3月15日、欧州委員会は、電気・電子機器(EEE)についての有害化学物質規制であるRoHS指令の意見公募を開始しました。意見公募は6月2日に終了し、合意されたすべての改正案は今年の第4四半期に採用される予定です。
RoHS指令は、廃電気・電子機器のリサイクルを容易にするため、且つ最終的に埋立てや焼却処分されるときに、ヒトや環境に影響を与えないように電気・電子機器について有害物質を非含有とさせることを目的として制定されています。また、RoHS指令は現在、電気・電子機器に含まれる10種類の有害化学物質とその中の有害廃棄物を制限しており、特に関連する廃棄物管理及び労働者保護に役に立ちます。
上記の目的を実現するために、可能なるさまざまな対策を講じるかもしれません。その一つは、RoHS指令を廃止してREACH規則に組み込む、或はRoHS指令を廃止し、持続可能な製品イニシアティブ(SPI)に基づく環境に影響を与えないように電気・電子廃棄物に有害物質を非含有とさせることです。
RoHS指令は、世界中の約50の司法管轄区域での類似法に関わっています。サーキュラーエコノミー行動計画(CEAP)の一部として、この指令は欧州グリーンディールの重要な成果であり、「持続可能な化学物質戦略」と、「EU行動計画(大気・水・土壌の汚染ゼロに向けて)」に貢献しています。 中国、ベトナム、湾岸諸国など、EU諸国以外の40以上の司法管轄区域が、RoHSまたはRoHSをひな形としての類似法の導入することを検討しています。
日本工業組織は次のように述べています。「RoHS指令はErP関連物質の処理に適用できます。既存規制の重複を避けるように、電気・電子機器に有害物質が含まれる製品の関連規制要求を、ErP指令を組み込むことに同意しません。ErP指令は主に製品向けですが、基本的な部品は電気・電子機器で一般的に使用されます。特定の製品規制の実施規則が物質管理要求に別の規定がある場合、これらの一般的な部品および材料は、一部の製品で使用できず、非効率的で非現実的なことにつながります。」
「さらに、RoHS指令は、前述の電気・電子機器に含まれる有害物質規制の世界的な基準点になっています。そのような法律がREACHまたはその他のリサイクル関連規制に突然組み込まれた場合、RoHSの類似法を実施する世界中の国々が法律の参照を失って、道に迷ってしまうでしょう。それに、グローバルサプライチェーンは混乱に陥る可能性があります。EUがすでに確立されたRoHS指令の廃止は、事実上のグローバルスタンダードとしてのEU RoHSの利点を損なう可能性があります。」
お問い合わせ