2025年11月3日、欧州食品安全機関(EFSA)は、化学合成カンナビジオール(cannabidiol、CBD)を新規食品(Novel Food)として使用することに関する安全性評価報告書を公表しました。EFSAの専門家パネルは、現時点で入手可能なデータに基づいては、化学合成CBDを新規食品として安全であると結論付けることはできないと判断しました。

図1:EFSA Journal に掲載された安全性評価
CBDが承認に至らなかった主な理由
- 申請者による追加データの未提出:評価のプロセスにおいて、専門家パネルは複数のデータ欠如を指摘しました(具体的には、ナノ粒子の特性、規格および分析試験所の認定、安定性、遺伝毒性、生殖発達毒性、ヒト臨床データなど)。EFSAは2025年3月24日、4月7日、4月24日の計3回にわたり申請者に連絡を取りましたが、いずれも回答は得られませんでした。
- 安全性を確定できないとの結論:EFSA専門家パネルは、現存するデータでは、化学合成CBDを新規食品として安全と評価することはできないとの結論に至りました。

図2:EFSA専門家パネルの評価結論
現在のCBDの規制状況
欧州連合規則 (EU) 2015/2283に基づき、CBDは新規食品(Novel Food)に分類されています。そのため、EU域内で食品または食品サプリメントとして使用・販売するためには、事前にEUの承認を取得することが必須です。「OPEN EFSA」の公開情報によると、現時点でEUには60件以上のCBDに関連するNovel Food申請が提出されています。しかし、本日までに正式な認可を取得したケースは一件もなく、その多くは安全性データの不足や申請の無効判定により審査を通過できていません。

図3:CBDに関するEU Novel Food申請状況
結論として、CBDのEU Novel Food申請は、すでに5~6年に及ぶ長期プロセスとなっていますが、依然として多数のデータ欠如および安全性評価上の課題が存在しています。このため、CBDがEU食品市場において合法的に流通するまでの道のりは依然として長いといえます。
今後、申請者には、十分な毒性学的研究および信頼性の高い安全性データの整備が、これまで以上に強く求められることになります。
