2019年12月11日、ECHAのウェブサイでREACH登録ドシェの完全性チェックに関する内容の変更が発表されました。2020年4月から化学物質安全性報告書(CSR)に対するチェックを行う予定です。
REACH登録ドシェ(Registration Dossier、登録一式文書)
- 年間1t以上製造または輸入する場合、技術一式文書(Technical Dossier)の提出が必要
- 年間10t以上製造または輸入する場合、技術一式文書に加えて化学物質安全報告書(CSR:Chemical Safety Report)の提出が必要
CSRに対する完全性チェックを行うことを通じて、物質の有害性情報の取得に役に立ちます。有害性またはPBT(難分解、生体蓄積性、毒性)物質のCSRのチェックは、曝露評価とリスク判定の有無などを確認します。なお、登録された用途情報について、コンピューターによる完全性チェックも強化します。
生態毒性学的情報の提供を重点的評価対象とすることとされています。以下の内容が含まれるが、これらに限られません。
変異原性
- Ames試験(年間1t以上)
- in vitro哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験(年間10t以上)
- in vitro遺伝子突然変異試験(年間10t以上)
- in vivo遺伝子突然変異試験(年間1t以上、Ames陽性結果)
生殖毒性
- REACH附属書の規定に基づき、試験を行います。トン数に従い、登録に必要な情報要件は異なります。
分解性
- 表層水中の最終的分解に関するシミュレーション試験、土壌シミュレーション試験、堆積物シミュレーション試験など(年間100t以上)
ドシェのチェックについて、不適切な情報の提供やデータ不足が見られる場合は、ECHAは必要に応じて登録者に情報の追加提供を要求できます。登録者はその要求に従い、追加情報の提供が義務付けられたことを注意しなければなりません。
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