2022年12月15日、EU消費者安全科学委員会（SCCS）はサリチル酸（Salicylic acid,CAS No.69-72-7）に関する初歩的な意見を発表し、化粧品におけるサリチル酸の使用について安全性評価を行いました。意見公募の締め切りは2023年2月17日です。

この初歩的な意見により、現在のデータに基づき、サリチル酸の潜在的な内分泌かく乱性を考慮すると、サリチル酸が防腐剤として化粧品中の最大安全使用濃度は0.5%です。

• 成人、青少年及び3歳以上の子供に対して、サリチル酸を防腐剤とする口腔又は皮膚用製品を単独で使用することは安全であり、最大安全濃度は0.5%です。しかし、両者が共同で使用する場合は安全ではありません。
• サリチル酸は眼刺激物質で、目に重篤な損害を引き起こす可能性があります。
• 本意見は、使用者が肺からサリチル酸を吸い込む可能性のあるスプレー型製品には適用されません。化粧品法規（EC）1223/2009は3歳以下の子供が使用する製品にサリチル酸を添加することを厳禁しているので、初歩的な意見はサリチル酸を含む製品が当該年齢層に与える影響に言及していません。

サリチル酸を防腐剤として以外、化粧品に他の用途として使用する場合の安全な最大使用濃度は以下となります。

• 3.0%は洗い流す類の髪用製品に使用されます。
• 2.0%は他の化粧品で使用され、ボディローション、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅、非スプレー型消臭剤を除きます。
• 0.5%はボディーローション、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅、口腔（口の部分）製品、非スプレー型消臭剤に使用されます。

サリチル酸を化粧品に安全に使用するために、使用者は、1つまたは複数の製品カテゴリにおけるサリチル酸の使用濃度を低下させるか、または1つまたは複数の製品カテゴリにおけるサリチル酸の使用を減少させることを考慮することができます。

本意見では、化粧品原料としてサリチル酸のみを言及しており、他のサリチル酸塩については言及していません。

https://health.ec.europa.eu/publications/salicylic-acid-cas-no-69-72-7-ec-no-200-712-3_en

CIRSグループが自主研究開発した中国化粧品原料法規データベース（化粧品コンプライアンス）（妆合规）の検索情報により、サリチル酸は抗脂漏剤、髪用コンディショニング剤、角質除去剤、芳香剤、防腐剤と皮膚コンディショニング剤として使用でき、すでに中国化粧品安全技術規范の使用制限原料目録と準使用防腐剤目録に含まれています。「化粧品安全技術規範」（2015版）により、サリチル酸とその塩類は防腐剤として化粧品中の最大安全濃度は0.5%（酸の計で）です。サリチル酸は製品において他の使用目的とした場合、洗い流さない類製品及び洗い流す類皮膚用製品の中で最大安全濃度は2.0%です。洗い流す類髪用製品の中で最大安全濃度は3.0%です。

ただし、サリチル酸の使用目的にかかわらず、「シャンプーを除き、3歳未満の子供が使用する製品には使用してはならない」との制限があり、ラベルには「サリチル酸を含む」と表示しなければなりません。製品が3歳未満の子供に使用される可能性があり、長期的に皮膚と接触する場合には、ラベルに「3歳未満の子供は使用してはならない」と表示する必要があります。

化粧品コンプライアンス）（妆合规）リンク：https://zhg.cirs-group.com/