2022年4月20日、EUは有害化学品の輸出入の管理に関する「事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」(PIC条約)の改正版を発行し、改正版は、2022年7月1日から実施されます。新しい規制の実施後、EUの輸出業者は、22種の有害化学品の輸出意向を各国当局に通知する必要があります。そのうち、4物質は輸出が禁止されました。
新たに追加された22種類の化学品には、15種類の殺虫剤と7種類の工業用化学品が含まれていて、そのうち、ベンゼン(濃度が0.1%重量を超える)を含む全ての物質が入っています。輸出通知に加えて、ほとんどの化学品は、輸出前に輸入国の主管部門からの明確的な承認も必要とします。
背景
EUの「事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」(PIC, Regulation (EU) 649/2012)は、特定の有害化学品の輸出入を規制し、これらの化学品をEU域外に輸出する企業に通知義務を追加します。ロッテルダム条約の履行措置であるPICは、国際間に有害化学品の貿易における責任の共有と協力を促進します。有害化学品を安全に保管、輸送、使用、廃棄する方法に関する情報を輸入国に提供することにより、ヒトの健康と環境を保護します。PIC条約は2014年3月1日に発効しました。
「条約」の付属書VIに含まれている禁止または厳しく制限された化学品:
- 農薬(アトラジンやペルメトリンなど)、消毒剤、殺虫剤(マラチオンや塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなど)などの殺生物剤に含まれる有効成分
- 工業用化学品(ベンゼンやクロロホルムなど)
- EUからの輸出が禁止されている「条約」の付属書Vに記載されている化学品(残留性有機汚染物質や特定の水銀化合物など)。
詳細については、関連リンクにて確認してください。
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