保健食品VS機能性食品--大健康産業下の二つ道
Source: CIRS

大健康産業とは、健康保障を中心として、ヒトの体健康を最終目的とする全ての産業を指します。国民健康意識および消費レベルが続いて向上していることに伴い、中国当局も大健康産業の発展を推し進めています。「『健康中国2030』規格綱要」に基づき、2030年中国大健康産業の市場規模は16万億人民元に達する見込みです。保健食品と機能性食品、何れも大健康産業に属しますが、お互いに区別があります。本文章は、両者それぞれの特徴を巡り、五つの方面から比較して分析解説します。

1. 製品定義

保健食品

保健食品は、特定の保健機能を有し、又はビタミン・ミネラル補充を目的とする食品を指します。つまり、特定対象者の食用に適用し、機体調節の機能を有し、疾病治療を目的としない、しかも、ヒトの体に如何なる急性、亜急性、慢性的な危害を与えない食品です。

機能性食品

機能性食品は、法規制範疇の概念定義ではありません。つまり、中国現行の法規制では、この食品カテゴリーがありません。従いまして、公的定義もありません。「機能性食品」という言い方は、業界の言い方だけです。一般的に、機能性食品は、体の防御機能を増強し、生理状況を調節し、健康を促進できる食品を指します。この類別の食品は保健食品を含むかもしれませんが、保健食品よりその範囲は更に広いです。

現時点、業界話題になっている「機能性食品」は、一般的に、機能性原料を添加する一般食品を指します。ですので、本文章にての「機能性食品」はこの類別の「一般食品」を指します。

2. 製品状況

保健食品

2016年7月1日から、中国保健食品は「登録・届出並行管理」制度を執行します。現時点、保健食品は機能表示、原料使用状況などに基づいて登録類製品、届出類製品に分けられます。現行法規制に基づき、保健食品の商品ラベルに保健食品専用ロゴを印刷しなければなりません。つまり、青帽子(中国語:蓝帽子)。

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保健食品「青帽子」ロゴ

機能性食品

ハイテンポなライフスタイル、徹夜、不規則食事などの不良生活習慣に伴い、若者の健康問題も段々に深刻化になっています(下図1)。ただし、伝統的な保健食品の保健機能は若者消費者の細かい需要に完全的に満足できなくて、しかも、保健食品のよくある剤形は医薬品に近いので、若者が求める「精巧感」にも不適合です。この背景に、「細分化」、「間食化」の機能性食品は出現しました。

データ由来:丁香医生「2022国民健康洞察報告」

皆様が保健食品と機能性食品の区別をしっかり把握できることを目的として、ここに、両者の主要特徴をまとめて分析します。詳しくは以下の通りです。

表1 保健食品と機能性食品の主要特徴分析

項目

保健食品

機能性食品

本質

特殊食品

一般食品

法規制要求

市場販売する前に登録/届出申請を完成する必要

製品処方、ラベルなどが法規制要求に合致する必要で、市場販売する前の登録/届出申請は不要

原料

届出類保健食品:「保健食品原料目録」に収載される原料

登録類保健食品:一般食品原料、新食品原料、食薬両用リスト物質、法規制に基づいて保健食品に使える他の原料

一般食品原料、新食品原料、食薬両用リスト物質、など

剤形

タブレット錠剤、硬カプセル、軟カプセル、内服液、顆粒剤、グミキャンデー、粉剤、など

間食化形状。例えば、飲料、グミキャンデー、ゼリー、など

効能試験

登録類保健食品は申請する保健機能に基づいて動物試験および(又は)ヒト試験を執行。

届出類保健食品は効能試験を執行不要。

法規制に基づき、不要。

企業は関連した科学研究を執行するかしないか、自ら決定できる。

食用制限量

明確的な食用量が有り

一般的に、明確的な食用量が無い

適用対象者

特定の適用対象者および不適用対象者が有り

一般的に、適用対象者および不適用対象者が無い

主要消費者

主に中老年消費者を集中し、或は特定需要有りの対象者

主に若者消費者を集中

広告宣伝

「中華人民共和国広告法」の要求に合致する必要で、広告モデルを利用して推薦、証明できない

「中華人民共和国広告法」の要求に合致する必要で、広告モデルを利用して推薦できる

3. 機能表示

保健食品

保健食品は特殊食品として、明確的な保健機能表示があります。現時点、中国保健食品が表示可能な保健機能は「24+1」種があり、非栄養素補助剤が表示可能な24種保健機能(下表2)、及び栄養素補助剤が表示可能な1種保健機能を含みます。

表2 保健食品が表示可能な保健機能 非栄養素補助剤

01

02

03

04

免疫力増強を助ける

抗酸化を助ける

記憶力改善を助ける

視覚疲労の緩和

05

06

07

08

のど清涼潤喉

睡眠改善を助ける

体疲労の緩和

耐酸素不足

09

10

11

12

体内脂肪制御を助ける

骨密度改善を助ける

鉄欠乏性貧血改善

痤瘡改善を助ける

13

14

15

16

肝斑改善を助ける

皮膚水分状況改善を助ける

腸菌群調節を助ける

消化を助ける

17

18

19

20

潤腸通便を助ける

胃粘膜保護の補助

血脂健康水平(コレステロール/トリアシルグリセロール)維持を助ける

血糖健康水平維持を助ける

21

22

23

24

血圧健康水平維持を助ける

化学性肝臓損傷の補助保護作用

電離放射線危害の補助保護作用

鉛排出を助ける

機能性食品

機能性食品は一般食品として、中華人民共和国食品安全法およびその実施条例、「GB 7718-2011」などの現行法規制に基づき、如何なる形式の機能表示を記載してはならなくて、文字や画像などの手段で保健機能有りを暗示することもダメです。例えば、腸健康を目指す商品は、「腸の問題を解決」(中国語:解决肠道问题)、「腸不適を改善」(中国語:改善肠道不适)、「よく飲むと腸は楽になる」(中国語:常喝“肠”轻松)などの機能表示はラベルに記載してはならなくて、広告語、画像設計などの形式で曖昧表示、暗示することもダメです。

