EU SCCS、ブチルパラベン(Butylparaben)の小児暴露評価に関する最終的な見解を発表
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202552日、EU消費者安全科学委員会(SCCS)は、ブチルパラベン(ButylparabenCAS番号94-26-8)に関する小児暴露評価の最終見解(SCCS/1674/25)を公表しました。本見解の暫定版は2025113日に公表されていました。

年齢層別に検討対象となる化粧品の種類

2023年にSCCSが発表した第12版「ガイダンスノート」の附属書7では、年齢層別に使用が想定される一般的な化粧品の種類が示されていました。下表は、SCCSが各年齢層の児童に対する安全性評価を行う際に想定する化粧品製品の種類(SCCS/1647/22 A.7.2に基づく)を示したもの

 

0.5-1

1-3

3-6

6-10

スキンケア製品

ボディウォッシュ
ハンドソープ
シャンプー
ボディローション
フェイスクリーム
ハンドクリーム

ボディウォッシュ
ハンドソープ
シャンプー
ボディローション
フェイスクリーム
ハンドクリーム
コンディショナー

ボディウォッシュ
ハンドソープ
シャンプー
ボディローション
フェイスクリーム
ハンドクリーム
コンディショナー

ボディウォッシュ
ハンドソープ
シャンプー
ボディローション
フェイスクリーム
ハンドクリーム
コンディショナー

オーラルケア製品

歯磨き粉(残留率40%

歯磨き粉(残留率40%

歯磨き粉(残留率40%
マウスウォッシュ(残留率10%

歯磨き粉(残留率5%
マウスウォッシュ(残留率10%

 

SCCSの最終的な見解

  1. 総合的安全性評価
    • 内分泌かく乱作用を含むすべてのデータを考慮した結果、防腐剤として使用されるブチルパラベンについて、酸換算で最高濃度0.14%、複数の製品を併用した場合、0.5-10歳の全年齢層に対して安全ではないと判断しました。
    • ただし、ボディローションを除き、単一製品使用(例:スキンケア製品もしくはオーラルケア製品の単独使用)の場合、安全性が認められます。
  2. 安全使用のための濃度調整
    • 総暴露量を245 µg/kg体重/日以下に抑えるため、以下を勧めます:
      • 洗い流す類製品:最大0.14%(酸換算)
      • 洗い流さない類製品:最大0.002%(酸換算)
      • オーラルケア製品:最大0.092%(酸換算)
    • 上記濃度を超えない限り、単独併用いずれの場合も全年齢層で安全と評価されます
  3. 評価対象外事項
    • スプレー製品(口腔用スプレー含む)の吸入暴露リスクは対象外。
    • 環境安全性への影響は評価の対象外。

ブチルパラベンの中国規制状況

CIRSグループが独自開発した中国化粧品原料規制データベース「(化粧品コンプライアンス)」の検索情報によると、ブチルパラベンは化粧品において香料および防腐剤として以下に登録:

  • 中国既存化粧品原料目録(2021年版)
  • 中国既存歯磨き粉原料目録(口腔協会版)
  • 「中国化粧品安全技術規範」準使用防腐剤リスト

使用制限

 

  • 単一エステル:最大0.4%(酸換算)
  • 混合エステル合計:最大0.8%(酸換算)
  • プロピルパラベンブチルパラベン(各塩含む)の合計0.14%(酸換算)を超えないこと