EU SCCSがハイドロキシアパタイト(ナノ)に関する最終的な安全性意見を発表
Source: SCCS

2023年3月23日、EU消費者安全科学委員会(SCCS)はハイドロキシアパタイト(ナノ)(Hydroxyapatite(nano),HAP-nano,CAS No1306-06-17,EC No.215-145-7)に関する最終的な安全性意見(SCCS/1648/22)を発表しました。ハイドロキシアパタイト(ナノ)に関する初歩的な意見は2023年1月4日に発表されました。

最終的な結論は次の通り:

提供されたデータにより、SCCSはは歯磨き粉でハイドロキシアパタイト(ナノ)の最高安全濃度が10%、うがい水で最高安全濃度が0.465%と考えています。この安全性評価は、以下の特徴を有するハイドロキシアパタイト(ナノ)にのみ適用されます。少なくとも95.8%(粒子数)のアスペクト比が3未満、残りの4.2%のアスペクト比が4.9未満、粒子がコーティングまたは表面改質されていません。

本意見は、針状粒子からなるハイドロキシアパタイト(ナノ)には適用できません。ハイドロキシアパタイト(ナノ)は口腔スプレー製品にも使用されていますが、消費者の吸入暴露に対する安全性を評価するデータは現時点ではありません。そのため、本意見は、消費者の肺にナノ粒子を吸入させる可能性のあるスプレー型製品には適用されません。

 


CIRSグループが自主研究開発した中国化粧品原料法規データベース(化粧品コンプライアンス)(妆合规)の検索情報により、ハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite)が中国の「使用済み化粧品原料目録」(2021版)に組み込まれており、洗い流さない類製品の過去最高使用量は6.5%でした。「使用済み化粧品原料目録」では原料がナノスケールであるか否かを区別していないが、「化粧品登録備案資料管理規定」では、ナノスケール原料を使用する場合、配合表にこのような成分名称の後に「(ナノスケール)」と表記しなければならないと明確にしています。また、「子供用化粧品監督管理規定」では、「子供は長期的な安全使用歴史がある化粧品原料を選択して使用しなければならず、ナノテクノロジーなどの新技術で製造された原料を使用することは許されず、代替原料がなくて使用しなければならない場合は、その理由を説明し、子供用化粧品使用の安全性について評価しなければならない」と指摘しています。中国食品薬品検定研究所(NFIDC)は2022年4月、ナノ原料の使用に関する要求を発表しました。製品配合にナノ原料が含まれる製品の安全性評価を行う場合、原料メーカーが発行した原料品質規格を提供し、その原料の品質規格と配合使用量をサポートする安全性評価資料を提供しなければなりません。