使用情報についてコンピュータによる完全性チェックも強化する予定です。有害性情報について、変異原性、生殖毒性、分解性のエンドポイントの明示を期します。
年間 10 トンを超える化学物質を取り扱う登録者は、化学物質安全性評価(CSA)を実施し、その結果を記録、評価した文書をCSR(有害性評価、リスク評価が必要)として、技術一式文書と共にECHAへ提出しなければなりません。
固有の特性の有害性評価
- 人健康有害性評価
- 物理化学的特性の人健康有害性評価
- 環境有害性評価
PBT及びvPvB評価
危険有害性の分類基準または PBT/vPvB 基準を満たす場合
- ばく露シナリオ
- ばく露量の見積り
CSRの完全性チェックは、必要な情報の有無について手作業でチェックします。必要とされる情報要件を満たしているか、その適用に正当性があるかを確認します。非加盟国言語で作成されたCSRは、不完全であるとみなされ、その提出を拒絶します。
データの信頼性を高める
ECHAが2016年に実施したREACH 登録ドシエのコンプライアンスチェックについて、焦点は潜在的懸念物質であり、評価された登録者のドシエの多くはデータ欠落や更新の必要があるデータだと掲載されました。その経験を踏まえて、今回の完全性チェックを通じて、登録データの信頼性と可用性が向上すると予想されています。政府は登録データを利用して分類管理を実施し、管制措置を制定することができます。企業は情報伝達の効率性を実現することができます。改訂した完全性チェックは、REACH登録に必要な情報要件が変更されることではなく、ECHAが必要とされる情報要件を満たしているかどうかを確認する方法を改善することです。
支援ツールのChesar
CSR作成のためのIT支援ツールである「Chesar」により、企業は、インターネットを用い、完全なCSAを効率よく作成することができます。Chesarは、IUCLIDに入力された物理化学データ、分類及び表示(C&L)、危険有害性の基準値(DNEL、PNECなど)、特定された使用取扱用途等を取り込むもので、IUCLIDのプラグインとして、同ツールの使用が推奨されます。
改訂した完全性チェックを2020年4月から実施すると報じられたため、登録ドシェを提出した前に、更新版IUCLIDに搭載されるValidation Assistant(検証アシスタント)による自動チェックを行うことが推奨されます。
お問い合わせ
service@cirs-group.com