4. 発展現状

保健食品

中国保健食品は1980年代以来、数十年の歴史があり、現在は「規範化発展」の段階におきます。中国当局は、保健食品登録・届出を厳格的に監督管理する為に数多くの法規制を公布します。一方、社会老齢化、国民健康意識増強、消費レベル向上などの原因も業界発展を促進します。下図2の通りに、2021年中国保健食品の市場規模は2,708億人民元であり、2020年に比べて205億人民元を増えます。全体的から見ると、中国保健食品の市場規模は続いて拡大し、2022年年末に2,989億人民元までに増える見込みです。

データ由来:iiMedia Research、Intelligence Research

しかし、市場規模が続いて拡大している同時に、保健食品業界は色々な問題もあります。

1)製品同質化

CIRS毎年の保健食品許認可取得状況のまとめから見ると、この数年、登録許認可、届出許認可を取得した製品は主に免疫力増強類製品、ビタミン・ミネラル補充類製品となります。市場にての製品は大同小異で、創新性不足です。

2)保健機能の制限

現時点、保健食品が表示可能な保健機能は制限され、しかも、主に中老年対象者向けです。現有の表示可能な保健機能は若者消費者の個性化、細分化需要に満足できないです。

機能性食品

この数年、機能性食品は大健康産業の新勢力となり、若者消費者の新潮的な審美観と強大的な購買力は機能性食品の発展を推し進めます。

中国新食品原料の登録認可制度の完善化に伴い、数多くの機能性新食品原料は機能性食品に応用し、中国機能性食品産業の発展に助力します。例えば、若者の皮膚問題解決を目指すヒアルロン酸ナトリウム製品、睡眠問題改善を目指すγ—アミノ酪酸(GABA)製品、など。

しかし、機能性食品業界も数多くの問題があります。

1)単価が高い

機能性原料を添加する為、一般的に、一般食品より機能性食品の価格は高いです。「機能の為に支払う価値があるかどうか」という問題を抱いている消費者が多いです。

2)体験が弱い

まず、一般食品は機能表示を記載できないという規定は、消費者心理的な製品機能性感じを弱めます。次に、新製品に対して、まずは一回を買い試す消費者が一杯で、しかし、一般的に、一回だけを食用する場合、強い機能性体験はありません。

3)再度購買が少ない

機能性食品は新勢力であり、創新ブランドが一杯で、しかも、主にOEMとODMで製品研究開発、製品製造する為、市場にての類似製品が一杯です。消費者があるブランドに一途する状況が少ないです。

5. 業界未来

保健食品

現時点、保健食品は「登録・届出並行管理」制度で規範的に発展しています。届出類製品剤形と原料目録の増加に伴い、より多くの保健食品は届出申請可能になり、その創新性も段々に向上します。また、ネット時代に、消費者が保健食品を購買するルートも変わり、ネット通販は業界発展の主要助力になります。一方、越境ECで輸入保健食品を購買する消費者も多いです。国産製品に比べて、成分、機能などの方面に輸入製品の選択が更に多いです。ですので、保健食品の未来動向は「製品多様化」、「消費者若者化」、「ルートEC化」と見られます。

機能性食品

90後、00後の好みで、機能性食品の発展未来は期待的です。今年5月、中国食品業界協会はTmall食品などを連合して「2022年度食品商品トピックトップ6」を共同公布しました。機能性食品業界に発展方向を与えます。

https://www.cirs-group.com/files/bjaxzoh4ln28/content/2022/09/bws124fhqpds.png

製品の研究開発方面に、消費者の新型需要を合わせて標的な製品を開発し、消費者需要を精確的に狙って市場占有率を拡大します。

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原料選択方面に、植物性原料は話題になり、「植物エネルギー」は注目されます。その同時、機能性類似の多種原料を組み合わせ配合し、機能性試験報告を展示して製品機能の真実性を増強します。

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販売手段の方面に、「爆売品」モードを利用し、話題有り、品質高級、体験極致の「爆売品」を作ることで、製品の記憶点を強調し、製品の再度購買率を向上できることだけではなくて、ブランドに対して消費者の認知程度と注目程度を増強し、市場の有名ブランドになることにも役に立ちます。

6. まとめ

2022年8月2日、中国国家市場監督管理総局(SAMR)は「保健食品新効能技術評価実施細則(試行)(意見募集稿)」を公布し、保健食品にとっては素晴らしいニュースです。この意見募集稿に基づき、将来の保健食品は現時点の24種の保健機能だけに限定されなくて、外国に認可した保健機能も、企業が創新研究開発した保健機能も、何れも保健食品効能目録に追加収載できます。しかも、意見募集稿の実施細則に基づき、市場販売しながら新効能あると発見した一般食品も保健食品新効能の研究サンプルになれます。つまり、将来に、機能性食品の発展は保健食品の創新を押し進めると見込みです。