2020年2月18日、欧州委員会は、CLP規則の第14次ATP(技術的・科学的進歩への適合)を公布しました。今回の改正で、化学物質の二酸化チタンを発がん性カテゴリー2に分類することとされました。2021年9月9日から適用されます。
二酸化チタンは、優れた白色顔料の高光度や不透明度を持ち、塗料、ニス、印刷用インク、プラスチックや紙の白色顔料として、世界中で広く生産・使用されています。さらに、化粧品、食品、ゴム、医薬品など多方面に使われています。
二酸化チタンに発がん区分をつける議論状況が進んで、企業や関連業界から激しい批判を受けました。二酸化チタンの代替品が存在しないため、関連する産業界は大きな影響を受ける可能性があります。
二酸化チタン(空気動力学径10μm以下の粒子を1%以上含有する粉末状)を含む製品について、発がん性を警告するラベルを貼ることが要求されます。その他の状態の製品又は混合物について、リスクを低減するため、取扱説明書には必要な保護措置の強調が推奨されます。
影響
現状、粉末状の二酸化チタン製品が規制対象とされましたが、液体状又は混合物の製品に安全警告を表示することが消費者に悪い印象を与え、製品の販売に悪影響を及ぼすことが懸念されます。そのほかの懸念事項:
- 塗料の使用禁止
- 2倍の塗料を使っても不透明度が低い
- 二酸化チタンの建設廃棄物、石膏と壁紙が危険廃棄物とみなされる可能性
- 消費者製品がエコラベルの対象外
新しい分類を順調に実施するため、欧州二酸化チタン工業会(TDMA)は早めに液体状又は混合物の製品のラベル要求を明示することを要望します。建設業界は二酸化チタンの建設廃棄物についての検討がほしいという意見があります。
Adopted EU classification: titanium dioxide producers mull legal action (ChemicalWatch)