2022年11月4日、EU SCCSは、化粧品におけるトリクロルカルバンとトリクロサンの潜在的な内分泌かく乱性評価を発表し、化粧品におけるトリクロルカルバンとトリクロサンの安全性の問題点を明確にし、証明しました。SCCSは、潜在的な内分泌の影響を含むすべての利用可能な情報の安全性評価を行った結果、次のような結論を導き出しました。
トリクロルカルバン(ベビー用ウェットティッシュには適用されない)
- 子供(0.5〜18歳)と大人に対して、皮膚用化粧品におけるトリクロルカルバンの防腐剤としての安全使用濃度は、単独でも組み合わせて使用しても、最高0.2%となっています。
- 子供(0.5〜18歳)と大人に対して、防腐剤として使用する以外に、トリクロルカルバンが洗い流す製品中の安全使用濃度は、単独でも組み合わせて使用しても、最高1.5%となっています。
- 大人と子供がトリクロルカルバン濃度が0.2%に達するうがい水を使用するのは安全ではありません。
- 6歳以下の子供が、トリクロルカルバン濃度が0.2%に達する歯磨き粉を使用するのは安全ではありません。
トリクロサン
- 子供(0.5〜18歳)と大人に対して、トリクロサンは防腐剤として、附属書5第25条に規定されている現行の制限濃度(0.3%)に従い、単独でも組み合わせて使用しても、皮膚用化粧品(ボディクリームを除く)に使用する場合には安全です。
- 子供(0.5〜18歳)と大人に対して、トリクロサンは防腐剤として、歯磨き粉中のトリクロサンの安全な使用濃度は、単独使用時に限り0.3%となっています。3歳未満の子供がボディクリーム以外の皮膚用化粧品と組み合わせて使用する場合は安全ではありません。
- 大人向に対して、トリクロサンを防腐剤としてうがい水に安全に最高安全使用濃度は、単独使用時に限り0.2%となっています。子供や青少年が0.2%のトリクロサン濃度のうがい水を使用するのは安全ではありません。
注目すべきは、今回のSCCSではトリクロサンとトリクロルカルバンを併用した製品に対して、安全性評価が行われていません。
CIRSグループが独自に研究開発した中国化粧品原料法規データベース-「妆合规」(化粧品コンプライアンス)の検索情報により、トリクロルカルバンCAS番号101-20-2、トリクロルセンCAS番号3380-34-5は、いずれも消臭剤、防腐剤として使用され、中国化粧品安全技術規範の準用防腐剤リストに含まれています。トリクロルカルバン化粧品の使用時の最大許容濃度は0.20%で、純度基準:3,3’,4,4’-テトラクロロアゾベンゼンは1 mg/kg未満、3,3’,4,4’-テトラクロロアゾベンゼンは1 mg/kg未満です。トリクロルカルバン化粧品が使用時の最大許容濃度は0.30%で、手洗い石鹸、バスソープ、ボディーソープ、消臭剤(スプレーではない)、化粧パウダーとコンシーラー、ネイルクリーナー(ネイルクリーナーの使用頻度は2週間に1回以下)に使用されます。
- 関連リンク:
中国化粧品原料法規データベース-「妆合规」(化粧品コンプライアンス)https://zhg.cirs-group.com/product-and-service/china-cosmetic-ingredient/
SCCS/1643/22